見出し画像

「N」か「S」か? ここの分かれ目こそ面白い。超N型人間による考察──MBTI

先回の考察から今回の記事までに、書いてみたい、まとめてみたい、興味あるトピックがたくさん頭の中を飛び交い下書きの数がえらいことになりました。が、ようやく予告どおりのテーマで、40代超えのMBTI考察、本日もいってみたいと思います!

今回はMBTIのN型(Intuition)か、S型(Sensing)か、の判断基準についてINFPである私が、なぜか発達してしまった「T」型(Thinking)の側面をフル発揮して、自分なりの考えをまとめてみます。

ちなみに私のnoteは……
MBTI公式の分厚い書籍までは読んでいないものの、ネット上で人気の16タイプ性格診断のみでMBTIを語ることには満足できない、もっと心理学的に深い理解を得たい、と考えている方を対象に書いています。

あなたに私のnoteを読むメリットがあるとすれば以下のとおり。

・超N型に振り切っている人間だからこそ見えるN(Intuition=直感)とS(Sensing=感覚)の違いを知れる。これにより「N」と「S」の自己診断にかなり白黒をつけやすくなるはず。

・各タイプをキャラ化して考えるMBTIの情報よりもさらに深掘りした比較に触れられるはず。

では、まいりましょう。

NかSかの分類はわかりやすくて面白い

MBTIにおいて、どちらの型が優勢かを判断する際、私にとって一番はっきりしていて面白いと思えたのがここです。
まず、外向型内向型、これはパーソナリティー分析としてよく知られておりここで語るまでもないかと思います。
(ちなみに最近『スピリチュアルズ』著:橘玲 を読んで、これを実際の実験を用いて数値で確定できることを知り目から鱗でした!レモン汁実験です。 外部刺激への敏感さの違いだそうですね。敏感さが薄い人は強い刺激を求めるため活動的になりやすい。活発で社交性が高いのは当然の理屈。)

また、先回書いたように私の場合FかTか、は両者とも発達しているため片側の優勢を測り兼ねていますし、JかPかは、後天的に培った性格の影響を受けてしまい複雑化していました。

外向型内向型以外ではっきり100%「こちらが優勢だ!」と言いきれるものがこのNとSの違いでした。また、こここそが自分の性格のかなり濃厚な特徴だなぁ〜と常々考えているものでもあります。

超N型人間の「あるある」を以下にざっくり挙げてみます。あなたの場合はどれほど当てはまるでしょうか?
なお、前半は長所になりがちな側面。後半にいくに従って短所になりがちな側面、です。

  • 興味ある事柄へのアイデアがよく浮かぶ

  • 一見関係ない物事同士の共通点や法則性を見つけ出すのが得意(あるなしクイズは得意)

  • 空想に何時間もどっぷり深く浸れる(空想家)

  • だいたい白昼夢を見ている(けっこう変人)

  • 一つの物事から連想が広がりすぐに想像の旅に出る(心ここに在らず)

  • 抽象的な概念を掴むのが速い(洞察は鋭い)

  • 物事を俯瞰した位置から見据え、要点をついたシンボルやメタファーを使って語りがち(目に見えるものよりイメージや概念が優先する)

  • 何でもまず全体像や大枠を捉え、後から細部を詰めていくスタイル(大局を捉えるのが得意)

  • 物事の事実を見ず、すぐに裏側や隠された背景を考えてしまう(現実的な推測が苦手。外科医や運転手や経理などに向かないはず)

  • 思想、空想、理想、イメージ、ビジョン、そんなものが頭の中を占めがち(作家や芸術家にはなれそう?)

  • タイトルや名前をつけるのが好きで得意(一個に絞れないため苦労する)

  • 現実的な思考や事実に基づく情報にあまり興味がなく、覚えてもいない(リアル世界の記憶力死んでる)

  • 身の回りで起きた出来事や、過去の経験、生活上出会した誰かの言動などには関心が薄い(世間話、噂話などについていけない。PTA活動やママ友会話が無理すぎる)

  • 地に足のついた現実的な考え方や行動がとても苦手(ほぼ異世界の住人)

  • ふわふわして常に夢見がち(子供の頃は道を歩いていると足が溝にハマりがちで電信柱や正面から来る自転車にぶつかることが多かった)

  • 実用的なことや実生活に役立つ物事とはまったく無関係なことばかりを考えたり話したりする(リアル世界への知覚が薄い)

  • 行動よりイメージが先行する(運動より空想が好き)

  • 単純作業や継続的行動が苦手(変化を好む)

  • だいたい頭の中で空想のキャラ同士が会話している(暇とか退屈とは無縁。いつでも空想ドラマで脳内が忙しい)

  • 見た映画のストーリー展開や登場人物より、それを観て自分が発想した別のストーリーやイメージや感想の方を覚えてしまっている(誰かとの思い出話が成り立たない)

  • レシピやマニュアルどおりに何かが完成した試しがない(独自のアイデアを元に作業を進めてしまう)

  • スタート地点での予想がゴール地点で反映されていない(あらぬ方向へ進みがち)

  • 怪我や事故の経験が過去にすごく多い(外部世界への注意力が薄い。注意散漫。実生活不適合者)

※↑最後のあるある。早速これを書いている期間、揚げ物中にアイデアが浮かび書き留めるためスマホを操作するという危険な行為をしてしまっていて家族に叱られました(汗) そして思ったのは、事故や怪我を起こす確率は圧倒的にN型が多いのではということ(苦笑)


……ここに挙げたのは、私個人のあるあるになります。そしてこれはそのままMBTIでいうところのN型の特徴なのではと思っています。

N(=直感型)に振り切っているため、S(=感覚型)の側面が弱い。視覚、聴覚、嗅覚など五感で感知し得る情報が理解力と直結しないと言いますか。外交的感覚(Se)と内向的感覚(Si)があまり機能していない人間の特性です。……というより、かなりポンコツに近い。

では、もっと具体に落とし込んで識別してみましょうか。度々引き合いに出される「りんご」の話です。

一個のりんごから何を考える?

テーブルに一個の林檎が置いてあります。
さて、この林檎を見てあなたは何を考えるでしょうか? どんなことを思い、何をイメージしますか?

S型の人(いわゆる常識的な人間)の例

赤くて、よく熟していて、重みのありそうな林檎だな。虫食いの穴もないし艶があってすべすべした触り心地に思える。きっと蜜がたっぷりあるに違いない。味も良いだろう。噛んだらシャキッと音がするのが想像できる。そうだ、この林檎でケーキを作れるかもしれないな。あるいは焼きリンゴもいいな。この林檎ならどっちが合うかな。そのまま食べるのもいいな。
それにしても、誰の林檎だろう。この林檎、なぜここに置いているのだろう。貰っていいということなのか? いや、ただ置いてあるだけかな。下手に触ったらまずい。それにしてもきれいな赤色をしているよな。林檎といえば、昔はよく医者要らずと言われたらしいし、栄養価も高い果物の代表だな。
そうだ、確かあの人が林檎が好きと言っていたから、これを持って帰ったら喜ぶに違いない。林檎ケーキなんか作ったらとても気に入ってもらえるだろう。これ、貰えないんだろうか。

……ここで注目してほしいのは、考える内容が、実生活や現実という枠にしっかりとどまっていることです。よく、ブログで取りあげられているS型とN型の発想の違いの例を見ると、S型は「今(現在)」で考え、N型は「未来」で考える、と書いており、料理法のアイデアや今後これをどうするかの発想などはN型だと解説されています。しかし、そんなバカな!と私はいつも思うのです。N型の発想はそんなものじゃないし、S型だってこのくらいの未来の連想は生き生きとしているはずなのです。

というわけで、N型の例、いってみましょう。

N型の人(いわゆる空想家タイプ)の例

あれ、林檎だ。林檎といえば、なんだかいつも『気持ちがいい』んだよね。そうか。「RINGO」、この「R」と「G」を組み合わせた発音がとても心地よいからなんだな。そういえば英語の「Apple」も「P」と「L」の響きが好きなんだよな。そうか、自分はアルファベットの中でこれらの響きに弱いんだなぁ。あ、今度の小説のタイトルこれを活かしてみよう。いいアイデアが生まれたぞ。
それにしてもこの赤色、きれいだな。赤といえば、寿司屋やラーメン屋の椅子が赤いのは、客の回転を早くするためだとか聞いたな。ラーメンか。最近あまり食べていない。外国人が好きな日本食の代表といえるかも。外国といえば、ああ来年こそフランスに行きたい。あれ、今何かを思い出したぞ。そうだ、昨日見たファンタジー漫画に描かれていたあの国の服装は何かに似ていると思ったらフランスの国旗にそっくりなんだ。トリコロールか。トリコロールといえば三色。三色といえば、そもそも虹はなぜ七色なんだっけ? 空にかかる橋……オーバーザレインボー……ん?ドロシー……そうだ。いつか猫を飼ったらドロシーと名付けよう!!楽しみだな。


これはただの一例です。
S型が、林檎に関してあくまで実際の生活の中でどういう意味を持つのかを考えているのに対し、N型は、もはや目の前の物体とは無関係のことばかり考えていることにお気づきでしょうか。
一つの物事から発想が次々に浮かんであらぬ方向へ進んでしまうのです。この例でいえば、林檎→気持ちいい→アルファベットの発音の好み→小説のタイトル→ラーメン→外国人→フランス→三色→虹→歌のタイトル→ドロシー→猫

もはや目の前にある「一個のりんご」という現象とはほど遠いところへ連想が飛んでしまっています。こんなふうにN型人間の頭の中は次々とイメージが浮かんで想像が発展し膨らんでいきます。心ここに在らずなので非現実的で注意散漫で頼りないのですが、そのぶん様々なアイデアが浮かびやすいという特徴もあります。

ここで、別の例を少し。N型はリアルな五感の知覚情報よりも、表面に現れていない裏の事情や、物事を俯瞰してイメージの全体像を捉える能力が発達しています。一方S型は実際に起こる事柄に基づき現実的で実用性のある地に足のついた思考の組み立てができます。

仲良しの友達数人で海外旅行に行く案が出たとしましょう。その時何から考え始めるか? (もちろんこれも一例ですから個人差があるのはいうまでもありません。)


N型の頭の中

このメンバーでこの時期に旅行できることは今後もう二度とないかもしれない。この旅は私の生涯にどんな意味を持つのだろう。この旅にテーマがあるとすればそれは何だろう。遅れてきた女子会ツアーと題して貴重な経験をする旅にしたいな。まだ見ぬ土地への旅、旅とは新しい扉を開くこと。きっと皆にとってかけがえのない冒険的な経験となるんだろう。いつか歳をとってからこの旅を振り返って懐かしく思い出したりするんだろうなきっと。ああ、なんだか今から泣けてきた……。

S型の頭の中

旅で大事なことは、トラブルをいかに無くすかだと思う。忘れ物をしないために持ち物チェックリストを作っておこう。そして行きの便、帰りの便に合わせた各日のスケジュールを皆が把握しておくべきだよね。まずは一日目の行動、二日目の行動のアイデアを作成して皆に伝えてみよう。それぞれの意見や希望を擦り合わせて最適なスケジュールを立てておきたいな。スケジュールだけでなく、服装選びも大切だし、歩き回るのだから靴選びも大切だと思う。明日さっそく色々なお店を巡って旅グッズを揃えてみようかな。


ざっというと、S型は現実的。N型は空想的。

この世はS型を基準に成り立っている

もしあなたが、Nの特性にさほど当てはまらないなと思うなら、Sが優勢だと判断してほぼ間違いないと思います。なぜなら、この二つの型で人類を二分した場合、おそらくS型の人間が圧倒的に多いはずだからです。

だってそうですよね。この世の中のルール、規則、マニュアル、システム、あらゆる種類の決まり事はS型を基準に作られているではありませんか。もしN型を基準にしようものなら物事への理解はひっちゃかめっちゃかで一定の物差しを持ち得ません。時空をあちこち行き来する発想を基に規則を作るようなら、リアルな実生活における規範の意味が薄くなってしまいます。

したがって、普段日常生活をそつなく送れている人なら、ほぼS型としてよい、という理屈が成り立つと思うわけです。個人的には。もちろん誰しもがくっきりNとSに分かれるなんてことはあり得ないので、すべての人間が両方の要素を持っているのはわかっています。ここでは、どちらの方がより目立っている(優勢)か? の話をしています。

この世はほぼS型の特徴で成り立っているという考えは、S型の人にはピンとこないかもしれません。でもN型の人にはかなりピンとくるはずです。頭の中が現実生活と乖離している瞬間をたくさん経験していると思うからです。ピンときまくったあなたは、かなりNが優勢なのでしょう。

さて、今回のまとめはこれで終わりです。
最後にお断りしておきたいことが二つ。

まず、一つ目。
先に挙げた「あるある」については、「N」だけでなく「T」や「P」型の要素も加わっている可能性があります。私自身がINTP(基本はINFP)だからです。

また、二つ目。
これはあくまで性格診断(生まれ持った気質の傾向)という切り口から書いた内容であり、例えば「注意散漫」という特徴をとりあげていても、ADHDなど発達障害の域にまで踏み込んで語っているわけではありません。ここではそうした要素に配慮はしていませんし、統合してもいません。

パーソナリティーの分類には、実のところ様々な要素が関係してきます。気質のみならず、他の遺伝、育った環境、受けてきた教育、IQ、容姿、などなどが複雑に絡みあって個々の特徴(パーソナリティー)を作り出していきます。また有名なビッグファイブ理論との関係も考慮すると別の側面が見えてきたりしますが、それもここでは絡めていません。今回はあくまでもMBTIと個人の体験をベースに分析、分類してみる手法をとったにすぎません。

これらを理解いただいた上で、何らかの参考になったりしましたら嬉しいです。

次回は「四つに分類できる人間の欲求型タイプ」「〝共感力〟には全く別の二つの要素が含まれている」「HSS型HSPとギフテッドの特徴OE(過度激動)との関係性」いずれかをテーマに書いてみたいと思います。ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?