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コンソメなひとでありたい

私はコンソメになりたい。 

ん?なんの話やねん、と思うかもしれないけど、まあ聞いてほしい。

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コンソメとはフランス語で『完成された』という意味だそう。

肉や魚介などから取った出汁(ブイヨン)にさらに香味野菜やスパイスなどを加えて煮込み、旨味を凝縮させてから仕上げに卵白などでアクを取った澄んだスープ、というのがコンソメの定義らしい。

時間をかけて煮込むことで肉の旨味と香味を引き出し、そこに野菜の甘味を足していく。熱を加えると凝固する卵白の性質を活かしてアクや雑味を吸わせ、澄み切った状態に仕上げる。

上質なコンソメというものは、見た目にはこの上なくシンプルだが実は材料を贅沢に使い、時間と手間暇をかけることでようやく洗練された一杯のスープとなる。提供される際には具が入っていないこともあり、ぱっと見ではシンプルすぎてその良さが伝わらないこともあるが、一流のレストランでは必ず自慢の一品として用意されているという。

その価値はひとくち飲めばきっと、わかるひとにはわかる。

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私の人生、振り返ってみれば結構いろんな出来事があって、あれやこれや、出汁やスパイスはわりともう十分に効いてる方なんじゃないかと思う。

今はただのごった煮としか思えない、この複雑な旨味をいかに澄ませてゆけるか。

人生後半に入ってからが、卵白の利かせどころ。


自分という素材をいかに上手く調理していけるか、はこれからの私にかかっている。そして、これからも様々なひとやものと出逢って混ざり合い、溶け合って雑味を昇華させ、さらに旨味をどれだけ増していけるかは、私の腕次第なのだ。

酸いも苦いも甘いも辛いもふんだんに味わって、私をかたちづくるたくさんの要素をこの身体に取り込んで、めいっぱい凝縮して煮込んでいきたい。

そうして私というスープが完成するのをいつでも心待ちに、常にワクワクしていられるような、自分でありたい。

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いつだって『どんな自分でありたいか?』と問われたら私は迷わず、コンソメみたいなひとでありたい、と答える。

今度こそ、私というスープを完成させるために、生まれてきたに違いないのだから。


ここを去る最期のその日まで、どれだけ自分を澄ませてゆけるか、を楽しみながら生きていきたいと思う。私なりに。



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