マインドフルネスの基礎2 坂井洋介
マインドフルネスの基礎2
坂井洋介
マインドフルネスの説明のための7つの考え方
―3つの原則と2つの技術と2つの要素―
2つの技術:
➀ ラベリング:
これは、自分がしていることを言葉で確認する方法です。
たとえば、座っているときに「座っている」と心の中で言葉にすることを指します。
ラベリングは気づきそのものではなく、気づきを強化し、促進するためのツールです。
非常に明確に気づいている場合には不要かもしれませんが、初心者にとっては気づきを促進するのに役立ちます。
➁ 身体感覚への目を向けること:
身体感覚は、瞑想モードの際によく観察の対象として使用されます。
瞑想モードは、安全な環境で、ある程度集中的に瞑想する状況のことです。
知覚経験はすべてマインドフルネスの気づきの対象ですが、継続的に気づきをとぎらせないためには身体感覚は適しています。
日常生活で常に身体感覚に過度に集中する必要はありません。
気づきの対象は何でも構いません。自分が「あ、今気づかなかった!」と気づくこと自体が、気づきの一部です。
したがって、気づきを深めるためには、特定の対象にこだわる必要はありません。
自分の感覚や状態に注意を向けることで、気づきを高めるトレーニングが可能です。
身体感覚に意識を向けるのは瞑想モードのときに、より長い気づきの継続や微細な感覚に対する気づきを養うという目的には適しています。
2つの要素:
「制御」と「受容」の要素がマインドフルネスのコンセプトとして重要です。
マインドフルネスでは、これらの要素をバランスよく取り入れることが必要です。
制御は経験や感情を求める方向へ変える努力であり、受容は経験をあるがまま受け入れる態度です。
例えば、身体感覚やある行為に気づき続けることは、相応の努力を必要とします。これは制御の側面です。
しかし、その際、湧き上がってくる感情(しばしば退屈や止めたいというネガティブな感情)をシャットアウトしたり、目をそむけたりすることなく自覚することは受容の側面といえます。
マインドフルネスやヴィパッサナー瞑想は、制御と受容の要素を高いレベルでバランスさせるアプローチを要求します。
しかし、個人の傾向によって、片方の要素を強調することがあり、同じ体系内でも異なる重点が強調されることがあります。
ケースバイケースで進む柔軟な態度が要求されます。
(この項終わり)