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レポート第11回レタスマインドフルネスワークショップ4

(続きです)

俺、犬に芸を教えるのが得意なんです。
うちの犬がけっこう複雑なことをできるのを見て、近所の人とか「すごいな、教えてくださいよ」って言われるんでやり方を教えるんですけど、それ、ちゃんとできる人はいないんですね。

やり方は単純です。
気長に、犬をよく観察して、タイミングを計る。
くわえているボールを「ちょうだい」と言われたら飼い主の手に渡す、という動作を教えるとします。
くわえているものを渡すのって、犬にとっては嫌な事なんです。
だから口からボールを離しそうな表情を見て、タイミングよく「ちょうだい」と声をかけて手を出す。
もしうまくその時にボールが手に落ちたら、「ありがとう!すごいねー偉いねー」と褒めて、おやつをあげる。それを本当に根気良く、何度も何度も繰り返す。
そうすると犬のほうも、「ちょうだい」という言葉でボールを渡せば、自分にとっていいことがあると分かり、抵抗なくボールを渡すようになる。
やらせることによっては時間がかかることがあります。犬種によっては向かない訓練もあります。
うちの犬は押さえつけなくても歯ブラシで歯磨きをさせてくれます。
最初は歯ブラシを見せて、犬の口先にあてるだけ。あてても顔を背けなかったら褒めて、おやつをあげる。(歯ブラシが出てくると、いいことがある)と犬が思えるように、あせらず、少しずつ犬の口に歯ブラシを当てる時間を長くして、なれたら犬の唇を少しだけめくり、その次は歯に歯ブラシを当て、……。機械的に訓練するのではなくて、犬の機嫌をみて、タイミングをはかる。歯磨きできるようになるまで一年かかりました。

そういう練習を何度も繰り返して、少しずつできることを増やしていくと、入り組んだ演技でもこなせるようになる。
結果をみると複雑だけれど、一つ一つの動作の教え方はシンプルです。

犬を教えるのは気長にいけるのに、仕事になると待てないんですね(笑)!
すぐに、完璧にできる自分でありたいと思ってしまう。
「犬たらし」と呼ばれるのに「仕事たらし」になれないんですよ。

ポイントは自分に対する「共感」なんじゃないか。
出来ない自分に対して根気よく教えて、できるまで待つ。
「そのままでいればいい」というのをこの修行の途上で知ったはずなのに、今こうやってプレッシャーが大きい現実に直面すると、「信じて待つ」ができなくなってしまう。
この「プレッシャーに押しつぶされそうな自分」もそのままに見られればいいんですけれどね。

今日は少しまとまらないお話でしたが、共感については考え続けていきたいと思います。

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後半は瞑想実習を行いました。

レタスマインドフルネスワークショップ次回は10月に開催予定です。
ご参加お待ちしております!