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12ステップの祈りと黙想(瞑想)について

こんばんは。今日は依存症からの回復に使われる12ステップにおける祈りと黙想(瞑想)について書いていきたいと思います。12ステップが初めての方もいらっしゃると思うので、下記記事をよかったらご参照ください。12ステップの概要は以下に示します。

ステップ1:私たちはアルコールに対し無力であり、思い通りに生きていけなくなっていたことを認めた。
ステップ2:自分を超えた大きな力が、私たちを健康な心に戻してくれると信じるようになった。
ステップ3:私たちの意志と生き方を、自分なりに理解した神の配慮にゆだねる決心をした。
ステップ4:恐れずに、徹底して、自分自身の棚卸しを行ない、それを表に作った。
ステップ5:神に対し、自分に対し、そしてもう一人の人に対して、自分の過ちの本質をありのままに認めた。
ステップ6:こうした性格上の欠点全部を、神に取り除いてもらう準備がすべて整った。
ステップ7:私たちの短所を取り除いて下さいと、謙虚に神に求めた。
ステップ8:私たちが傷つけたすべての人の表を作り、その人たち全員に進んで埋め合わせをしようとする気持ちになった。
ステップ9:その人たちやほかの人を傷つけない限り、機会あるたびに、その人たちに直接埋め合わせをした。
ステップ10:自分自身の棚卸しを続け、間違ったときは直ちにそれを認めた。
ステップ11:祈りと黙想を通して、自分なりに理解した神との意識的な触れ合いを深め、神の意志を知ることと、それを実践する力だけを求めた。
ステップ12:これらのステップを経た結果、私たちは霊的に目覚め、このメッセージをアルコホーリクに伝え、そして私たちのすべてのことにこの原理を実行しようと努力した。
(AAワールドサービス)

AAワールドサービス

神っていわれても(汗)

ここで最初に伝えたいのは、12ステップは宗教ではないということです。無神論者でも、他の宗教を信じている方でも、誰でも12ステップの恩恵に触れることができます。祈りと黙想は、「自分なりに理解した神」(自然や、瞑想で感じられる自分の中心や、なんとなくある神様の意識など)で構わないというところが特徴的です。

12ステップでは、ハイヤーパワーという独特な用語がでてくる。それが、初心者には「宗教的」「怪しいのでは?」と思わせてしまうと思うのだが、これが大事な概念である。自分なりに理解した神で、アディクトは「エゴ」中心になりすぎた結果として依存症になったので、今度はそれを手放して、「自分なりに理解した神」の指針に従い生きることが大切になってくるという話なのです。

12ステップの話はまた詳しく別の機会に書くこととして、祈りと黙想についてどうやるのかについて書いていきたい。

12ステップが書かれている、Alcoholics Anonymousという本に載っている「祈りと黙想」は以下の通りです。

ステップ3の祈り

ステップ3:私たちの意志と生き方を、自分なりに理解した神の配慮にゆだねる決心をした。

ステップ3の祈りは、自分なりに理解した神に対して・・
「神よ、私をあなたにささげます。あなたの意志のままに、私を利用してください。私が自分勝手な思いから解放されて、あなたの意志を実行できますように、どうぞ導いてください。私の困難をどうか取り除いてください。その結果として、あなたの勝利が、あなたの力、あなたの愛、あなたにもらった生き方の証しとなりますように。私が手助けしたいと願う人たちにとって・・・・。私がいつもあなたの意志を行うことができますように!」

Alcoholics Anonymous

ステップ7の祈り

ステップ7:私たちの短所を取り除いて下さいと、謙虚に神に求めた。

ステップ7の祈りは、自分なりに理解した神に対して・・・
「神さま、私はいま、私のすべてを、良いところもわるいところもあなたにおまかせする気持ちになっています。あなたと、そして仲間たちの役に立ちたいと願う私にとって、行く手の邪魔になる性格の欠点をどうか取り除いてください。私がどこにいるときもあなたの意志のままにおこなっていく強さを私に与えてください」

Alcoholics Anonymous

ステップ11の祈りと黙想

ステップ11では、祈りと黙想についてが書かれています。ここで、祈ることで、ステップ3で手放したものが、神を通じて新しい形で受け取れるという風に理解しています。

夜:眠りにつく前に、その日のことを建設的に振り返ってみる。恨みがましく、自分勝手で、不正直ではなかったか?恐れていなかったか?謝らなくてならない人はいないか。誰かとすぐに話し合うべきだったことをまだ自分だけに留めてはいないか?誰に対しても親切で、思いやりがあったか。何かもっとよくやれたはずのことはないか。自分のことだけを考えてはいなかったか。人のために自分は何ができるか。人生の流れに自分の何をさしだせるか考えたか。心配や後悔、憂うつな考えのほうに流されないよう注意しなくてはならない。人の役にたつことができなくなるからだ。1日を振り返ったあと、神に許しを乞い、正すためにはどうすればいいのかを尋ねる。

Alcoholics Anonymous

朝:朝目が覚めたら、自分の目の前にある24時間のことを考えよう。その日の計画を立てる。取りかかる前に、神に私たちの考えに導きを与えてくださるように、とりわけそれが自己れんびん、不正直、利己主義といったことから切り離されるよう、助けを求める。こうして、私たちは自信をもって自分の知能を使っていける。神は使うために知力を与えてくれたのだ。自分の考えのなかからよくない動機が消えたとき、私たちの考える力はずっと高い水準に達するだろう。

Alcoholics Anonymous

決められない時:その日のことを思ううちに、決められないことにぶつかるかもしれない。どうしたものか決心できないかもしれない。そんなとき、私たちは霊感や直感的な考え、あるいは決断を与えてくださいと神に祈る。それから気を楽にする。もがいたりしない。この方法をしばらくやってみた後で、正しい答えが得られることに、私たちはよくびっくりする。

Alcoholics Anonymous

1日を通じて:1日が過ぎていくうちに、自分が動揺したり、疑問を抱いたりしたら、立ち止まって一息入れ、正しい考えと行動を示してくださいと祈る。自分がもはやすべてを取り仕切っているのではないことを絶えず思い起こし、毎日、何度も「あなたの意志が行なわれますように」と謙虚に自分に繰り返す。そうすれば、興奮、恐れ、怒り、心配、自己憐憫、結果としての愚かな決断に落ち込む危険はずっと少なくなる。ずっと効率がよくなる。自分合わせて人生をひねくり回していたころのようにエネルギーを浪費しないから、つかれにくくなってくる。
これは、うまくいく。実に効果がある。私たち、アルコホーリクは、自己規制力をあまり持たない。だからこれまで述べたような方法で神に訓練してもらうのだ。

Alcoholics Anonymous

これらが、12ステップに掲載されている、祈りと黙想(瞑想)のやり方です。ちょっと難しいと感じるかもしれません。12ステップを実践している方にとっては、見聞きした文章かもしれません。文章が難しいので、覚えられないのもあり、今回はしっかり祈りと黙想をやろうと思い、自分のためにもこの記事を作成しています。次に、私はどう実践しているかについて説明していきます。

自分の瞑想の実践について

私は、マインドフルネス講師なので、マインドフルネスストレス低減法MBSRやMBRP(マインドフルネスに基づく再発予防)、MSC(マインドフル・セルフ・コンパッション)の瞑想を日々実践しています。

朝、少しの時間でも、今日のハイヤーパワーの意志を確認する、今日大事なことは何かを確認する瞑想をして(忘れることも多々)います。

ハイヤーパワーに聞いてみるは、弁証法的行動療法でマーシャ・リネハン博士が推奨している、WiseMind(賢い心)と似通ったものを感じます。

仕事が一段落して、疲労がでる15時前後に、マインドフル・セルフ・コンパッションの瞑想特に、セルフ・コンパッションを使った一休みを実践しています。

夜に30分程度、オープン・アウェアネスの瞑想(呼吸瞑想からはじめて、意識を広げていく)をしています。その際に、ステップ11の夜の瞑想をしています。

このやり方をはじめてからは、まだ2週間くらいなので、なんとも言えないのですが・・・・以下にその間の、気づきを書いておきます。

気づいたこと 

✅ハイヤーパワーの声とエゴの声がわからなくなることがまだまだ多い。

結構はっきり、気づいて「〜はこうすべし!」となることがあるのですが、それはエゴからの声なのかもしれないのに、それに基づいて行動してしまい周囲を傷つけることもある感じがするので、あまりはっきりした感じは慎重に扱おうと思っています(汗)

一般的にハイヤーパワーは微妙な感じでわかりにくいということなのですが、今まで数回感じた「悟り」の感覚からいうと、「これでいいのだ」という受容の感じでした。

瞑想は、自分の思考や感情を自分を切り離すためのトレーニングとも言われています。エゴを手放すという、より良く生きる上での、必須スキルが瞑想だと手に入る可能性が高まる。とはいってもエゴがまったくないのも大変になるので、エゴにうまく気づいて、バランスを取るのが、12ステップとマインドフルネスや瞑想なのだと思っています。

✅白黒つけられない問題もあるのだということを受け入れる

性格的に、結構0か100かになりがちなのですが、そううまく割り切れないことや、決められないこともある感じがやっとわかってきました(汗)ここで時期尚早に結論を出そうとすると、結局エゴの声になっている気がしています。こんな時は、決められない時の祈りを実践し、賢い部分に聞いてみるようにしています。あとは、落ち着くまで瞑想することでしょうか。落ち着くには30分ほど、さらに気づくには45分程度まで瞑想することが大事だと思ってます。

✅具合が悪い時は瞑想しずらいし、ハイヤーパワーともつながりにくい

具合が悪い時、(私の場合、焦燥感や、多動注意散漫、過覚醒、疲労しすぎな時)は、瞑想で座る姿勢を維持するのが困難で、寝ながらの瞑想などになってしまいます。寝ながらの瞑想でも効果はありますが、意識の曇りを晴らすには、やっぱり座ったほうがいい感じがしています。なので、具合が悪くても5-10分だけでも座ってから寝ながら瞑想に移行するように最近はしています。

✅衝動や、渇望がある時は、衝動サーフィンや、SOBER、ま、いっかな瞑想を実践

アディクション的な衝動がある時は、この三つの瞑想が効果があります。以下のガイド瞑想にも録音してあるので、よろしければお使いください。支援において、しんどいな・・と思う時は、平静のためのコンパッションがいいです。

ということで、この記事は、ほとんどビッグブック(Alcoholics Anonymous)からの引用ですが、今後の祈りと黙想に役立てていただければ幸いです。

最後に、心が混乱している時は、

平安の祈り
「神様、私にお与えください、変えられないものを受け入れる落ち着きを、変えられないものは変えていく勇気を、そして二つのものを見分ける賢さを(ニーバー)」

を唱えるようにしています。

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