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イフ

こんにちは、凛娘゛-ringo-です。
寝る前に浮かんだものです。

はじめて、戯曲を書いてみました。
ド素人なのであたたかい目で見ていただけるとありがたいです。


『イフ』

登場人物
 男
 女
 
 
公園のベンチ。
女性が座っている。
 
男性がやってくる。
 
男 悪い、待たせた。
女 ううん、急に連絡したし。
男 …。
 
女 座って。
男 うん。
 
男性、女性の横に座る。
女性が男性に小さなパックの飲み物を渡す。
 
女 はい、これ。
男 リンゴジュース。
女 好きでしょ。
男 好きだけど、それ子どもの頃の話。
女 いいじゃん。
 
女性、リンゴジュースにストローをさして飲む。
男性も続けて飲む。
 
男 で、どうした。
女 懐かしいね。
男 ん?なにが。
女 公園。
男 え、あぁ。
女 たくさん遊んだね。
男 そうだな。
女 みんなでかくれんぼしてさ。
ひとりで隠れるの怖いーって、いっつも私と一緒に隠れて。
男 子どもの頃の話じゃん。
女 中学の頃はさ、あんた彼女出来て、よくここで話してたよね。
男 そうだっけ。
女 高校生ん時は、反抗期でさ、あんたよく家出てってたよね。
その度私が追いかけてさ。
で、いつもここ座って。
男 …。
女 懐かしいね。
男 そうだな。
 
女性、男性を見て。
 
女 大きくなったね。
男 なんだよ、急に。
女 大きくなった。
男 …なに。
女 …ううん。時が流れるのははやいなぁって思って。
男 なんだそれ。
 
 
女 私ね、結婚するの。
男 …え。
女 だから、もう終わり。
男 え、ちょっと待てよ。急に、そんな。
女 急じゃないよ。
男 急だよ。
女 急じゃない。
男 …。
女 急じゃないよ…。
 
黙る二人。
 
女 私、あんたのこと、すごい大事。
だから、
男 大事ってなんだよ。
女 …。
男 俺は、好きだよ。
女 …。
男 俺は、好きだ。
 
気まずい空気。
 
女 うん、私も好き。
男 !
女 でも、違うの。
あんたは、大事な、弟。
男 …。
女 だから、違うの。
男 …。
女 かくれんぼで手をつないでたことも、
彼女が帰った後で私とここで過ごしたことも、
男 …。
女 あんたが気持ちを伝えてくれた時、本当にうれしかった。
私だけだと思ってたから。
…でも、だめだったね。
私、お姉ちゃんなんだから、ちゃんとしなきゃいけなかった。
男 …。
女 ごめんね。
男 …なにが。
女 巻き込んで、ごめん。
男 別に巻き込まれたとか思ってない。
女 ううん、お姉ちゃんが悪いの。
男 悪くねぇよ。
女 ううん、こういう時は上の子が悪いの。
男 関係ねえし。
女 …。
 
男 どんな人なの。
女 え。
男 相手。
女 あぁ。別に普通の人だよ。同じ会社の人。
男 …そっか。
女 大人な人だよ。
男 …大人。
 
男性、立ち上がる。
 
男 おめでと。
女 …ありがとう。
男 おう。
女 ありがとう。
男 わかったって。
女 私のわがまま聞いてくれて。
男 …お互い様だろ。
女 …そうだね。
 
女性、立ち上がる。
 
女 またね。
男 あぁ。
女 ばいばい
男 …。
 
女性、去る。
残される男性。
 
男性、パックをつぶして、女性と反対方向に去る。
 
 
 
-end-
 
 


【上演許可について】
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