湊 ナオ

湊ナオです。小説やエッセイを書きます。駆け出しです。 第11回日経小説大賞受賞。著書『…

湊 ナオ

湊ナオです。小説やエッセイを書きます。駆け出しです。 第11回日経小説大賞受賞。著書『東京普請日和』『イノセント・ツーリング』など。 東京新聞茨城版にて『シンシンツクバ』連載中。 noteどうやって使うか考え中。

最近の記事

高校生に教えられた「刺さる言葉・摂取しているコンテンツ」

「高校生とふれあってなさすぎて、どういう生きものかよくわからない」などと講演会を前にしてもじもじしていた昨年末、会う人ごとにアドバイスをいただいちゃってたわけなんですが、みなさま、その節は、ありがとうございました! おかげさまで楽しい時間になりました^^ アドバイスをいただいているうちに「いや、本人たちに直接聞けばいいんじゃ……?」というひらめきを得てイッキに気が軽くなり、 \みんなの声わたしの声/という時間を後半に設けることに。 高校生の「刺さる言葉、摂取しているコンテ

    • 楽しく選ぼう、高校生におススメの本②

      高校生に「私たちにおススメしたい小説はなんですか」と尋ねられて悩んだ末に作成したYes/Noチャート。 これは先月、12月に作成したものだけれど、また今作ったら違う本を入れてしまいそうでもあります…… 自分自身、大きな地震があると『チェルノブイリの祈り』は読み返さなきゃとか思うし。そのぐらいの流動的な感じで見てもらえれば。 前回のエントリーはこちら。 ⑤ハラハラ&スッキリしたいあなたに『ゴールデンスランバー』 濡れ衣を着せられた男のゆくえは? 伊坂節でハラハラ&スッキリ

      • 楽しく選ぼう、高校生におススメの本①

        昨年末に出身高校(愛知県立高蔵寺高等学校)で講演をしました。 話すことはけっして得意ではないけれど、本にまつわることならいくらでも楽しく話せる自分を発見しました。高蔵寺高校のみんなありがとう。先生方も呼んでくれてありがとう!! 話した内容は「〝新しい自分〟をつくる技術」。 学生時代からわりとずっとさえない私だったけど、いつだって、いつからだって変わろうと思えば変われるよ!! という話。これは、先達の知見を多く引きながらお話しさせていただきました。 後半は逆にみんなの声を聞

        • ChatGPTは嶋津輝『襷がけの二人』を理解できるのか?

           嶋津輝さん『襷がけの二人』が第170回直木賞候補に入りました。  というわけで木曜日なのに興奮して久しぶりにnoteなど書いているのですが、ともあれ、これをきっかけに嶋津ワールドに飛ぶ仲間が増えるのだと思うとどうしてもニコニコしてしまいます。たぶん嶋津ワールドに飛んだことのある方はみんなニコニコしているのだと思います。  彼女が『襷がけの二人』を執筆している期間はとても長かったので、私たち友人は彼女がどういう話を書いているか、断片的に聞いてはじりじりとその完成を待ち望ん

        高校生に教えられた「刺さる言葉・摂取しているコンテンツ」

          つくばでよかった ~「シンシンツクバ」まとめ読みリンク集2023~

          東京新聞茨城版・毎月第三月曜日掲載「湊ナオのシンシンツクバ」。たいへんありがたいことに、つくば在住の作家としての連載エッセイ枠、二年目に突入しております。 思うに、茨城県南、そしてつくばが活性化している余波をいただけているのですよね……ありがたや、ありがたや。 人からはどうでもいい自分語りをちょっとだけしますと、私、「疫病どーするどーなる」と皆がかたずをのんだ2020年2月末に小説のデビュー作を出版しまして、どんなかたちにせよ、世に出せたことはたいへんありがたいことではあ

          つくばでよかった ~「シンシンツクバ」まとめ読みリンク集2023~

          愚痴アンド愚痴。作家デビュー時の悩みあれこれ

          シンシンツクバのリンク集をまとめているうちに、愚痴部分が思いのほか長くなって筆が走りました。 「私、こんなにグチがたまってた……? しかしこれ、シンシンの方を軽く読みに来た人にダダ洩れさせるの、人としていけない……」と思い、グチ部分を独立。 作家デビューの時期にまつわる愚痴&愚痴。 参考にしないでください。 人からはどうでもいい自分語りをちょっとだけしますと、私、「疫病をどーするどーなる」と皆がかたずをのんだ2020年2月末に小説のデビュー作を出版しまして、どんなかたちにせ

          愚痴アンド愚痴。作家デビュー時の悩みあれこれ

          君と僕と彼女のこと/追悼・坂本龍一さん

          教授に関する自分のつぶやきをここにまとめました。まだ追悼文としてはまとまっておりません。拾えた分の、ごく個人的・一方的な愛のメモです。 (ずーっとうっすら好きだった人のことは、日本語的には『推し』で合ってますか??) 直近からさかのぼって、最後の方はブログ時代に書いた分。 ライブへは結局一回しか行けませんでした……。ラストライブはオンラインだし、それを入れれば二回でした。R.I.P. ツイッター時代2022年12月12日(月) 『ベルセルク』の蝕をよくぞアニメで表現して

          君と僕と彼女のこと/追悼・坂本龍一さん

          【読書】年末年始の積読本と2022年に読んだ本と『大奥』が名作だということ

          積読本たち先週、年末年始に読もうと思った積読本を撮影しました(ヘッダーの写真)が、12月31日現在、あまり読み進んでおりません。むしろ別の本に手を出してそっちを読んでたりします。積読本の最たるもの。 それより、よしながふみ『大奥』をきちんと読んでないことに気づいて、現在やっと11巻まで到達しました。今さらアレなんですが、これ名作だね!!  いや、単純な男女逆転ものだと思って読んでない人がもしいたらもったいないですよと。壮大な思考実験ですよと。ちょうどウイルス対策で平賀源内が

          【読書】年末年始の積読本と2022年に読んだ本と『大奥』が名作だということ

          『東京普請日和』読書の手がかりに。建築とアートと発売日前後のおぼえがき

          おぼえがき1~162020年02月06日(木) 湊ナオ著『東京普請日和』(日本経済新聞出版社)2020年2月21日刊行…?! 書影、イラストレーションは、いとうあつき @atuki2126 さん、ブックデザインはアルビレオ @albireoinc さん。 瑞々しいカバーをありがとうございます!! しょうじき、日本経済新聞出版社さんが付けてくれたコピー、『まったく新しいお仕事小説!』ってのに震えている…日経が薦める…お仕事小説…?(心がプレッシャーで吐血するぜ…) いやでも

          『東京普請日和』読書の手がかりに。建築とアートと発売日前後のおぼえがき

          自己紹介にかえて―日経小説大賞授賞式・受賞の言葉

          ただいまご紹介いただきました、湊ナオです。 このたびは、第十一回の日経小説大賞をいただき、本当にありがとうございます。審査員の先生方はじめ皆さまが、きらびやかな経歴もない私の書いた作品を評価してくださったことに、自分自身大変驚き、また、深く感謝しております。 また、今年2020年、東京五輪を迎えようというこの年に『東京普請日和』という、都市開発、現代アート、今ここ、この現在への、否定も肯定も含んでいる実は複雑な作品を、このような現代的な装丁で出版していただけることに感謝しま

          自己紹介にかえて―日経小説大賞授賞式・受賞の言葉

          書いたものが予言的に見えるとき ~「シンシンツクバ」まとめ読みリンク集2022~

          「なんでも書いていいよ!」 と言われたんです。依頼のときに。  東京新聞茨城版・毎月第三月曜日掲載「湊ナオのシンシンツクバ」。たいへんありがたいことに、つくば在住の作家として連載エッセイ枠をいただいております。  通して読んでみると最初はカタいですね……。  いや、今でも「新人だし、新聞だからちゃんとしなきゃ!」と思ってます。肩に力、入っちゃってますね……。「なんでもいい」とは言われましたが、なんでもいいわけはない。地域ネタをからめなきゃとか、自分で自分に枷をはめてしまう

          書いたものが予言的に見えるとき ~「シンシンツクバ」まとめ読みリンク集2022~

          国際芸術祭「あいち2022」を観てきました

          あいちトリエンナーレ改め国際芸術祭「あいち2022」を観てきました。行き当たりばったりすぎて、台風の日の一宮市でぬれねずみ、帰りの高速バスは運休……STILL ALIVE!! 2019のあいトリ、今思えばいろんなことを前倒しで見せてくれていた。例えば緊急事態宣言のころ、この風景見たことあるなって思い出したのがユェン・グァンミンの作品。自分にとって予言的というか予兆的というか。TKG+袁廣鳴 Yuan Goang-Ming|日常演習 Everyday Maneuver あい

          国際芸術祭「あいち2022」を観てきました

          つくばセンタービルと水戸芸術館、ふたつの磯崎新の建築からまちづくりを考える

          つくばの中心はどこ? という問いは、物理上の話にとどまらず哲学的な問いのように聞こえます。そもそも、中心の名を持つ『つくばセンタービル』に建築家の磯崎新氏はあえて中心を造らなかった。それは磯崎氏から住民に託され、今も重く残るまちづくりの課題なのではないか。 そんな内容のエッセイを10月17日の東京新聞茨城版に書きました。あの文字数ではきちんと書ききれていない感があり、以下、原稿におさまらなかったつぶやきを補足としてまとめておきます。 まずは、磯崎新『廃墟のつくばセンター』

          つくばセンタービルと水戸芸術館、ふたつの磯崎新の建築からまちづくりを考える