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【無料】基礎から分かる水産用語<198> フードテックとは

みなと新聞で毎週火曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。


フードテックとは

 フード(食)とテクノロジー(技術)を組み合わせた言葉。食品ロスの削減や限りある食資源の有効活用、食品産業における省人化・省力化が課題となる中で、技術を用いて課題解決を目指す取り組みのこと。

 農水省「フードテックをめぐる状況」によると、フードテック分野への投資は世界各国で活発化しており、2022年は12年比9・5倍となる296億ドルとなった。22年の各国への投資額の比較は、1位が米国(124億ドル)で2位インド(27億ドル)、3位英国(13億ドル)と続く。日本は上位10位圏外で、6780万ドルにとどまった。

 フードテックの一例では、肉や卵などを植物系原料で置き換えたプラントベースフード、ゲノム編集で可食部や健康機能性成分を増やした食品がある。他にも、人工知能(AI)で需要予測し、食ロスを減らす取り組み、ICT(情報通信技術)で1次産業を支援する、自動運転の技術を載せた宅配ロボットなど領域は幅広い。

 農水省は24年度事業で、フードテックの取り組みを支援する。「新事業創出・食品産業課題解決に向けた支援」のうち「フードテックビジネス実証事業」(概算決定2600万円)を展開する。フードテックを活用したビジネスモデルの実証、実証の成果を横展開するための情報発信などを支援する。

みなと新聞本紙2024年4月2日付の記事を掲載