見出し画像

インスタメディア『cocorone』編集長に聞くSNSを活用したコミュニティ型メディア運営

インスタグラムで、2.6万人のフォロワーをもつcocoroneを知っていますか?すてきなうつわと、美味しそうな料理がたくさん載っている投稿は、ずっと見ていられます。

コミュニティの教室1

そんなすてきなインスタグラムのメディアの編集長を務めるのが、SNSにおけるコミュニケーションのプロであるとみこさん

そこで、今回は「コミュニティの教室 第6期」にゲストとして参加されたとみこさんから発信を通じて、どのようにコミュニケーションし、コミュニティを形成していくのか、そのヒントをお伺いしました。

SNSを活用したコミュニティ型メディアの運用方法やフォロワーの捉え方など企業や個人の活動でSNSをもっと活用したい!という方にとって参考になる内容となっています。ぜひ、参考にしていただけたらと思います。

コミュニティの教室とみこさん

とみこ
cocorone 編集長
1989年生まれ。「うつわで暮らしに彩りを」をコンセプトに、テーブルから半径5mの暮らしを発信するメディア『cocorone』の編集長。フリーランスとして、メディアや企業のコーポレートアカウントなどのSNS運用を担当。SNSの総フォロワー数は約6万人。SNSを楽しむサロン #SNSバルコニー では、個人アカウントの運用のアドバイスも行う。


とみこさんが編集長を務めるインスタグラムメディア『cocorone』は2017年に開始され、理想の暮らしを実現するための情報を届けるメディアとなっています。

現在は、「うつわで暮らしに彩りを」をテーマにコンテンツを制作しており、フォロワー2.6万人のうち女性が9割ほどを占めています。

画像3


コミュニティ型の運営形態

『cocorone』では、約140名のcocorone公式インスタグラマーの方々とコンテンツを共同制作しているそう。

画像4


というのも、自社で写真を撮ると押しつけがましい印象になってしまったり、企業目線の発信に寄っていってしまうから。第三者がユーザー目線でうつわの使い方を発信することで、よりユーザーに馴染む発信になります。

ちなみに、cocoroneの編集部は15人で結成されています。その周りに140人ものコンテンツ制作者(公式インスタグラマー)がおり、一つのコミュニティとして運営がなされています。

2020年から開始された「きほんのうつわ」ブランドの運営を通して行われたクラウドファンディングでは、404人の支援者が集まってくれたそう。

支援者の口コミから、ブランドの認知が広がっていったといいます。完全にコミュニティというかたちを取っているわけではありませんが、SNSを使ったコミュニティの例としてはいい事例なのではないかととみこさん。


ここまでSNSを通じたコミュニティを活用した事例をご紹介してきましたが、ここからは各ソーシャルメディアの特徴や近況を説明していきます。

それぞれのSNSの特徴を把握することで、自分に合ったコミュニティ運営をしやすくなるそうです!6つのSNSを紹介していますが、気になる部分をかいつまんで読んでみてください。

コミュニティの教室3

LINE
国内で一番ユーザー数が多く、全世代が利用。
メッセージのやり取りだけでなく、LINEペイや保険など暮らしに基づいた機能が充実。
オープンチャット機能で、グループチャットを通したコミュニティが作れる。
→なんだかんだ絶対みんな使っているから活用しやすい。
Twitter
20代が多い。平均年齢35歳
情報の即時性が特徴
興味・関心でつながりやすい。
短文でも投稿しやすい。
シェアするなど、広めるためには使いやすいプラットフォームで拡散性がある。
→一方でネガティブなニュースもあるため、今後は拡散性というよりも「クローズドな、身近な人とつながる」という文脈で機能が拡大していくのでは?
インスタグラム
実際は、4,500万ほどユーザー数がいるプラットフォームとして見てもいい。
ビジュアル重視のコミュニケーションが強い。
ストーリーなど、クローズドでDMにつながりやすいコミュニケーションに重きを置いている。
「あなたの大好きなものとコトをつなげる。」というミッションをもとに運営されているため、自分と興味関心が合う人ともつながりやすいプラットフォーム。
フェイスブック
20~30代が多いと書いてあるが、40代以上の人が多いのでは?
グループ機能があるから、コミュニティ運営にも向いている。
tik tok
短尺動画を通して自分の趣味嗜好に合ったコンテンツに出会える
動画の編集がかんたんにできる
今のところコミュニティの要素はそこまでない
note
読者も含めた上でユーザー数6,300万人
コンテンツの販売が可能
サークル機能があるからコミュニティ運営にも向いている。


とみこさんいわく、それぞれのSNSの特徴を踏まえた上で、コミュニティの目的に合わせて使用するSNSを選べたらいいのではないかとのことでした。

コミュニティの教室4


「なぜそのプラットフォームを使うのか?」
「なんのために使うのか?」

その目的を考えることが大切なんですね。

そして、SNSを活用したコミュニティ運営を語るうえで注意しなければいけないことがあると言います。

コミュニティの教室5

それが、フォロワー数は錯覚資産であるということ。SNSを使用していると、ついついいいねやフォロワー数などわかりやすいものを気にしてしまう方も少なくないと思います。

ですが、フォロワー数が増えることで、熱量が高いユーザーが増えたり、コミュニティができるわけではないんです。

そして、フォロワー数を増やすのが目的になってしまうとなんでもありになってしまうため、そこだけを追うことは本末転倒になってしまいます。


それでは、熱量が高いフォロワーとそうでないフォロワーの違いとは一体なんなのでしょうか?

それについて、とみこさんはフォロワーの3つの分類について紹介してくれました。それが下の図です。

フォロワーの3つの分類

画像8

まず一番外側の「インタレストグラフ」は、一番濃度が薄いフォロワー。広告・プレゼントキャンペーンなどをきっかけにフォローしているような熱量が低めのフォロワーです。

そして、2番目の「ソーシャルグラフ」は、会社のつながりなどプライベートよりは薄いけどリアルなつながりがあるフォロワー

中心の「プライベートグラフ」は、学校のつながり、家族などリアルなつながり、かつ深い関係性があるフォロワーを指します。

中心に近ければ近いほど、信頼関係が深いことから情報の信頼性も高く、発信した情報がちゃんと届く可能性が高いんです。

中心の2つの層のフォロワーを増やすことで、熱量が高い人の割合が増え、それがコミュニティをつくる上で大切になってきます。


そして、熱量が高いユーザーが多くいることでUGCが集まりやすくなるんです。

コミュニティの教室7

UGCとは、「user generated content」の略でユーザーが自発的に出す口コミのことを指します。

最近のSNS運用においては、フォロワー数よりもUGC数のほうが大事だと言われています。

企業の発信より、ユーザー目線の第三者の言葉のほうが信頼性が高く、「プライベート・ソーシャルグラフ」のあいだで発信が広まっていった方が、結果的に情報を受け取ってもらいやすくなり、企業の場合は商品も買ってもらいやすくなります。


そして、「UGCはコミュニティ的な側面も持っている。」ととみこさん。それはどういうことなのでしょうか?

cocoroneを例に説明してくれました。


コミュニティ型メディアとしての運営

画像9


cocoroneは、当初からコミュニティ型メディアとして運営しようと開始したそうです。

まずコミュニティをつくるところからはじめるために、熱量の高いフォロワーやユーザーとのつながりをつくることに力を入れ、最初はcocorone公式インスタグラマーに #cocoronedays を付けて投稿を依頼。

その後、それを見たユーザーが自発的に投稿してくれるようになったんだとか。それらの投稿は、写真の雰囲気が似ている投稿が多く、cocoroneをいいなと思っている人が自然と集まってきていました。


このようにユーザーの自発的な投稿が増え(UGC数が増え)、コミュニティ的になっていきました。

ハッシュタグをきっかけに、人と人がつながる流れが生まれており、そういった意味でSNS上でもコミュニティ的側面を活かすことができるんですね…すごい!

『cocorone』が生まれたわけ

ちなみに『cocorone』の運営会社の拠点は岐阜県美濃加茂市にあり、うつわ産業が盛ん。良質なものをつくっているにもかかわらず、情報の流通が少ないため、情報を載せる媒体がなく広める場がないと、代表は思い『cocorone』というメディアをはじめることにしたんだとか。

地域のうつわの良さを広めるために、まず世界観を作って共感する人を集めようとメディアを開始。そして、協力してくれる公式インスタグラマーを増やすことで、共感する人も徐々に増えていき、輪が広まっていきました。

現在も継続してインスタグラマーに声掛けをし、cocorone公式インスタグラマーが増えているそうです。

さいごに

いかがだったでしょうか?

信頼してもらえる情報を確実に多くの人に届けるためには、まずはプライベートなつながりの中で情報を受け取ってもらえる土台が必要なのかもしれませんね。

cocoroneも最初は編集部メンバーに近しく、共感してくれたインスタグラマーに投稿をお願いしていったそうです。そんなふうにまずは個人的なつながりから輪が広がっていくことが、時間はかかるとしても確実につながり続けられる大切な関係になりそうです。


この記事が参加している募集

イベントレポ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?