見出し画像

ほんとうの幸せ

「なにがしあわせかわからないのです。
ほんとうにどんなつらいことでも
それがただしい道を進む中のできごとなら
峠の上りも下りもみんな
ほんとうの幸せに近づく一足づつですから。」

    ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎

しばしばタイタニック号の事件との関連が語られる
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』のなかで
燈台守が言うことばです。

賢治は、この作品を執筆するまえから
氷山に激突し沈没しようとしている船で

ウォレス・ハートリー率いるタイタニック号の楽団が
パニックになっている乗客たちの心を少しでも鎮めようと

嵐のなか最後の最後まで甲板で演奏し続けたことを
知っていました。

バンドマスターだったウォレスは、当時33歳。
実は、婚約したばかりでした。

彼は、長い間婚約者と会えなくなるこの仕事を
引き受けるかどうか躊躇しましたが
将来の可能性のためにと考え、乗船することに。

ウォレスは婚約者から贈られたヴァイオリンとともに
海に沈んでしまいましたが

最後まで人の心の安らぎのために楽器を弾き続けた彼は
どんな名声と輝かしいキャリアをもつ演奏家より
真の音楽家の姿を伝えているように感じられ

個人的に、深い尊敬の念を寄せています。

音楽、しあわせ、いのち…の三つは
わたしの中で決して切り離せないものです。

この写真をみるたび“何か”を受けとっています。

(写真はWikipediaより。中央がウォレス・ハートリー)

#宮沢賢治 #銀河鉄道の夜 #タイタニック
#titanic

この記事が参加している募集

今こんな気分