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パラオ ~日本の文化や習慣を共有できる国~ | ミュージック・ジャーニーvol.86

アリー!(パラオ語で「こんにちは」)民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。

今回は、太平洋に浮かぶパラオ共和国へ、駐日パラオ共和国大使館の皆様とともにご案内いたします。

パラオは340の島々からなる島嶼国です。そのうち人が住んでいるのは首都マルキョクがある国内最大の島「バベルダオブ島」や経済の中心地「コロール島」などのわずか9島のみで、今も手つかずの美しい自然が数多く残されています。

日本では、美しい海や色鮮やかな動植物に恵まれたリゾート地を、憧れの念も込めて“南の島”と形容することが多いですが、パラオはそうしたイメージにピッタリ当てはまる国といえるでしょう。

パラオの旅のしおり
・マリンブルーに輝く海へ飛び込もう
・名物のコウモリスープにチャレンジしてみよう
・ナイトマーケットでショッピングやダンスを楽しもう

パラオと日本の深い縁

パラオは歴史的に日本と深い結びつきを持った国です。第一次世界大戦後、数十年間にわたって日本の委任統治領となったことで、さまざまな日本の文化や習慣が残っています。

象徴的なエピソードとしては次のようなものがあります。

・パラオ諸島の南に位置するアンガウル州では現在でも日本語が公用語になっている
・飲食店のテレビではNHKが日本語で放映されている
・パラオ語には日本語由来の言葉が約1,000語も存在する

パラオ語クイズ

日本と縁の深いパラオでは、「ゴメン→ごめん」「タンジォビ→誕生日」「メンドクサイ→面倒くさい」のように、日本人なら簡単に理解できる単語が数多くあります。では、パラオ語で「キッコーマン」は何を意味する言葉でしょうか。



答え:醤油
有名な加工食品企業キッコーマンのしょうゆが由来となっています。

また、両国のつながりを示す文化として「ストーリーボード」(イタボリ)があげられます。これは、1929年にパラオの公学校へ赴任した民俗学者・彫刻家の土方久功氏が、現地の「バイ」(伝統的な集会所)に描かれた装飾に感銘を受け、その技法を残すために提案した板彫りの技術が原型となっています。

現地の子どもたちに伝えられた板彫りの技術はストーリーボードとして今に残り、パラオの神話などが描かれた人気の工芸品になっています。

美しい楽園を守る環境保護の取り組み

パラオは人口約2万人に対して、その5倍にあたる約10万人の来訪者数を誇る観光大国です。世界複合遺産の「ロックアイランド」やターコイズブルーの海と乳白色の泥が神秘的な色彩を生み出す「ミルキーウェイ」など、息を飲むような大自然が人々を出迎えてくれます。

美しい楽園を守るために、パラオは早くから環境保護に力を入れており、世界でも先進的なサスティナブル大国となっています。

パラオ誓約

パラオ誓約とは、パラオに入国する外国人のパスポートに押されるスタンプの名称です。スタンプは多言語で用意されており、入国時に入国管理官の指示に従い、署名欄にサインが求められる仕組みとなっています。

この取り組みは2017年に導入され、2018年には世界三大広告賞の1つであるカンヌライオンズフェスティバルにて3つの部門でグランプリを獲得しました。

PNMS(パラオ海洋保護区)

2015年にパラオは50万平方kmもの広大な海を海洋保護区に指定し、エリア内の資源採集の禁止を徹底しました。その結果、周辺の海域全体では明確に魚の数が増え、その効果は世界的に注目を集めています。

これには、もともとパラオに存在していた「ブル」と呼ばれる伝統的な自然保護の風習も大きな成功要因とされています。軍隊の取り締まりなどに頼らずにPNMSが成果を上げているのは、千年にわたって人々の精神に根付いてきたブルの慣習が大きく貢献しているといえるでしょう。

パラオの食文化

パラオの食文化は、ミクロネシア地域の文化と日本の文化、アメリカの文化が融合しているのが特徴です。伝統的主食のタロイモやココナッツ、豊かな海産物が象徴的な食材であり、日本と同じように刺身や寿司も食べられています。

街中にも日本食レストランが多く軒を連ねており、スーパーでは日本の調味料やインスタント食品、お菓子なども多数そろえられています。また、一風変わった料理として、フルーツを主食とするコウモリを丸ごと煮たコウモリスープがあげられます。

見た目のインパクトとは裏腹に、スープの味わいはやさしく、肉にも臭みがないのが特徴で、パラオではお祝いのときに出されるごちそうとされています。

パラオの音楽文化

パラオの音楽文化は、食文化と同じように多様な国のエッセンスが融合されて発展していきました。

デレベエシール

たとえば、パラオの「デレベエシール」という音楽ジャンルは、日本の流行歌を参照して創作される日本語混じりの歌謡スタイルです。地位の高い人は、自らの人生に重ねたデレベエシールの楽曲を自作することもあり、親族や子孫に教訓として残します。

亡くなった家族の歌を歌手にレコーディングしてもらったり、曲を聴いて孫がおじいさんを懐かしんだりと、一族にとって大切な価値をもたらします。

ナイトマーケット

ナイトマーケットとは、パラオ観光局の主催で毎月2回給料日の日に、日本・パラオ友好の橋の下(アイライ側)で開催されるイベントです。

近年のパラオでは、国内のアーティストの存在感が年々大きくなっており、2022年には初の国内トップアーティストによるコンテストが開催されました。その名も「PNMSソング・コンテスト」というPNMSの取り組みの一環で行われたイベントです。

国内初のコンテストということもあり、開催方法から出演審査の基準まで、すべてが合議制によって決められていきました。上位7名によるコンサートは、クリスマスのナイトマーケットで開催され、見たことがないほどのお客さんが集まる大盛況となりました。

ここでは、コンテストで見事1位を獲得した「ケンダル・ティティムル」の楽曲をご紹介します。

Dodersii Belau - ケンダル・ティティムル

最後に、駐日パラオ共和国大使館が推薦する音楽家の演奏をお楽しみください。

1.Yoake Mae-作者不明

2.Kitar Belau-Olkeriil Teteo

3.Kele Ke Di Ngara Ngelbesek-Wataru Elbelau

4.Natsukasii Omoide -作者不明

皆さん、パラオへの音楽の旅はいかがでしたでしょうか。
音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。

協力:駐日パラオ共和国大使館
写真提供:パラオ観光局

Min-On Concert Association
-Music Binds Our Hearts-

ご案内

この記事は英文での提供もしています。
https://www.min-on.org/16249/min-on-music-journey-no-86-palau/

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