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読書感想

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【読書感想】 自由研究には向かない殺人 ホリー.ジャクソン

とにかく主人公の熱意が凄まじいです。 熱意以上に教えてくれたことも。 大多数がこうだと決めつけてしまい、「そんなものか」と納得してしまいがちな内容を「いやいや、それは違うよ!」と声を上げる大切さを教えてくれます。 これを読んで、サイレントマジョリティという欅坂46の歌を思い出しました。 そうだ! 間違えている! なんか違うな! って思ったら勇気を出して言うべきですね。 なんか違くない?って。 あらすじ高校生のピップは自由研究で、自分の住む街で起きた17歳の少

【読書感想】 ファーストラヴ 島本理生

初恋の話かなぁなんて、軽い気持ちで読んでいるうちに、物語は段々と違う方向に進んでいき、それに連れ、ぐいぐい引き込まれてしまいました。 これは、私の心に刺さる一冊。 みんな心に闇を少なからずとも抱えている。そんな女性に読んでもらいたい。 あらすじ父親殺害の容疑で逮捕された女子大生、環菜。 アナウンサー志望という経歴も相まって事件は大きな話題となるが、動機は不明だった。 臨床心理士の由紀は、ノンフィクション執筆のため環菜や、周囲への取材をする。 そこで明らかになった少

【読書感想】 自転しながら公転する 山本文緒

ニュースで山本文緒さんの訃報を知りまして、ショックを受けております。 私が読んだのは、自転しながら公転するのみでしたが、勝手に世界観を共有させてもらった気分で居たので、まさかそんな病を抱えながら執筆されたのかと思うと、私も何か書かずに居られませんでした。 自転しながら公転するこちらは、本屋大賞ノミネート作品だったため、今年の2月に読みました。 正直、かなり面白くて夢中になって読んだ記憶です。 当時の感想本屋大賞ノミネート作品。 自転しながら公転する地球は、軌道を少し

【読書感想】 神様からひと言 荻原浩

電車の扉に貼ってある広告で見て購入しました。 まさに「働く人に元気をくれる物語」でした。 読み終わって、仕事にも前向きになれた気がします。 仕事や人生に行き詰まっている方におすすめ^ ^ あらすじ大手代理店を辞め、珠川食品に再就職した佐倉凉平。 入社早々、販売会議でトラブルをおこし、リストラ要員収容所と恐れられる「お客様相談室」へ異動となった。 ハードな日々を生きる彼の奮闘を神様は見てくれているやいなや。 著者が伝えたかったことは? 会社や仕事なんかのために死

【読書感想】 兇人邸の殺人 今村昌弘

屍人荘の殺人シリーズ第3弾! 本屋でこの美しい表紙を見かけて、「お!新作じゃーん^ ^」と購入。 単行本は結構金額が張りますが、こんな風にポンと買えるのが、大人になって良かったー!と思える瞬間ですね^ ^ ここでは2年ぶりに屍人荘シリーズを読む前に思いだすべき情報と、兇人邸の殺人を読むべきか?をお伝えします。 まずは美しい表紙、しおりの仕掛け! しおりをカメラで撮ったら、特設サイトに飛びました!おぉー! ちなみに私のしおりは明智さんでした^ ^ しおりコレクター

【読書感想】 氷菓 米澤穂信

米澤さんのデビュー作、氷菓を読んでみました。 米澤さんの小説はこれで4冊目^ ^ 文庫本で200ページ程度なのでサクッと読めます。 タイトル、氷菓に込められた意味とは。 氷菓の意味を知った主人公達の今後はどうなるのか。 読み終わった後も想像が膨らみました^ ^ そして、米澤さんの作品にはお嬢様がよく登場する気がします。 ↓お嬢様が登場する作品、感想 氷菓が米澤さんのデビュー作とのこと。今後も米澤作品を読み進めていきます^ ^

【読書感想】 宝島 真藤順文

文庫本で上下700ページ近い大作です。 読み終わった今、友情、愛情、家族愛がごちゃ混ぜ(チャンプルーやね!)になっていて、あきさみよう!と叫びたい気分です。 沖縄言葉が混ざっていたりでなかなか読み進められなかったのですが、下巻に入ってからは一気読み! グスクや、レイ、ヤマコとの長い道のりが終わってしまうのが寂しいー!! あらすじ米軍基地を襲撃した夜、故郷いちばんの英雄が消えた。 英雄の帰還を待ち望みながら沖縄を取り戻すため立ち上がる、グスク、ヤマコ、レイ。 長じて

【読書感想】 オー!ファーザー 伊坂幸太郎

4人の父親が居る男子高校生の話。 伊坂さんの小説はキャラが際立っていて、読んでいて面白い! どなたかが、おっしゃっていた「伊坂さん、今回はこんな話を書いたのか!と毎回楽しみ」を正に実感しました。 あらすじ父親が4人いる!? 高校生の由紀夫を守る四銃士は、ギャンブル好きに女好きに博学卓識、スポーツ万能。 個性溢れる父×4に囲まれ、息子が遭遇するは、事件、事件、事件。 知事選挙、不登校の野球部員、盗まれた鞄と心中の遺体。多声的な会話、思想、行動が一つの像を結ぶとき、思

【読書感想】 夜空に泳ぐチョコレートグラミー 町田そのこ

小説を読んでいて登場人物に共感することは少ないのですが、この小説は短編でありながらも、どこかしらが私の心に刺さってきて、ラストには涙しました。 一体どんな体験をしたら、こんなに多様な視点で話が書けるのか!と思ったくらいに感動しました。 短編集ですが、話は緩やかに繋がっています。 「海になる」は私のおすすめ! 秋の夜長に、心を揺さぶる擬似体験はいかがでしょうか? まさかの、この小説が町田その子さんのデビュー作とのこと!衝撃のうまさです!

【読書感想】 向日葵の咲かない夏 道尾秀介

こちらも読書メーターで話題になっていた本で、手に取ってみました。 一言で言い表せられないですが、「こんなに狂っている世界があるのか!」と読後は放心してしまいました。 ふぅ、こういう内容って夢に出てきちゃうんですよね。 内容を忘れたいから感想を書きます。。 でもきっと忘れられない作品になります。 あらすじ夏休みを迎える終業式の日。 先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。 きい、きい。妙な音が聞こえる。 S君は首を吊って、死んでいた。 だか、その衝撃もつかの間

【読書感想】 インシテミル 米澤穂信

「本と鍵の季節」「儚い羊たちの祝宴」を読んで、米澤作品をもっと読んでみたくなりました。 そして、手に取った「インシテミル」。 クローズドミステリー、気味の悪い設定に読んでいる私も、終始ヒヤヒヤしながらもページをめくる手が止まりませんでした。 あらすじ「ある人文科学的実験の被験者」になるだけで時給11万2千円がもらえるという破格の仕事に応募した12人の男女。 とある施設に閉じ込められた彼らは、実験の内容を知り驚愕する。 それはより多くの報酬を巡って参加者同士が殺し合う

【読書感想】 変な家 雨穴

読書メーターで皆さん読まれていて、設計やっている身としては気になり、手に取った一冊。 おかしな間取り紹介かと思っていたら、ホラーやミステリー要素もあり、ゾワッとする読後感でした。 あらすじ 謎の空間、二重の扉、窓のない子供部屋。 間取りの謎をたどった先に見た、真実とは!? オカルト専門のフリーライターとして活動している雨穴氏。 知人から持ちかけられた、ある家の間取りには不可解な点が多く… ネタバレ感想!です!!!表紙の間取りが疑惑の家です。 冒頭でこの間取りを

【読書感想】 島はぼくらと

久しぶりに心地の良い物語を読んだ気分で、心が晴れ晴れとしています。 島暮らしならではの友情や、家族愛が眩しい! あー、こんな甘酸っぱい気持ちあったなぁって思いださせてくれる辻村先生ってすごい。 辻村作品ならではの、他作品の登場人物も活躍します。 あらすじ瀬戸内海に浮かぶ島、冴島。 朱里、衣花、源樹、新の4人は島の唯一の同級生。 フェリーで本土の高校に通う彼らは卒業と同時に島を出る。 ある日、4人は冴島に幻の脚本を探しにきたという見知らぬ青年に声をかけられる。

【読書感想】 朽ちないサクラ 柚月裕子

読みはじめは、この物語がどこに進んでいくのか想像もつきませんでした。 警察不祥事のスクープ記事から、ここまで話を展開できるとは! すごいの一言! あらすじ警察のあきれた怠慢のせいでストーカー被害者は殺された!? 警察不祥事のスクープ記事。新聞記者の親友に裏切られた?口止めした泉は愕然とする。 情報漏洩の犯人探しで県警内部が揺れる中、親友が遺体で発見された。 警察広報職員の泉は、警察学校の磯川刑事と独自に捜査を始める。 次第に核心に迫る二人の前にちらつく新たな不審