本を読んでいた時代があった〜振り返れば未来(山下惣一聞き書き)

料理教室でご一緒している方に頂いた本。

職業と土地柄、以前からお名前は存じ上げていたのですが、本を読むのは初めてです。

自分は新規就農したのであるが、同年代や上の年代でうちが農業しているので継いだとか結婚相手が農業者で農業しているとかの方々に、何を好んで農業をしている?と言われたりする。農作業が好きで好きで、というと、不思議がられるのが不思議だったのだが、少し前の農業のやり方や高度成長時代の農業者への見方を読んで、この時代を知っていると、不思議がるのも当然だと納得した。注をつけておくと、不思議がりながらも、立派に農業を続けていて、農業じゃなくても十分通用するんだけど、なんだかんだいってもこの仕事が好きなんだねっていう見事な方々なのであるが。

『農業が相手としている自然界が、いささかも「進歩」などしない』

『成長より安定、拡大より持続、現在より未来』

『農の原理は循環であって成長ではない』

などたくさんのそうそう!があった。
私は経済だけじゃない!←私のいつも言いたいこと。

『新聞や雑誌のエッセイは偉い人が書いて偉くない人が読むという構図のように思われます。書く人自身の目の高さがいつも気になっていました』

そうそう、そうなの。それがいいたかったの。がたくさんつまっている本でした。

ちいさな農業をこれからも貫いていこうと思えました。

ただ、1つ。『アダム・スミスの夕食をつくったのは誰か』を読んだ私には、山下さんの夕食をつくったのは誰?と考えずにはいられなかった。
『自ら計画し考えて作物を作り、生き物を育てる喜びをあぜにどっかと越しかけて豊かな実りを眺める愉しみ』
を日々私は感じているが、夕食を作った人は自ら計画出来てたんだろうか?自らというのが最も重要なのだが…。




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