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プラント・ベースの食事

私は数年前から、ホールフード・ プラントベースの食生活を心がけています。英語だと、Whole-Food, Plant-Based diet です。「WFPB」と略されたりもします。ベジタリアンやビーガンと同義語で使われることも多いです。

ようは、野菜や果物などの植物性食物をベースとし、精製・加工されていない自然の素材を、なるべく丸ごと食べる、ということです。

とはいえ、ミカンや玉ねぎでも外皮ごと食べるとか、そんな極端なことをするわけではありません(まぁ食べたい人は食べたらいいんですが、私は外側の皮はちゃんとむきます)。

「Forks over Knives」というアメリカのドキュメンタリー映画が 2011年に封切られた時に、日本でも少し話題になったかと思います。この映画の題名は、「ナイフ(外科手術)ではなくフォーク(食生活)で病気に打ち勝つ」という意味が込めてあります。

精製・加工が最小限のものを食べる、いわば、食のミニマリズムです。とはいえ、量は決してミニマルじゃないです。見た目はかなりボリュームがあります。

ふだん買うもの

日常の買い物は、特に何か変わったことをするわけではありません。
WFPB では、動物性食物(鶏肉・魚介類を含む肉類全般、乳製品、卵)や精製した穀物(白米や精製した小麦粉)、砂糖、油脂類は、最小限におさえます。

私がふだん買うものは、果物、緑黄色野菜、イモ類、豆類、ナッツ・種子類、全粒穀物です。

加工食品や肉は買わないので、食費が安く抑えられます。砂糖や油は使わないので、家に置いていません。と言っても、外で食事をする際には、あまり神経質にならずに食べているので、なんだかんだで、砂糖や油はおのずと口に入ってしまってるんでしょうけど。

ちなみに、WFPBは、いわゆる菜食主義とはやや異なります。菜食主義って、なんか葉野菜ばっかり食べてるイメージがありますが、WFPB で使う食材は、バラエティーに富んでいます。

WFPB のウェブサイトも多々ありますが、たいてい、「豆を食え!」と豆類をイチオシしています。豆類は良質のたんぱく源です。また、キヌアやオーツなど精製していない穀物や、サツマイモもよく使われます。

イギリスでは豆の種類が非常に豊富で、しかも安いので、WFPB に向いていると思います。日本だと、まず大豆、あとは小豆、インゲンとかがメジャーなところでしょうか。

でも、外国人客員研究者として日本の大学に1年間在籍していたベジタリアンの同僚が、「日本でWFPB をやり通すのは難しい」と嘆いていました。なんでも、「自然の食材の種類が少なくて、加工食品ばっかり」だとか。

どうなんでしょうね。私はめったに日本に行かないのでわかりません。でも、ベジタリアンや WFPB の実践者は日本にもおられると思いますが。

ビタミンB12のサプリは必須

いわゆる「菜食主義」を間違った方法ですると(サラダばかり食べるとか)栄養失調になりかねませんが、WFPB は、なにか一定の食材だけを食べる食生活ではないので、バランスよく献立を組めば、必要な栄養素はほぼ全部とれます。

ただし、ビタミンB12 は動物性食品に多く含まれるので、植物性食品が中心の食生活になるとビタミンB12 が不足します。

「なんだ、やっぱり肉を食べなきゃダメなんじゃん」というのは早計です。現在、一般に出回っている肉や乳製品は、抗生物質や成長ホルモン投与など、人体に悪影響を及ぼすものが、いろいろ加えられています。

そもそも、ビタミンB12 というのは微生物によって合成されます。昔は、野菜についた土や水に微生物(とビタミンB12)が付着していて、それを食べることでビタミンB12 が補えていました。

ですが、現代の先進諸国においては、野菜の土はきれいに洗浄され、水も浄化されています。したがって、ふだんの食事で、野菜とともにビタミンB12を摂取することができなくなりました(その代わり、コレラなどは減りました)。

そういうわけで、プラント・ベースの食生活だと、ビタミンB12 はサプリで摂る必要があります。ただし、微量でいいです。

自然の食材を使うことがミニマルな生活につながる

ビタミンB12 のサプリは必要ですが、それ以外のサプリはWFPB には不要だと言っていいと思います。ただ、私は子供の頃から(プラント・ベースの食生活にするずっと前から)歯があまり丈夫でないので、ビタミンD3 のサプリもたまにとっています。でも、あまりサプリに頼りたくないので、この2種類だけにとどめています。

植物性食品中心にしてから、体調がすごく良くなりました。あと、WFPB の食事は、満腹感があるわりには、肉食や加工食品に比べるとカロリーが低いので、ダイエットにもおすすめめです。

私はいつも、日曜日に1週間分の食料品の買い出しにいくのですが、買い出しに行く直前の日曜の朝は、パントリーも冷蔵庫も、ほぼカラになっています。また、箱や器など、「パッケージ」に入ったものを買わないので、出るゴミが減りました。

自然の野菜や果物って色があざやかですよね。紫キャベツとかパプリカとか感動ものです。

買い物から帰ってきて、そうした野菜や果物をパントリーや冷蔵庫に収めるとき、つくづく豊かさを実感できます。