深淵 アイドルが躁鬱拗らせて閉鎖病棟に入院してみた

入院してもう22日が経つ
休むというより修業に近い

生きるための行動の時間も内容も自分で決められないこと、
できないこと、持ち込めないもの
アイデンティティすら揺さぶられる瞬間があること
そして薬の減量は一進一退であること
心理検査の結果が出るにも2週間を要すること
親との距離感を定めるのはこの先の人生への第一歩にしかならないこと

正直、もう苦しすぎる 逃げ出したい
それが叶わないならいっそのこと消えてしまいたい

ここまでしてわたしは何故“真っ当な生”に執着しているのか?
そもそも“真っ当な生”の正体とは何なのか?

そういえば、将来の夢を尋ねられた時
『アイドルになること』に加え
『誰かを目指すのではなく自分を極めること』といつからか言っていた

自己と向き合わなければそれはきっと叶わないだろう
今の自分を他者の目下へ晒すにはあまりに未熟で醜い
これは必然、わかってる、わかってるよ
わたしが愚かだった日々の報いなんだ

でもやっぱり苦しい
白衣の悪魔が笑顔で首を絞めてくる
わたしはいつから依存性の高い薬漬けでなければ生きられない身体にされていた?それは誰が?

病名には「障害」がついている
一生涯薬を飲まなければ“健常者”にできるだけ近づいて生活することは叶わず
また他者や自分を傷つけたりする
こんなになるなら、生まれなければよかった。
と思うことも少なくない

本音をこのまま主治医に吐露すれば
ただ薬の減量過程による鬱状態に陥っているだけじゃないか、
或いは自死の危険が高まる為隔離・拘束されるのではないか、と怯え
回診の度「体調は良いです。」とにこやかに伝え
出される食事は極力残さず胃に詰め込んでいる

薬のどうしようもない離脱で毎日大量の錘を引きずって身体を動かしてるようだ
1種類1錠ずつカウントダウンするようにしか減らせない為時間はとてつもなくかかる
今まで指摘されたことはおろか疑われたこともなかった障害の名も上がっている

同級生は大学を卒業し就職し始める中、そんな歳の3ヶ月を閉鎖病棟に費やし
何も得られなかったら 何も進まなかったら
切望し、愛するアイドルすら失うことになったら

やっぱり考えたくもない

たすけてって言いたいけど
結局自分の人生というものを
最後に決めたり変えたりするのは
自分しか居ないことが今はただ苦しい。

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