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幸福は不可能

平和や平安、幸福は、もはやどこにも、どんなときにも存在しないようなところにしか、見出されない

ショーペンハウアー

資本主義社会は幸福によって駆動する。

第一に消費主義。
「消費することで幸福になれる」

第二にメリトクラシー。
「努力して成功すれば幸福になれる」

メリトクラシーによって不平等が合法化される。
「不幸な人間は(努力しなかったのだから)自己責任」
となる。

そうして
「幸福な人間はself-help(自助努力)によって成功したから幸福なのだ」
と導かれ、これは
「成功すれば幸福になれる」
という信仰を産む。

人々は社会的成功を追い求めるようになり、過重な労働に対して意欲と耐久性を持つようになる。

消費主義とメリトクラシー、そこから生まれる消費と労働が資本主義社会の両輪であり、それを「幸福」――正確には、幸福を想念して追い求める欲動が駆動させる。

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