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「瞑想中、寝てしまう」というお悩み

「瞑想中、寝てしまう」というお悩みに解答しました
レタスの動画「瞑想中、寝てしまうというお悩みに回答」の書き起こしです(解答は大友風太郎講師)。
動画はYouTubeで無料公開されています。(この記事の末尾にリンクがあります)

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「瞑想中、寝てしまう」というお悩みに解答しました

「瞑想すると寝てしまう」というか、目を閉じると寝ちゃうというのは瞑想の世界では大きなテーマの一つではあります。
むしろサマーディに入るとか瞬間定とかよりも一般的な、初心者から何年もやっている人まで共通する話題といえるでしょう。
でも冷静に考えたら、日々我々が生活していて、疲れていて、静かで適温の所でスッと座って目を閉じたら、眠るほうが自然だと思ったほうがいいと思いますよ。
目を閉じても寝ない誰かはすごいとか、そんなふうに考えるのが不自然であって、やっぱり目を閉じたら寝ちゃいます。
ただ大事なのは、なんで寝ちゃうかということ。
つまんないから寝ますよね。すごい興味があったら寝ないじゃないですか。映画でも本でもそうですけど、授業とか会議とかで寝ちゃうのは、つまんないからですよね。

例えば呼吸の観察。
「(お腹でも鼻でも)呼吸を観察しましょう」、となった時に、それがいつもある当たり前のもの、当たり前になりすぎているものだからつまんない。何回か繰り返してみてもよく分かんない。よく分かんないとモヤモヤする、モヤモヤしていることにも気づけずにそこに巻き込まれるので、自然にトローッとなって、気づいたら寝ちゃう。
もっとたちが悪いのが、フワーッと「自分は気持ちいい瞑想できました」と思っていて、傍から見ると「あなた、舟漕いでましたよ」寝ていた、みたいな。

そこで瞑想からちょっと離れて考えてみるといいと思うんですけど、呼吸ができるっていうことは、実は一息一息が奇跡です。
具合が悪くなった時に、鼻で息ができなくなって口を閉じたら生きていけない。もう死にます!っていうくらいに鼻がつまっているときに口呼吸すると息ができますよね。それが、鼻が治って最初の時にはすごく感動すると思うんです「ああ!息できてる」。
そういう感じで、呼吸一つすることが当たり前じゃない。
この一呼吸で自分は生きている。また、この体っていう自然に生かされているっていう視点にちょっと変えてみると、一呼吸だけは見られるかもしれない。
行く一呼吸、戻ってくる一呼吸。
この一呼吸だけは起きていられると思うんですよ、誰しも。
そうしたら(戻ってくる)一呼吸起きていられる。(また一呼吸ずつ)起きていられる、起きていられる。これを繰り返す。
それを「呼吸」っていう概念に、「何分」っていう概念にして、目を閉じて、「さあ、何かをしよう」って思うから、寝るっていう方につながることは、あると思うんですよね。
これはテクニック的な話ってとらえられがちなんですけど、そうではなくて、もっと自然っていうものについて話していて。
身体は自然です。
でも呼吸できるっていうことは「当たり前」ではないです。

というところに自分自身、発想を変えてみてアプローチしたりすると……。「こうすれば、眠気がなくなる」っていうようなアドバイスはあんまりしたくないんですよね。
「瞑想中寝てしまう、困る」というのは「眠気」っていうものに対して、自分はどういうふうに見ているかとか、どう付き合っていくかとか、もっと言うと、瞑想そのものって何なのかっていうところにいけるすごくいいチャンスだと思うんです。
ただ「眠いのを何とかしたい」っていうような単純なものじゃなくて、もっと繊細に、当たり前に、でも丁寧にしっかりとアプローチしてみたらどうでしょうか。
(2021年2月4日公開動画より)

https://www.youtube.com/watch?v=BlPTvoVoqlw