坂元裕二の言葉遊び
「好きって溢れるものでしょ」
「じゃんけんで1番弱いのは、じゃんけんのルールが分からない人だよ」
「自分らしく好きって言えないなら自分らしくなくても好きって言いたい」
「どうして曇ってると天気悪いって言うんですかね」
「いなくなるって消えるって事じゃないですよ。居ないって事が、ずっと続くってことです」
拾い上げたらキリが無いような印象深い言葉を、ドラマや映画の会話の中でリズムに乗せて発して、観てる人をハッとさせる。
具体的なようで抽象的、物語の流れを見ているとその言葉を発した側も発された側もその背景が見えて、
表情とか
間とか
その雰囲気に飲み込まれてグッと来てしまう。
抽象的だから、時々自分と重ねて胸が痛くなったりもする。
私の思う坂元裕二という脚本家はそんなイメージだ。
ドラマ等に出てくるいわゆる’悪役’は、坂元裕二の作品では、その人が発している言葉が凄く心地悪く、何となくゾワゾワして
「わ、何かこの人気持ち悪い」
になる。
基本的に話し口調や会話での返事の選び方が優しさを感じる事が多いからなのか、悪役(っぽい人)がその雰囲気をどんどん黒くしていくのが全身から感じられるのが凄い。
ミーハーな所で言えば、坂元裕二のファンは多いと思うので、違う作品の中で同じような台詞があると、見つけた感じがしてとても嬉しかったりもする。
「同じシャンプー使ってるから、頭から同じ匂いがする」
とか
「防戦一方です」
とか笑
私が見た坂元裕二作品は少ないとは思うが、誰も共感出来ない個人的なイメージとして、言葉選びが私の好きなKing Gnuに似ている。気がする。
恥ずかしい…笑
そもそも何でこの2つが似ているのかなと共通点を考えた時に、
語りかける言葉がどれも優しくなれるような、優しい言葉がとても印象にあるからだった。
この2つはどちらを聴いても落ち込まない後味になる。かといって明るく元気な光でもない。
強い日差しを雲で包んでくれるような、だから太陽を見ても痛くないようなイメージ。
少なくとも私はそう感じる。
自分もそう在りたいと感じられる言葉を聴かせてくれる。
だから、本当に有り難い。
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