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文具店の思い出

子供だった45年位前、町の文房具店が好きだった。友達とお習字かピアノの教室に行くとその少し先にある文房具店によった。
お小遣いは幾ら持っていたのだろう。きっとちょっぴりだったはずだ。それで鉛筆や、消しゴムやシールを買う。一番特別な物は100円のおもちゃの香水だ。ちゃちな、でもちゃんと香水瓶を模した形の入れ物に入っている。そしてとても良い匂いがした。宝物の箱に入れていた。他に何が入っていたか分からない。たいした宝物なんて持っていなかった。
更年期になって眠れなくなり動悸がして、どうしたらいいだろうとインターネットを検索する。そうだ、睡眠にいいアロマオイルを買おう。Amazonで頼めばすぐ届く。私は幾つかの精油を注文する。翌日に届いた。嬉しくて一つずつ匂いを確認する。ラベンダー、くんくん、ネロリ?くんくん、プチグレン?あ、これ!あの、文具店の香水の匂いはこれ!一瞬で、遠い記憶と今の香りが繋がった。

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