誰が入れた?

あ~のどが渇いた。
麦茶でも飲もう。

そう思って冷蔵庫を開けて、扉のポケットに手を伸ばそうとした。

そこには、麦茶が冷やしてあるはずなのに、なぜかガラスコップが一つ入っていた。

キンキンに冷やされたガラスコップは、うっすら白い。


なんでコップが冷やしてあるの?

子ども達に聞いても「知らな~い」と言うし、私も思い当たらない。
はは~ん、さてはパパがビールを飲むために冷やしてあるんだな、と思うことにした。

でも、いつも缶ビールを直接飲んでるパパが、いったいどうしてコップを冷やすなんていう高等なワザを使ったのか?
まだ真夏のように暑いわけでもないし、真夏でもコップを冷やしたことなんて今まで一度もないのに。

とりあえず、コップはそのままに。

そして、パパが帰宅。
「ガラスコップ、キンキンに冷えてるよ。ビール、美味しく飲めるね」
と声をかける。

すると、帰ってきたのは、
「は?僕、ガラスコップなんか冷やしてないけど」

ええっ⁉
冷やしてない?
どういうこと?
じゃ、誰がコップを冷蔵庫に入れたの?

冷蔵庫からコップを取り出してじっと見つめる。
と、底の方に、ごくうっすらとお茶のしずくの後らしきものが。

誰かが麦茶を飲んだ後、そのまま冷蔵庫に麦茶と一緒にコップを入れてしまったに違いない。
で、家族全員にもう一度確認するも、誰もコップを冷蔵庫に入れた記憶のある人がいない。
もちろん、私もない。

息子は以前、食事の後の食器を流し台に運ぶ代りに、洗面所に行きかけたことがある。
息子ではないか?という思いが頭をよぎる。

でも、よく考えたら、以前「コショーがない」と騒いでいたら、冷蔵庫から発見されたことがあった。
これは料理にコショーを使った私の仕業。
だから、私も容疑者の一人。
普段からこの手のミスが多い私は、「ママが入れたんじゃないの?」とみんなから疑いの目を向けられた。

でも、私もいれた覚え、ないもん。
結局、だれがコップを冷蔵庫に入れたのかわからずじまいだった。

でも、こんなことって、結構あるよね?

入っていたのがコップでまだよかったかもしれない。
脱いだ靴下とか、耳かきとか入っていたら、さすがに心配になりそう。

「これからは、しっかり自分の行動を意識していこう」と改めて思った出来事だった。

いや、コップ入れたの、私じゃないかもしれないけど。



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