葉隠 (はがくれ) UK

1960年代生まれの研究者です。 シンガポールに3年、イギリスに19年住んで、今はデン…

葉隠 (はがくれ) UK

1960年代生まれの研究者です。 シンガポールに3年、イギリスに19年住んで、今はデンマークで生活してます。

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英国ミニマルライフ

イギリスでの独身シンプルライフ、仕事観、たまに国際ニュースなどについて書いています。 私は 1997年春に日本を離れ、シンガポールで勤務した後、1999年に渡英しました(ブログは2016年から始めました)。当ブログは、私が2018年の夏にデンマークへ移るまでのイギリス生活で感じたことの備忘録です。 最近の記事はこちらです。ご訪問ありがとうございます。

    • Taking off

      週明けに イギリスを離れます。 行き先は、過去記事にも何度か書いたように、デンマークです。 いま勤めているイギリスの大学には、6月末まで雇用されていることになっていますが、研究室は一昨日、ひき払いました。 使っていなかった有給休暇を6月後半にまとめて消化することにしたので、事実上、この金曜が最後の出勤日でした。 約10年間ここに勤めたので胸が痛むかな、と思いきや、それほどでもなかったです。たんに勤務先の大学が変わるだけで、同様の仕事をこれからも続けるわけですし。

      • 手放さないと得られない

        引越しを間近にひかえて荷造り中なわけですが、ミニマルな生活をしていてよかったな、とつくづく思いました。 「ミニマルライフ」とブログタイトルに銘打ってるわりには、ミニマリズム関連の記事なんか最近ぜんぜん書いてないやんか!と怒られても困ります。「日本で俗に言うところのミニマリズム」に特有の、物捨て指南のブログじゃないんで。(ひらきなおり) でも、やっぱり物が少ないっていうのは何かとラクです。 とくに独り暮らしだと、引越しの際には荷出しも荷受けも自分ひとりでしないといけない可能

        • 次なる一歩

          新しいことを始める時、あるいは、自分の意に反して新しいことが始まる時、いずれにしても、その変化を受け入れると決心した瞬間から、いろんなことに対応していかないといけません。 「よし、自分はこうする。」そう思ったら、そこから始まる長い過程や煩わしい一連の雑事は覚悟しないといけないわけです。 ですが、私たちは多くの場合、「こうしたいんだよねー、でもそのうちしよっかなー」と肝心の一歩を踏み出さなかったり、たとえ一歩踏み出しても、ちょっと障害や問題があったり、あるいは道のりが思って

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          美の「本質」を考える

          読者のかたから興味深いご質問があったので、この場を借りてお返事したいと思います。私にとって、「美しいと感じるモノやコトとは何か」という問いです。 これって普遍的な問いですが、大抵わたし達は、「美しさの基準って相対的だよねー」とユルく返答することが多いですよね。 もっとも、美の相対性ということについては、まったく同感です。 特に人の容姿にいたっては、国や文化、また時代によって、美と醜の基準が真逆だったりすることもあります。 ただ、私なりの考えを言わせていただくと、美しさの

          美の「本質」を考える

          後悔しない選択とは

          結論から先に言うと、職探しをするにあたって何が大事かというと、ひとつは「全力を尽くす」。そして、もうひとつは、仕事の選択においては「自己が向上する道を選ぶ」、この2点だと思います。 私はこれを、今回の職探しで学びました。 前回、前々回と他大学に移籍する旨を書きましたが、新しい職はそんなにあっさり決まったわけではありません。 むしろ、山あり谷ありでした。転職活動の結果だけを書いたので、なんかすぐに次の仕事が見つかったような印象があるかも知れませんが。 そもそも、希望退職に

          後悔しない選択とは

          デンマークでの面接回顧録

          海外転職というのは、同じ業界内であっても、けっして簡単なものではありません。 そもそも面接の過程や仕方が違ってたりします。今回、デンマークの大学へ移籍するにあたって、それを痛感しました。 イギリスでは、私は博士号取得後、勤務する大学を2回移籍しています。つまり、これまでに、フルタイムの大学教員として3つの大学で働いた経験があるわけです。 その都度、それなりに就職活動もしたわけですが、イギリスの大学のポジションは大体、数ヶ月で決着がつきます。 イギリスだと、面接に呼ぶ候

          デンマークでの面接回顧録

          イギリス脱出計画

          いや計画もなにも、もう決まってるんですよ、イギリスを去ることは。 新しい職場となる大学から採用通知をもらったのは約3ヵ月前、今年の1月です。 新しいポジションには7月に着任することになっているので、現職では、今月初めから「退職通知期間」に突入しました。で、めっちゃ忙しいです。 イギリスの大学は4月末まで講義期間なので、講義やらセミナーやらでまだ教えてるし、5月は試験の採点もあるし。 その一方で、昨年の秋口に投稿した学術誌から、査読論文をR&R (Revise and r

          イギリス脱出計画

          日曜日は教会へ

          私は週6日(月曜から土曜)は、だいたい自分の研究室で仕事をしています。学者とか研究職の人は、多かれ少なかれ、「なんか知らんけど、のべつ仕事関係のことをしたり考えたりしてる」という人が多いんじゃないかと思います。 とくに私の場合は、論文執筆も講義も、私にとっては非母国語である英語でしないといけないので、土曜日も働いてやっとこさ人並みにできている、って感じです。 まぁ、だらだらしていることも多いので、生産性はそう高くないかも知れません。学者志望でなかった人間が、たまたま学術職

          亡き父が教えてくれたこと

          前回、母について書いたので、父についても書いておこうと思います。 私の父は自衛官でした。 うろ覚えなんですが、確か父は8人きょうだいの4番目か5番目で、長男ではなかったので家を継ぐ立場になかったため、高校を卒業してすぐ、発足したばかりの陸上自衛隊(当時の警察予備隊)に自らすすんで入隊しました。 戦後まだ間もない頃のことで、朝鮮半島では朝鮮戦争が勃発した年です。 当時、自衛隊に入隊するということは、戦場に行く可能性が極めて高いということを意味します。それはもう、戦場への派

          亡き父が教えてくれたこと

          マザーリング・サンデー(母の日)に思う

          イギリスでは、今日が母の日にあたります。 移動祝日なので日付けは毎年変わるんですが、例年、復活祭(イースター)の3週間前の日曜日に祝われます。 私が通っている教会では、従来、礼拝後に教会員が出口で待っていて、帰り際、みんなにラッパ水仙を配っていましたが、今年は趣向を少し変えて、礼拝最後の讃美歌を謳っている時に、子供たちが女性全員に、ひとりづつ手渡していくようにしました。 中学生くらいのイギリス人の男の子が、はにかみながらラッパ水仙を手渡してくれた時は、けっこう嬉しかったで

          マザーリング・サンデー(母の日)に思う

          最大限に生きた人:ビリー・グラハム

          本日、2018年2月21日、世界的に有名な牧師で、キリスト教の復興運動に貢献したビリー・グラハム氏が亡くなりました。享年 99歳。 アメリカだけでなく、イギリスを始め各国で福音を述べ伝えることに人生を捧げた人物です。 若い方はあまり馴染みがないかもしれませんが、英語圏でビリー・グラハムといえば、それはもう Big name であり、中高年の世代ならクリスチャンでなくとも、その名を知らない人はいないんではないかと思います。 政治・社会問題にもかなり関与し、その影響力の大きさ

          最大限に生きた人:ビリー・グラハム

          EU離脱に揺れるイギリスの大学業界

          イギリスのEU離脱が及ぼす影響について、前回の続きです。 産業界においては、国際的にビジネスをする多国籍企業や大手銀行の多くは、EU残留派が多数を占めています。 それに加えて、イギリスの大学や研究機関、シンクタンクなどで働く研究者も、多くは残留支持派です(もちろん例外は多々あります)。 これらのいわゆる「知識層」に、なぜ残留派が多いかというと、先ず、知識を深め発展させるためには、理論、データ、意見などを共有、適用、総合し、多角的に精査する必要があり、そのためには共同研究や

          EU離脱に揺れるイギリスの大学業界

          イギリスの将来がヤバい

          ヨーロッパでは冬期休暇が終わって、先月からEU離脱の交渉が再開しました。 日本に住む方々は、「で、EU離脱したら、結局イギリスどーなんのよ」、とお思いかもしれませんが、そんなこと、現時点で分かるはずないじゃないですか。 イギリスに住んで、EUがらみの政策や統計情報に触れる機会が一般人より多い立場にいても、先行き不透明なのに。ただ、EU離脱「反対」派の個人的立場から言わせてもらうと、このままいくと、イギリスの将来、ヤバいんじゃないでしょうか。 EU離脱派の中には、些末な情

          イギリスの将来がヤバい

          わが愛しのケンブリッジ

          自慢じゃないですが、という出だしで始まる時はだいたい自慢なんですが、実は私、博士号はケンブリッジで取得しました。 えぇ、イギリスが世界に誇る、あのケンブリッジ大学です。マジです。 それも、学費及び生活費全額支給の給付型奨学金を、とある国際機関から頂いて博士号を修めました。 そんなことでもないと、中流小市民の家庭出身の私が博士課程なんてできるはずがありません。それに私は当時すでに30台半ばでしたから、親からの援助なんぞ言語道断です。 私はイギリスでの修士課程は自費でやった

          わが愛しのケンブリッジ

          言い訳をやめよ

          新年の抱負は各自それぞれあるでしょうが、ひとつ私のおすすめをあげると、「言いわけをやめる」です。 言い訳が上手い人も下手な人もいますが、押しなべて、人間と言うのは「言い訳が好き」な生き物な気がします。 とある英語の自己啓発サイトによると、ひとが言い訳をするのは、以下のような理由からだそうです。 失敗への恐れ ミスや間違いを犯すことへの恐れ 恥をかくことへの恐れ 変化への恐れ 不確実性への恐れ 成功することへの恐れ 責任回避 自信および資質を欠いていることの

          言い訳をやめよ