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「居着く」について

合気道の稽古で、「居着く」という言葉を知りました。

長い習慣で身に着いた体の使い方があって、その使い方では、どうしても年々、筋力が落ちていくとともに、身体の機能も落ちていくのを止めることができない。

どこか傷めては、休んで、その間に筋力が落ちて、治ったから動いたらまた傷めて、、、という悪循環が目に見えている。
私は、学生時代はずっと球技をしていたし、怪我をしたことがないし、和太鼓やいろいろやって筋力体力には自信があったのに、今年の春から、急に背中に激痛が走って動けなかったり、変なところで躓いたり。

ケガをしたりして動けなくなると、思考も後ろ向きになって、50代でこんなに体があちこち痛かったら、これから先、どうなるんだろう?とブルーな気分の時に、合気道に出会いました。

その稽古では、先生が長年かけて学んでこられた、古武術、合気道、気功、神道、エクストラレッスン、日拳などから、私たちに合った形で教えてくださいます。

「いわゆる力」ではない力、筋力ではない力で体をまとめていく。
そうすれば、効率よく、力まずに、大きな力が発揮できるそうです。

目標は、10年後、今よりしなやかで力強い背中を手に入れていること。
背中、大事です。

和太鼓でも、大きな音で叩きたくて、背中と二の腕に力が入る人が多いです。それでは、太鼓は「鳴って」はくれない。ドカーン!バシーン!って
どつかれて、太鼓がいい音を出してくれるはずもなく。パーン!スコーン!って気持ちよく「打って」ほしいと思っているはず。

そんな話を先生にしてみたら、「道具に任せる」ことが大事、と。
俺が打ってやる!ではなくて、道具に打ってもらう。人間は、その道具をいかに上手に使うか、素直に道具に合わせるか、に意識を持つ。

ひゃ~~~~、、、目からうろこでした!😮

でも、ホンマやわ~~~。
うまく打てていない人は、握り方からおかしい。振り方も癖がある。
素直に握って、重力に任せて素直に下ろしてきて打つ、という意識を持つと違うかもしれない。
メンバーに、いろんな言葉で伝えて来たけど、なかなか伝わらなくて苦心していたので、「道具に任せる」、、、伝えてみよう。
そして、美しい音を奏でられるチームにしたい😆

🌳

で、「居着く」について
ちょうど、自分の家の1Fをイベントにも使えるスペースにリフォームして私たち夫婦は2Fだけで生活するようにしよう、と決めたので、1Fの押入れなんかにあるものや、衣服を全部2Fに持って上がってきました。
2Fの二部屋に収まるわけもなく、今、この部屋、ごった返しております。

私たち夫婦は、昨年から、長年勤めた仕事や定収入を得ること、雇われること、なんかを手放してきました。
「家」と「庭」と「畑」があるから安心できるのだけど、実はそれらを所有しているから長い旅行なんかも行きにくい。
せっかく旅に出ても、庭や畑の事が気にかかって、早く帰りたくなる。

「我が家」「庭」「畑」が居心地よくて、大好きなのは良いことなのだけど、ほんとうに「何もなくても平穏な気持ちでいられる」だろうか?ということをオットと話していたところでした。何もなくても、というなら、「家」「庭」「畑」だって、気持ちよく手放せるだろうか?

今は気に入って大事にしていても、変化しようとしたときに、すっと手放せるようにしておきたいな、と。

「ええええ~~~~!!!!」なんですよね。改めてそう考えると。

「私の庭~~~~~😢😢😢」

そんなことを二人で考えていたところ、合気道で、「居着く」という言葉を知りました。「居着く」と負ける、「居着かない」状態が、無駄なく大きな力が出せるとのこと。

試しに、と、先生に言われたとおりにやってみたところ、地面にペタッと足をついていると、簡単に転がされます。
蹲踞(そんきょ)の形や、一本歯下駄で立っていると、ペタッと立っている人より、大きな力が軽~く出せます。

蹲踞(お相撲さんのしゃがみ方)や一本歯下駄だと、地面に「居着かない」から、すーっと大きな力が出せる。力まずに済む。身体に負担がない。心にも気負いがない。本当にびっくりで面白いです!!

そんな「居着く」という言葉の体験をし、終の棲家や「私の」庭、というのは、そのときそのときは、そこに没頭して埋没して「居着く」状態でいいと思うけど、どこか別のところに住んでみたい、という気持ちになった時に、それが足を引っ張らないように、いつでも手放せる心づもりがあるといいんやけどな~~~~~、とオットと話していたのでした。

いや~~~~、ムリかも?
どうかな~~~、私、ここにずっといたいかも?
庭大好きな私。庭さえあれば、誰もいなくても、ずっとひとりっきりでもいられるくらい好きな庭なんだけど、、、

と、抵抗する言葉が出てきますけど、まあ、いつかはこの世も去る日が来るのだから。

風くんも言うてます。⇩

ああすべて与えて帰ろう
ああ何も持たずに帰ろう
与えられるものこそ与えられたもの
ありがとうって胸を張ろう
(中略)
去り際の時に何が持って行けるの
一つ一つ荷物手放そう

「帰ろう」藤井風

合気道の練習の後のシェアで、先生と家の中のモノたちと自分の関係について話をしました。
私の押入れのタオルとか、薬箱とか、手芸用品たちの会話。。。
「私、出番ないよね」
「ここにいる必要ある?」というモノたちの恨めしい気持ち、悲しい気持ちって、自分の潜在意識や脳にかなり場所を取っている、という話。
ひぇ~こわ。
感謝して、早く手放して成仏させてあげないといけないものたちが溢れている、、、そう思って、毎日毎日、我が家の二階でいろんなものたちに、感謝して別れを告げています。

おりしも満月。手放しに丁度良いタイミングです。

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