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こおりを喰らう

あつい。ここ連日の暑さにすっかりバテている。 外出するとつい新作のアイスをチェックしちゃったりする。おかげで冷凍庫の中はカラフルなアイスで一杯だ。家の中は涼しいからあんまり食べないのにね。暑さで朦朧とすると財布の紐が緩んでしまうらしい。 ここ数年、氷を口に入れたくなることが増えた。四季に関わらず口の中に放り込みたい。医療者の端くれなので鉄欠乏性貧血も頭をよぎったが、検査の値は正常だった。 自分の意識を氷に集中させようとしているのかもなあ、と思う。氷を口に入れると、直様口の

    • 組み分け帽子は酒のつまみになる話

      先月、としまえん跡地のハリーポッターの施設に行ってきた。ハリーポッターは物語や仕掛けは王道なのだけれど、王道だからこそ楽しい。映画ではイギリスの観光地がたくさん使われていて、イギリス旅行の下見になったくらい贅沢なロケーションだった。この施設は映画のセットや衣装等展示されていて、その裏側の解説をしているものだった。どちらかと言うとオタクの大人向けかなあと思ったし、事実子ども連れはあまりいなかった。でも映画の中に入れるという素晴らしい体験ができるので、一度は行ってほしい。わたしと

      • パートナーの呼称ってさ

        自分が子どもの頃に比べて、ジェンダー観がどんどんブラッシュアップしているの、とてもとても良い。法が追いつかない部分はあるけれど、日向の道を歩んでいると思う。 仕事柄、妊婦さんとお会いすることが多い。妊婦さんのパートナーさんの呼称にすごく迷うのだ。パートナーが無難なのはわかるんだけど、なんだかしっくりこないこともあって。「旦那さん」とお相手の会話の中で言ってしまう時、面接後にもやもやが残ってしまう。世間一般でしっくりくる音感を大切にしているだけではあるんだろう。でも、男尊女卑

        • 勝手にいかないで。

          性被害を受けて4年くらいになる。4年近くもカウンセリングを毎週受けていることに驚く。 カウンセリングのじーんと効いてくる感じってすごい。最初は性被害関連からフォーカスしてもらったけど、開示を無理に促さず、かと言って困り事を見逃さずキャッチする技術が美しいとさえ思った。被害後にぐっちゃぐっちゃになった心で涙が出ない日はなかったくらいの状態だったのに、相談業務を行なっている端くれとしての好奇心が少し顔を出した。どん底にいて、きっかけがあったら自死していただろうと思う時だったのに

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          閉じ込めることで永遠につながる瞬間がある

          note引退するとか言いながら、やっぱUI美しいなと思って戻ってきてしまった。 大型の休みができると1人でふらっと旅行に行っていたなあと思いだした。今の体力ではとてもじゃないができないんだけどさ。遠い昔のおとぎばなしのようだ。 わたしは心と体が分離しやすく記憶が抜けることがあって、それに自覚的になってからは文字とか絵とか写真とか色んなアウトプットに頼っていた。 一人旅、カメラを持つと様になるところがあるし、自分の内的動機づけにもなった。動機づけしないと疲れて外に出ないこ

          閉じ込めることで永遠につながる瞬間がある

          熱に浮かされ

          コミナティ筋注の三回目が終わった。 案の定39度近い発熱、嘔吐、下痢、頭痛のオンパレードで、解熱剤を使わないわけにはいかなかった。血を吐いているからなるべく使いたくなかったんだけど。 この文章を書いている今も体全体の関節が痛い。それにも関わらず記録を残しているのは、とめどなく色んな考えが頭を駆け巡っているからだと思う。 思えば、昔から天井を眺めることが多かった。小さい頃から体が弱く、しょっちゅう熱を出したり吐いたりしていた。季節の変わり目や親の転勤の発表の季節になると、

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          障害者手帳を取得したこと

          調子を崩してから、もう3年になる。 波がありつつも、なんとか生き延びてきたという感覚がある。ついに先日、障害者手帳を取得した。前までは、障害というカテゴリーに属することに抵抗があった。障害を持つ方にどうこう思っているわけではなく、前の自分はどうにかやれていたことができなくなっていると突きつけられるのが怖かった。 今はもがいても動いても、どうにもならない膜の中にいるようで、使えるサービスを使った方がいいなと判断したわけだ。取得するのに診断書がいるわけで、金銭的にも辛かった。

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          ぽろぽろ、こぼれていく

          疲れてしまった。鬱病のときにやるようなことじゃない手続きなんかをしている。今月から手当がゼロになったので、ローンを借りて生活している状況が情けない。いくらまで借金膨らむんだろう。手当も15万くらい出てたくらいなので、ありがたいけどカツカツで生活していたから貯金なんかできるわけもなく。わずかな貯金は、性被害の病院代や入院、嫌がらせによる引っ越し等々で消えていった。 なんかもう全てが嫌になっちゃったな。飛び降りて生き残ったら体動かなくて悲惨だよなぁとか、薬も用意するのが大変だし

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          ほそぼそと

          電気代節約するために、暖房をなるべく使わないようにしているせいか風邪を引いた。鼻水ぐずぐずだし微熱も続く。体が弱い貧困は負のスパイラルから出られないのか…と今日もベッドの中でぼんやりと思う。 早く仕事に復帰したい焦りのような気持ちは消えてしまった。今は仕事ができるかわからなくて怖い。3年もまともに働いていない。 本当は、借金していつになるかわからない復帰を目指すよりも、仕事を辞めて生活保護制度を使う方がいいのかもしれないと思ってしまう。 生活保護制度を考えるにあたって、

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          アイドル

          アイドルってなんだろう。 新明解国語辞典第八版によると「限り無き崇拝(憧れ・寵愛)の対象となるもの」と書いてある。 太陽のようで、そこにいるだけで尊くて、その存在から元気がもらえる対象のことなのかもと思う。 あまちゃんというドラマが大好きだった。人にはそれぞれアイドルがいる。職業的な存在だけじゃなくて、人生にとってのアイドル。笑ってるだけではない、怒ったり泣いたりすることも愛おしい。でも悲しい気持ちにはできるだけなってほしくない。あったかくておいしいものをたべて、大好きな

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          ぽかぽかのぬくぬく

          着る毛布を買ってから、心に余裕ができた気がする。体が暖かいということは体の警戒を解くことでもあるんだなとほっとしている。 思えば遠くへ来たもんだという言葉を、今1番実感している。着る毛布でぽかぽかのぬくぬくになると、思い出す過去さえもマイルドになる気がする。 一度、本気で死のうとしたことがある。結果から言えば失敗してこうして文章なんか書いてしまっている。結局見つかるのが早ければ生き延びてしまうのだ。そう考えると爪が甘かったというか考えが麻痺していたというか。希死念慮は気が

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          くちなしの香り

          くちなしの花が好きだ。甘ったるく芳醇な香りに、真っ白でつやつやなウェディングドレスみたいなたっぷりの花びら。すぐ茶色くなって萎んでしまうのだけど、そのささやかな時間にすごく幸福を感じるのだった。 香水で同じような香りがないかずっと探しつづけている。あの甘い香りは再現できても、その中にある切ないきゅっとしたものが足りないのだ。それは自然の中で咲いている瑞々しさなのだろう。 祖母の家には、くちなしの花がある。わたしの記憶にある祖母の家は、いつもくちなしの花が満開に咲いている。

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          らぶずっきゅん

          たまに聴きたくなる、やくしまるえつこ。脳みそぐちゃぐちゃになって蛍光のぱちぱちキャンディを食べてるみたいで楽しい。 タイトルと画像はなにも関係がない。 これから話すことも取り止めのないまま。 自分にとって最悪の出来事が起きてから、3年は経とうとしている。行ったり来たりして、螺旋のように描きながら回復している…と信じたい。警察や弁護士さん、嫌がらせからの引っ越し等々、心が落ちつかない日々だった。何度か復職と休職を繰り返している。今回は3度目の休職。一番長い期間休んでいる。

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          仕方がないことだけど

          3年前から精神疾患の治療をしている。内服している薬も多いので、身体科にかかる時は打ち明けるようにしている。でもあの「あー来ちゃった」みたいな、温度が冷める感じはじわっと傷ついている。距離感が難しい患者も多かったりするし、ドライに接しようとしているのかもしれない。「その症状、精神疾患からくるものじゃないの」ってことを遠回しに言われることもある。 自分が支援者としても、場合によってはあえて淡々と接することがあるのだけれど、最初から精神疾患というだけでそういう態度を取られると切な

          仕方がないことだけど

          自分の輪郭が溶けていくような気がして

          こんな日は蛍光のめちゃくちゃカラフルなコートを着ようと思って出かけた。街中で同じ色を身につけている人を見たことがないので、あえて実物の写真は載せないでおく。 鬱のせいなのか脳貧血のせいなのか、頭が働かずぼうっとしている。灰色の街に飲み込まれないように、目が覚めるような色を身につけようと思って。 世界の主人公になったような気分になってもいいじゃないか。もうすぐクリスマスなんだから。

          自分の輪郭が溶けていくような気がして

          プラダを着たい、悪魔

          生活費やら医療費やらで頭を悩ませているんだけど、全てが嫌になって「プラダを着た悪魔」を久しぶりに観た。わたしの英語のバイブルだ。と言いつつ、英語は驚くほどできるようになってはいない。"That's all."は覚えた。昔通っていた英語の先生に褒められたなあ。 この映画を見るたびに、最初から最後まで働き方には感情移入できないなと思う。それでもアンハサウェイが可愛すぎて観てしまう。映画に出てくる職場がファッション誌の出版社なので、自分のファッションにも思いを馳せる。 マルトリ

          プラダを着たい、悪魔