最近の記事

得体の知れないデジャヴ、夢で訪れた場所に立ち寄る

連休で実家に帰ろうと電車に乗っていたら 夢で訪れた神社を見かけた。 ずっとバスばかり使っていたので 電車を使うのは引っ越してきてから 初めてだった。 わたしはすぐさま電車を 降りることに決め その神社へと向かった。 ・ 就職して、引っ越してきてからずっと 得体の知れないデジャヴを感じている。 はじめてやる仕事なのに 以前にもやったような感覚を感じたり 備品のトレーとか花瓶とか、 そんなちょっとしたものに 懐かしさに似た馴染みを覚える。 そもそも今の職場を選んだ理由

    • 3月のおわりと4月のはじまり

      3月。 最後の週は、 引っ越し先に荷物を送ったり 自分の部屋を片付けたりして 忙しく過ごした。 実家を出る前日の夜、 家族に渡す手紙を書いた。 祖母には、ご飯を作ってくれてありがとうと伝え 祖父には、散歩に出掛けるようにと伝え 両親には、ここまで育ててくれた感謝を伝えた。 夜中に書いていると、なんだか泣けてきて 家を出る日は寝起きから涙目なのを 隠すのに必死だった。 ・ 直前までドタバタと部屋を片付けていて 出発時刻、半ば慌てて家を出た。 隣の祖父母の家に、最後の

      • 昨日の日記

        2024.03.26 最近は決断することや やるべきことが沢山あるので お日柄、つまり六曜を なんとなく気にするようになった。 そして今日は、六曜では赤口らしい。 つまり、暦のうえで不吉とされる厄日だ。 実際それは当たっていて、 友人と街歩きをする予定だったのに 天気はどしゃ降り、雷、強風の 三点セットが待ち構えていた。 午前中は、書類を提出するために 久々に開いたパソコンで 資料をつくったはいいものの 印刷しようとしても コピー機と接続される気配がない。 それで

        • 卒業、哲学科について

          つい先日、大学を卒業した。 大学生活を振り返ると 後悔が無いわけではない。 人に話して関心を惹けるような 武勇伝的なエピソードは思い浮かばないし  様々な人から言われる 「今が一番楽しい時期」を エネルギッシュに過ごせたという自信もない。 けれど、卒業した今、私の感情は 思っていた以上に晴れやかだ。 側から見ればパッとしない 学生生活だったかもしれないけれど 母校で哲学科生として過ごせてよかったと 心の底から思うし、 人生において かけがえのない時間を過ごしたと

        得体の知れないデジャヴ、夢で訪れた場所に立ち寄る

          誕生日

          今日はわたしの誕生日。 昨夜12時に旅行から帰ってきたから、 早起きは期待していなかったけれど やっぱり目が覚めたのは9時45分。 ベッドの中で、窓を打つ雨音をきいた。 ・ 誕生日の日は 気になっていたカフェに マフィンを食べに行こうか、 新宿へ買い物に行こうか、 と色々考えていたけれど 滝のような雨音と 旅の疲れで 外に出る気は無くなった。 結局一日中、ベッドの上でダラダラして 旅行先で買ったマドレーヌをつまみながら たっぷりのコーヒーを飲んで 好きなことをして

          夜行列車 サンライズ出雲

          2024.03.03 わたしは、今夜行列車に乗っている。 とても楽しいものだ。 ベッドにあぐらをかき、窓のへりに腕を乗せて ずっと車窓の景色を眺めている。 列車の影が、地面を移ろいゆく。 時々止まる駅は奇妙なほど明るく ホームには誰一人いない。 そのひかりだけが 電気のついていない部屋を照らす。 壁にもたれかかり、すぎゆく街をずっと眺める。 不規則な揺れと音に身を委ねる。 夜の1時までは 友人とおつまみを食べながら 語り合っていた。 今は深夜2時。 そろそろ眠ろ

          夜行列車 サンライズ出雲

          平泉

          2023.1.23 午前11時頃、友人の家から盛岡駅に到着し、 まずは腹ごしらえ。 銀河堂というベーカリーカフェにて ピザトーストと小さな2つのバケット、はちみつ、ホットコーヒーを注文し 今後の計画を立てながら食べる。 予定では平泉に寄り道して、 そこから新幹線で東京へ帰るはずだったけれど 東北新幹線の運転見合わせによって 完全に予測不能の状態。 結局、このまま復旧の目処が立たなければ 友人にもう一泊させてもらうということに落ち着き 予定通り平泉へと向かうことした。

          3月1日

          3月の始まりはなんだか特別な感じがする。 自分の誕生日の月だからだろうか それとも、春が始まるからだろうか。  ・ 先月、友人と横浜の中華街で 人生で始めて、占いをしてもらった。 そこで、「あなたは今年の 3月の初めから一年間 高度成長期に入ります。」 と言われた。 だから、今年の3月1日は ますます特別な日だった。 昨日の閏日には 既にその気配を感じ取っていて 今まで避けていたものごとに 重要性を感じたり それを早速行動に移したり 身近な人から将来を見つめ直す

          盛岡・後半

          休憩後、早速向かったのは 岩手銀行。 外観がもう、好きだ。 今回は無料のところだけ見学。 美しい空間からしか 得られないときめきがある。 建物は、中に入って歩き回れる芸術品だ。 窓から見える景色も非日常。 ・ 次は紺屋町の方を目指す。 外に出ると、空から差す神々しい光が 山を照らしている。 歩いている人を スポットライトで照らしているみたいだ。 あまりにも美しい景色だったので、橋を渡って じっくりと眺めた。 川を見下ろすと、地元の人が鴨に餌を与えていた。

          盛岡・後半

          景色を思い出すための文章

          今朝、7時15分。 祖父と待ち合わせをして 短い散歩に出かける。 いつものことだ。 ぎりぎりに出たくて5分前までベッドにいて それから起き抜けにパジャマから スウェットとジャージに着替え、 もこもこしたユニクロの上着を羽織る。 畳まれた状態で仕分けしてない洗濯物の中から 靴下を探しているうちに祖父が 玄関のチャイムを鳴らした。 わたしは靴下を発見し 玄関で履いてすぐに外に出る。 空気はすでに生暖かく春めいていて わたしは羽織った上着を間違えたなと思った。 玄関先で

          景色を思い出すための文章

          鎌倉

          用事があったので、鎌倉までやってきた。 せっかくなので少し観光してから帰る。 今日は雪の予報なので あまり歩き回らず、屋内をメインに 過ごそうと思っている。 まずは、気になっていた 英国アンティーク博物館に行ってみる。 中はイギリスのアンティークがひしめく空間。 シャーロックホームズのコレクションや 本物のアンティークで再現したホームズの部屋も 展示されている。 シャーロックホームズを読み返したら 新たな発見があるのかしら。 ・ 外に出ると、すでに雪が降り始めて

          落ちていたぬいぐるみを拾って洗う

          いつも通りかかる道に、ある日 ぬいぐるみが落ちていた。 最初は、持ち主の方がはやく 見つけられるといいなと思いながら、 ただ通り過ぎていた。 けれど、ぬいぐるみはずっとそこにいた。 ジップロックに入れてあげようか。 警察に届けようか。 そう思いはじめた頃にはもう、ぬいぐるみは 雨風に晒され、すっかり薄汚れてしまっていた。 私がなんとかしなければ この子はずっとこのままだ。 そう思ってわたしはぬいぐるみを持って帰り 洗うことにした。 ぬいぐるみは、持ち上げると と

          落ちていたぬいぐるみを拾って洗う

          盛岡・前半

          盛岡駅に着くと、まず感じたのは 空気の冷たさだった。 着込んだ部分以外の、露出した顔や手が とにかく寒い。 ああ、私は北に来たんだなと思った。 今日は市内を散策する予定だったので まずは荷物を入れるコインロッカーを探す。 周囲を見渡すと、人々は思いの外薄着だ。 マフラーをつけている人はあまりいない。 私も少し悩んで、歩いたらきっと 身体も暖まるだろうと マフラーと手袋を置いていくことにした。 ・ まず最初に向かったのは、光原社。 宮沢賢治の『イーハトーブ童話 注

          盛岡・前半

          まっすぐ歩くことについて

          今日、本を返しに 近くの図書館へ行った。 西陽が強く、お気に入りダッフルコートを 着ていれば十分に暖かい気温だった。 図書館に行くときは いつも細い路地を通る。 長くもなく、短くもなく 少し他の道よりも細い路地。 車がギリギリ通れるけれど 住民以外はほとんど車でその道を通らない。 帰り道、わたしはいつものように そこを歩いて家へと向かっていた。 帰る時には、突き当たりの家の黒い柵が見える。 わたしは今日ふっと顔を上げて その黒い柵のほうをみながら歩いていた。

          まっすぐ歩くことについて