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行ってみたい、やってみたい!「待ち会」

第170回芥川賞、直木賞の選考会が2024年1月17日に行われました。
年に2回。
本が好きなだけの私ですが、この日はなんとなくソワソワします。
直木賞は既に人気の作品や作家さんがノミネートされていることもあり、
(ああ、今度こそとれると良いなぁ)なんて、
自分なりに応援したり予想したりして、
発表されるのをウキウキしながら待ちます。

今回の受賞作が発表されて、
ニュース番組や記事を見ていた時に
ある写真が目にとまりました。
「万城目学 祝♡直木賞」と書かれたホワイトボードの前に
ちょっと照れた感じの男性。
多分、この男性が受賞者の万城目学先生だと思われます。
その隣に素敵な笑みの男性が2人。
万城目さんの隣にはバンザイポーズをとった可愛らしい女性。
あれ?この女性には見覚えがあるぞ!

ホワイトボードに書かれた字も
「直木賞受賞」の場としては、ちょっと軽いといいますか、
もっと華々しくドーンと書かれていても良いような…ホワイトボードのところに転がっていたペンで「とりあえず書いた」感いっぱいの字。
私はこの写真が気になってしかたありませんでした。

翌日、その写真の謎が解けました。

豪華な「待ち会」が行われていたんです!!

どうやら、ホワイトボードの前で写っていたメンバーは受賞者の万城目学さんと、
作家の森見登美彦さん、綿矢りささん、劇作家の上田誠さんだったようです。
見覚えがあると思った女性は綿矢りささんでした。『蹴りたい背中』で、当時「芥川賞最年少受賞!」で世を騒がせた綿矢りささん。
なるほど、見覚えがあるはずだ。
豪華なメンバー4人での直木賞の「待ち会」に
私は心を奪われました。

待ち会」とは、文学賞などの候補になった作家が、編集者(たち)と一緒に選考結果を待つ催しのことです。
よく受賞スピーチの時に
「選考結果の電話は自宅で受けました」とか、
「○○さんたちと集まっている時に〜」とか、
聞きますけど、
1人で待っている人もいれば、
誰かと待っている人もいて。
その場所も、
仕事場や自宅、どこかの会場、それぞれのようです。

「今日、僕はどうせダメだろうといじけておりましたら、昨年、忘年会した森見登美彦さんとヨーロッパ企画の上田誠さんが、そんなんではだめだろうと。直木賞はお祭りであって、楽しんだもん勝ちであると。6度目ならいけると。もうわっしょいわっしょいで、一緒に待ち会しようと強引に押し切られまして」

直木賞受賞会見での万城目学さんの言葉

今回、万城目さんは6度目のノミネート。
直木賞にノミネートされるだけでもすごいことですが、6度目のノミネートということは、これまでに5度の落選があるということですよね。
それは「僕はどうせダメだろう」という気持ちにもなります。
期待と不安。
こんな時、一緒に過ごしてくれる、
「楽しんだもん勝ちだよ!ダメでも、その後が大事だよ!」と、集まってくれる仲間がいたら…。

記事によると、当日4人は待ち合わせをして、
ただただ楽しい時間を過ごしたようです。
脱出ゲームをして、くたくたになっていちごパフェを食べにいって、発表連絡待ちの間もUNOをしていたとのこと。
そこに受賞連絡がきて、
慌てて綿矢りささんがホワイトボードに
「祝♡直木賞」と書いたらしいです。
ああ、あの字は綿矢さんの字か…。
「やった!受賞した!写真撮るぞー」となって、本当に慌てて書いたんでしょうね。

この待ち会の記事を読んでいて、
ものすごく羨ましいような、
じんわりと幸せな気分になりました。
「どうせダメだろう」と思っていた万城目さんを励まし、ドキドキの不安な時間を一緒に過ごしてくれる仲間がいるというのは良いなぁと。

同じタイミングで、今回は直木賞受賞を逃した加藤シゲアキさんも、作家仲間の今村翔吾さんと待ち会をしていたようです。
皆さんがそれぞれの場所でそれぞれの思いで、
「待ち会」をしていたのだと思うと、
たまらない気持ちになってきて。

私も「待ち会」をしたくなりました。
誰かの幸せな発表の場に居合わせたい。
できれば一緒に喜びたいし、
悲しい時や悔しい時には寄り添いたい!!
行ってみたい!
やってみたい!
「待ち会」

どなたか、
いつの日か、
何か1人で発表を待つにはドキドキの際には、
私を呼んでください。
一緒にわっしょいわっしょいさせてください!!




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