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#19.アーユルヴェーダ流・夏の過ごし方(2023年7月号)


6月21日には夏至を迎え、ここからは日に日に暑さが増していきますね。

ここ数年の茹だるような暑さには思わず「夏よ早く終わってくれ…」と願ってしまいますが、まるで絵に描いたような空の青さと白い雲のコントラストや、ぐんぐん伸びてくる田んぼの緑、旬の野菜のみずみずしく濃い色になんだかワクワク、浮足立ってしまうのも確かです。

夏も元気な体と心の余裕で、季節の移ろいを楽しみたいものです。

食欲の低下や体のだるさ、疲れが取れない、よく眠れない、などの夏バテ症状。その原因は体が暑さに慣れていないことや、体内の水分・ミネラルが失われる脱水によるものなど様々です。

特に現代では、暑い屋外と冷房の効いた屋内を行き来することで、自律神経がとても乱れやすい環境にあり、夏の体調管理には一層注意が必要といえます。


夏に弱りやすい「消化力」は健康の要!

ということで、夏本番に向けて「バテない体づくり」をしていきたいところ!

特に暑くなると、氷の入った冷たい飲み物をゴクゴク飲んだり、さっぱりと冷たい物を食べたくなりがちですが、これらは摂りすぎると内臓を冷やし「消化力」を下げてしまいます。

アーユルヴェーダでこの消化力は“アグニ”と呼ばれ、すべての生命活動の“要”であると考えられています。

アグニは、食べたものを消化・吸収したり、不要な物を体の外に排出する力のことはもちろん、感情や考えを消化したり、外から受け取る様々な情報を消化する力でもあります。

日々の生活で食べたものや、感情、考えが上手く消化できなくなると体の中に“アーマ”と呼ばれる毒素(老廃物や未消化物)が溜まり、エネルギーの流れが悪くなり、様々な不調や病気に繋がると考えられているんです。

感情や考えなど、心の消化力まで体の不調に繋がるなんて、私達に身近な西洋医学ではなかなか馴染みのない考え方ですよね。


アグニは“火”に例えられ、強すぎず弱すぎないのが良いといわれています。

アーユルヴェーダでは、アグニを活性化し維持するために、その人の体調や季節に合わせた生活習慣が勧められているんです。


アーユルヴェーダ流・夏の養生

食事編

夏は1年のうちで最も消化力が低下しやすい季節。水分の多い夏の野菜や果物−例えばキュウリや梨、スイカや桃はビタミンやミネラルも摂れるほか、体を適度にクールダウンしてくれます。

また旬の野菜をたっぷり入れた味噌汁は、夏でも食事に取り入れやすく、内臓を温めてくれるので、冷たい物を摂りすぎているかも…?と思った時におすすめです。


温活編

二の腕やふくらはぎなど体の露出したところ、足先などが冷たければ身体が冷えている証拠。夏もブランケットやカーディガンがあると、冷房の効いた屋内で過ごす時も安心です。

また、朝一番に白湯を飲むと消化力も上がり内臓を程よく温めてくれます。夏に体の冷えを感じたら、まずは白湯を飲んでみるといいかもしれません。


ヨガ編

夏は熱性や強さをもつ陽、アーユルヴェーダで言えば火のエネルギーがぐっと高まります。ヨガのポーズは火のエネルギーを沈め、陰を高めるポーズがおすすめ。下のポーズは、心にも体にも落ち着きや穏やかさをもたらしてくれます。

(1)花輪のポーズ
・股関節を開いて腰を落とす。
・膝はつま先と同じ方向に開くようにする。
・かかとは無理に床につけなくてOK。
・安定していれば両手は胸の前で合わせるか、床におろして支えたままでもOK。

深く吐く行きでお尻をどっしりと下げ、背骨は楽に伸ばします。


(2)鋤(すき)のポーズ
※生理中の方、首を痛めている(ヘルニアなどの疾患がある、寝違えている)方、ヨガ初心者でまだ不安がある方は、このポーズは避けます。

・仰向けで両脚を天井方向に伸ばす(体で90度を作るイメージ)
・両手で腰を支えながら、お尻を床から浮かせる。
・両足をゆっくり頭の向こう側に運ぶ。
・つま先は床につかなくてもOK。苦しくない所で3〜5呼吸。

・余裕があれば両手を組んで肘を伸ばし、肩甲骨を寄せる。

お尻を上げることで内蔵を元の位置に戻し、消化力を助けてくれるポーズ。


(3)ワニのねじりのポーズ
・仰向けで両脚を伸ばし、両手を横に広げる。
・左膝を90度くらいに曲げる。
・お腹をねじるようにして、左足を右側に倒す。
・両手は楽に横に広げる。

背骨を気持ちよくねじって3〜5呼吸

※ねじりにくい場合は、お尻や背中の位置をずらして落ち着くところを見つけます。

※股関節や膝に痛みが出る場合は、両膝をくの字に曲げて重ねてもOK。


(4)座って呼吸瞑想
・楽な姿勢で座る。椅子に座ってもOK。
・もし不安じゃなければ目を閉じるか、床や机の一点をぼんやり見つめる。
・いまの自分の自然な呼吸を感じてみる。

呼吸に意識を向けるのがむずかしい場合は…
・『音の瞑想』…自然音をBGMにして音を楽しむ(波の音や森林の音など)

・『イメージ瞑想』…好きな自然の景色をイメージする(森の中、砂浜と海、滝や花畑など)

・『香りの瞑想』…好きなアロマの香りを楽しむ。

・『キャンドル瞑想』…キャンドルに火を灯して、炎をぼんやり見つめる。


今月のちょこっとコラム

2023年もあっという間に半年が過ぎました。

この春は気が向いたら車を走らせて綺麗な景色を見に行けたことがいい思い出。改めて、秋田にはまだまだ知らない美しい景色がたくさんあるなぁと実感しています。

6月には初めての秋田駒ヶ岳登山へ。ずっと憧れていたムーミン谷でチングルマの群生を見ることができました!青空とお花畑のコラボレーションはお預けでしたが、また何度でも登りたいと思える最高の山でした。


今月も最後まで読んでくださりありがとうございます!
次回のヨガ通信もお楽しみに!


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