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朝活古典:菜根譚

ここでの地位は、お金(財力)と言い換えると、より身近になるでしょう。

お金はたくさん欲しいですよね。

僕が大学生の頃のバイトの時給は、900円でした。
稼ごうと思っても、扶養の壁で、稼ぐにも限界がある。

でも、少ない給料でも、十分に生活を楽しめていました。

社会人になり、転職も経験して、バイト時代と比べれば約3倍の給料をいただけるようになりました。

でも、もっとお金がほしい。

そう思うのはきっと、いただいた給料と仕事で受ける心身へのダメージのバランスが合わないとか、お金がかかる大人の楽しみを、メディアに植え付けられたからかもしれません。

勿論、お金をたくさん稼ぐこと、たくさん使うことを否定していません。
そういう方々によって、経済が回っています。

でも、伝えたいことは、誰もが自分に力がなくても幸せになれていたということです。

ちびっ子の頃は、腕力・財力、地位や名誉がありません。
それでも、楽しいことがあった。


2023年12月現在、大谷翔平選手が大金の契約で別球団への移籍を発表後、自分から全額ではなく少額しか受け取らないと表明したり、政治家の裏金のニュースが流れています。

地位とは、何なのでしょうか。


コラム
社会人1年目の頃、彼女と福島県の会津へ旅行に行ったときの話です。
どこへ行こうかと迷っていると、見知らぬおばちゃんに声をかけられました。
話を聞くと、個人で旅行者に観光案内しているそうで、明らかに怪しかったものの、車に乗せてもらい、鶴ヶ城や飯盛山などの観光場所を連れて行ってもらいました。
より話を聞くと、会津にある雑貨店の役員の方で、普段は表に出ないから観光案内でもしないと暇で暇でしょうがないんだそう。
そんな話を聞いている時、おばちゃんが僕らにこう話してくれました。

「帰る家があって、着る服があって、空腹で困らないんだから、私は十分幸せよ」
他にも
「人の能力はグラデーションがあるから、通信簿のように簡単に数字で評価できない。誰にだってできないことはあるんだから、できないことをやっていることは、特に見てやらないといけないよ」
と話してくれました。

多分、車内でおばちゃんに社会人になって忙しすぎることや、当時生業としていた児童発達の仕事を上手くこなすヒントを相談していたんだと思います。
僕は、車内で思わず泣いてしまいました。
今まで出会った大人で、こう断言してくれる人がいなくて、言われた言葉に感動したからです。
僕も、今ある幸せで十分!と断言できる大人でありたいです。

おばちゃんとさよならした後、空に虹がかかっていました。
未だに、「あの人は神様だったんじゃないか?」と思います。
唐突に現れ、無料で観光案内してくれて、教訓を教わり、名を言わず去ったら虹がかかっていた。
嘘みたいな本当の話です。

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