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ジェノヴァの怪 (階) - 高級レジデンスと困窮レジデンス

ジェノヴァの宿って高いんだな。ドミトリーが一泊50€するんだ。
ミラノやトリノとかドミトリーなんか10€台でもあるのに。何で。



ジェノヴァの歴史は古い。
ミラノ、トリノという北の大都市をバックに、古くから海洋貿易国家として栄え、産業や工業も世界的な発展を遂げた。当然移民も多く(来る方も出て行く方も)、「母をたずねて三千里」(アルゼンチンに出稼ぎ後に行方不明になった母を探しにマルコがジェノヴァから出発するお話)とか、イタリア人の祖先をたどって行くとほとんどがどこかにジェノベーゼの血を持っているのだそう。
コロンブス、バイオリニストのニコロ・パガニーニ、建築家レンゾ・ピアノもこの街出身(パリのポンピドゥセンター、関空もこの方の建築)。

ニコロ・パガニーニ像。バイオリン弦一本でもコンサートを完奏したというレジェンドらしい。

今回はSpyrosさんがガイドをつとめるウォーキングツアーに参加した。有意義な楽しいツアーなのでジェノヴァに行く方にはお勧めしたい。長いけど。

ジェノヴァの街並み。

何か、気づくことはないだろうか?


答えは、窓。
の大きさ。がちぐはぐな事。
偽物の窓も描かれている。
昔は窓の大きさになどよって税金を科せられたらしい。
階によって部屋の高さもマチマチ。

ガイドさんの逸話。
「ジェノヴァで家借りようと不動産に電話したらさ、
”身長何センチ?”
っていちばん初めに聞かれんだよね。180cmって答えると、
”うーん、厳しいかも。”
だって。」

キッチンやベッドルームの高さが160cmぐらいのアパートもあるという。
とにかく移民が多かった街で階級もごっちゃ混ぜ、平坦な土地が少ない為に、建物は上に上に伸びるしかなかった。同じ建物に裕福な人と貧乏な人が混在していたそうな。
エレベーターが止まらない不思議な階もいくつかあって、
また屋根が入り口、屋根から入る駐車場などもあるらしい。

屋根から出かける人

黒白しましま教会、サン・ロレンツォ大聖堂。
ここには第二次世界大戦中に爆弾が落とされるも爆発しなかった奇跡として不発弾のレプリカが飾られている。

右端の黒いのが爆弾レプリカ。

ところで、イタリアは本当に本当に本当に料理が美味しい。
料理にとても深い愛情を感じる。レストランもオステリアもトラットリアもストリートフードもとても美味しい。
ジェノヴァにはあちこちにフォッカチャ屋さんがあってこちらは老舗フォッカチャ屋さん。

焼きたての、オリーブオイルの香りのシンプルなフォッカチャが1€。安っ!これをカプチーノに浸して食べるのがジェノヴァ名物らしい。

ツアー途中に老舗のカフェで休憩があった。
ババ(オ・ラム)がとても美味しそうだったので注文したら現金払いのみ、カードしか持ってなくじゃあいいです、ていうと、
大丈夫、プレゼント。
ってプレゼントしてくれた。後でお金持って行ったのだけど、大丈夫、大丈夫って受け取ろうとしてくれなかった。ごめんなさい。ありがとう。とても美味しかった。


ジェノヴァには上の街と下の街をつなぐエレベーターがいくつもあるが、こちらのはちょっと珍しい。


まずグイーンと奥まで水平に進み

そして突き当たりに来たら垂直に登って行く。

こちらは街のあちこちにある別のエレベーター。券売機があるが現在は無料。

そして4時間ほどガイドして来たSpyrosさんが最後に言う。
「さて、僕が紹介してきたこの街はここで終わりではない、まだまだ発見すべきものがある。
ジェノヴァの観光局のロゴを見てください。文字の一部しか見えていない。
more than this 、残りの部分はあなたが探検し発見するのです。」

すばらしいシメ!!みんなで拍手!!


ジェノヴァは由緒正しい古い建物がたくさんある印象。
こちらは泊まったホステルのキッチンの床。オリジナルの古いものだそうです。

でも冒頭に書いた、ドミトリーがなぜ高いのかは謎だった。

(後日追記:ただ単に残り少なくなると予約サイトでドミトリーでも値段が上がる仕様になったぽい。昔は最後の1ベッドでも同じ値段だったのに)


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