見出し画像

「良い読書感想文」ってどういうもの?

夏休みの宿題じゃなくって
読書感想文を普段の授業でやるというのは
いいことだと思うんです
作文を書くところまでやらなくても
読んだ本の感想をみんなでディスカッションするとか
そんな場があるといいなって

だって感性ってみんな違うでしょう?
同じ本を読んでも全然感じ方は違うかもしれないし
ちょっと過激なことを思ったとしても
それが本当の感想なわけだから
お互いの意見を認め合うということで
ディスカッションし合うのって素敵だと思うんですよ

「それはすごくいい場面だと思うけどなんだかちょっと嫌だった」
「へぇ〜そうなんだ、なぜそう思うの?」
なんて対話ができたら
それってまさに国語の授業ですよね

本を読んで感動したら
子どもたちは「この本読んだほうがいいよ!」
とお友達に言うようになります
言われた方も興味を持ちますよね

私たちの会社で主催している
読書感想文コンクールでは
いろんな方が審査員を務めてくださるのですが
志茂田景樹先生が審査員長としておいでいただいた際に
おっしゃっていました

「感想文を読んで、あぁこの本が読みたくなった、と
思わせる感想文がいちばんよく書けた感想文ですね」と

おっしゃるとおりですよね
人の心を動かしているんですから

これって読書感想文だけの話じゃなくて
商品とかサービスとか
営業においても言えることだなと思うんです
相手に買わせてやろう、とかじゃなくて
本当に自分が心底いいと思ったことを文字にすることで
人の心を動かすことができるんです

「私はこれがいいと思う」
「私はそうは思わない」
「私はこういう場面が好き」とか
そんな心からの感想をみんなで言い合うのって
特に小学生低学年や中学年の子たちには
すごくいいかなと思うんですよ

一番正直に感じたままを言うから
斟酌(しんしゃく)なんてありませんよ(笑)
でも「その通り!」って思うことありません?

でも成長するにつれて子どもによっては
こういうことは言わないほうがいいなって学んでしまって
そうするとだんだん感性もしぼんでしまって
思う存分感受性を発揮できないということもあるかもしれない

その証拠に大人ははっきり言わずに
オブラートに包んだりすることもありますよね

だからこそ上手に書こうと思わないで
「たのしかった」とか「おもしろかった」とか
そんな形容詞にはめ込んだりしないで
言葉にできない思いもそのままでいいから
正しい答えなんていらないと思いませんか?

そうすれば素直な気持ちで自由に書けると思うんです

だからこそ難しいのは大人たちによる評価ですよね
それによってその子を先々まで左右してしまうこともあり得るから

できれば全員褒めてあげたい
みんながんばっているし
みんなそれぞれいいところがある

だからこそ
もっと向上心を持ってもらったり
個性を引き出してもらってそれを自覚してもらうとか
そういうきっかけとして「評価」が有効に働けば
すごく意味のあるものだと思うんです
そうすれば子どもってどんどん伸びていくはずだから

でもこういうことを考えるのも
読書感想文という宿題があってこそのものかもしれません
いいきっかけでもありますよね

2021.10.11
下向峰子


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?