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【無料】基礎から分かる水産用語<101> 東シナ海とは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。

東シナ海とは

 日本の九州西部や沖縄諸島が接する海域。日本以外の沿岸国・地域は中国、韓国、台湾がある。

 農林水産省が発表した2021年の東シナ海区での漁獲量は約37万トンとなった。日本の漁獲量全体の1割強を占める。漁法別は大中型1そう巻網その他と中・小型巻網による漁獲が各11万トンだった。魚種別にみると、サバ類の漁獲量は8・2万トンで日本の漁獲量の5分の1を占める。イワシ類は7・5万トン、アジ類は5・8万トン。マグロ類は2・6万トン、カツオ類は1・7万トン、イカ類が1・2万トンだった。

 水産研究・教育機構の2022年度国際漁業資源の現況によると、東シナ海および同海域の北方にある黄海は大陸河川が供給する豊かな栄養塩を基礎とし「生産性が極めて高い海域といわれる」。

 サバ類・マアジを主対象とする「西日本最大の漁業」という大中型巻網漁業は漁場が日本海の隠岐諸島(島根県)から東シナ海の尖閣諸島(沖縄県)付近までの陸棚縁辺域と済洲島(韓国)西部海域。ただ、済洲島西部海域は入漁条件の合意ができなかったため、16年7月以降は日韓漁船による相互入漁を一時中断した。同海域での操業を実施していない。

 その他、東シナ海に位置する沖縄県の尖閣諸島について、中国が領有権に関する主張をしているといった問題がある。

みなと新聞本紙 2023年3月28日付の記事を掲載