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「田舎の古民家の実家を活用してくれる人をさがす」第4回 ~50年前まで日本酒を造っていました

 こんにちは!
私は、岡山県高梁市の山間部にある実家の使途を検討するため、帰省して奮闘している者です。ネットも使って私の実家、地域のことを皆さんに知ってもらって、活用したいという人をさがすための、私の思いも含めて実家、地域のことを紹介しています。
 そこで生まれ育った者としては、放置して朽ち果てるのは忍びないので
なんとか保存活用していきたいと思っています。
大切に使っていただける方にはお貸ししたり、お譲りしても良いと思っています。
 見学したい、活用したい、譲って欲しいなど、興味を持たれた方がおられたらコメントいただければと思います。
 
第四回は、酒蔵の紹介をします。

1.実家は明治後期から酒造りをしていました
 実家は明治後期~大正初期に建てられたもので、築後110年ほど経っています。50年前まで酒造業を営んでいたため酒蔵が残存しています。
 私が子供の頃は、毎年10月末から桶屋さんが新しい酒樽を作ったり古い酒樽を修理したりするために蔵人さんより少し早く来られていました。11月末には県内から杜氏、蔵人さんが来られて1月末まで泊まり込みで酒造りをされていました。
 写真は昭和30年代の酒樽を洗って乾燥させている風景です。当時は、釜場から出る酒米を蒸す時に出る蒸気とともに冬の風物詩でした。

酒樽が並んでいる冬の風物詩(昭和30年代)

 昭和40年代になって琺瑯タンクに切り替わっていき、木樽は徐々になくなっていきました。
 下の写真は発酵中のもろみ(醪)です。これを搾ったものが清酒です。

発酵中のもろみ(昭和40年代)

2.実家の状態
 母屋は、数年前まで母が住んでいたため居住環境含めてすこぶる良好です。朝夕の雨戸の戸締まり、障子を開けての空気の入れ換えなど、毎日の生活のリズムが決まった田舎の生活を満喫することができます。時間がゆったり流れていきます。夜はとても静かです。ぐっすり眠れます。

3.酒蔵1階
(1)酒造りに使っていた井戸が健全です
 酒蔵は長い間放置していたためかなり荒れていましたが、昨年帰省して片付け清掃を行い、DIYで障子などもすべて入れて整備しました。
 1階には酒造りに使っていた井戸があります。醸造用の水は、厚生労働省の厳しい水質基準がありますが、昨年検査してもらったら50年経っても基準を満たしていました。現在も生活用水に使っています。

酒造りに使っていた井戸

  酒造りをやっていたころは、もろみ(醪)を発酵させるための大きな樽と、酒を搾るための舟、搾った清酒を貯めるタンクがたく並んでいました。
(2)酒樽アーカイブスピーカー 
 酒蔵を数年前に片付けた時に、大きな酒樽を一つだけ残しました。
その酒樽にスピーカーを取り付け、来られた方に好きな音楽を楽しんでもらっています 家に来ていただくためには何か興味をもってもらうコンテンツが必要と考えたからです。
“酒樽アーカイブスピーカー”と言ったところでしょうか・・・ 
 テーブルを囲んでお酒を飲みながら、真空管アンプと酒樽スピーカーで聴く音楽は最高です。音楽好きには、たまらない空間です。

酒樽アーカイブスピーカー

(3)アーカイブシアター 
 戦後、地域に公民館が建設される昭和30年頃まで、酒蔵で映画を上映していました。娯楽の少なかった時代に、地域の人たちが毎回楽しみに来場されていたようです。「ゴジラ」を見た記憶があると地域の人から聞きました。
 昨年帰省して、“酒樽アーカイブスピーカー”とともに、“アーカイブシアター”のブースを設けました。
60数年ぶりの酒蔵シアターの復活と言ったところでしょうか・・・
 映画を観たり、パソコンを使った研修やイベント、コンサートなどで使っていただけます。
 今年は、アンサンブルコンサート、ワーケーション、フラダンス発表会、映画上映会などに使っていただいています。

アーカイブシアター

 4.酒蔵2階
 2階は数年前に片付けて空の状態ですが、麹を作っていた室が残っています。
 立派な梁が屋根を支えています。自然に曲がった木を組み合わせた構造体で、子供の頃に聞いた話では、棟梁が山に入って木の曲がり具合を一本一本調べて組み合わせを決めたとのことです。
完成までに10年くらいかかったとも聞きました。
 古民家好きの人には、一見の価値があると思います。

酒蔵2階の梁

 いろいろな方に実家に来ていただいて使っていただくことも増えてきましたが、継続的に使いたい、譲って欲しいという人はまだ現れていません。
 引き続きネットでの情報発信も積極的に行って、活用してくれる人をさがしていきます。今後は、Facebookなどともリンクさせて発信していきたいと思っています。
 古民家を残すために「古民家再生」事業を手掛けておられる会社も増えてきています。その方達ともコンタクトをとっていくことも考えています。
 
実家の紹介が一通り終わりましたので、次回はなぜ私が「古民家の実家を活用してくれる人をさがす」活動をしているのか、あらためてお話ししたいと思います。
次回以降、実家の活用とも関わってくる近隣地域のことも少しずつ紹介していきたいと思っています。

 今回も読んでいただきありがとうございました。


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