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暑い日の日記

久しぶりに自分のためのおしゃれをした。
おしゃれと言っても、華やかなドレスやアクセサリー、ハイブランドの服を身に纏ったわけではない。
着ていると「夏だね」と必ず言われる総柄のシャツに、気に入っているユニクロのジーンズ、この夏買ったフラットサンダルといういかにも庶民的な服装だ。

私にとっての自分のためのおしゃれというのは、身支度の先に恋人とのデートや友人との食事を待たない、誰にも見せることのない日に時間をかけて身繕いをすることである。
普段とは違うアイシャドーの重ね方をしてみたり、髪にアイロンを通してまとめたり、そんな些細な差でも大分気分が変わる。

最近髪が伸びてきて、なにもしないときのこのように膨らんでしまう。どうにかしたいと思い今日はハーフアップにしてみた。
ハーフアップにすると顔の輪郭を拾ってしまい丸みがあらわになるとともに、うなじの毛が浮きやすいためどうにも決まらない。
さらに言えば、妙に母に似る(ような気がする。歳を重ねるにつれ、ふとした瞬間自分の顔に母の面影を認めることが増えた)。
そんな苦手意識の強いハーフアップだが、頬骨のあたりを髪で隠すとややましになることに気がついたので、今日はそれだ。ワックスを揉み込み、浮きやすい襟足もまとめる。どれだけ時間をかけてもどうせすぐ乱れるし、マスクをしてしまえば全て台無しになってしまう。でも、時間をかけたという事実が大切なこともある。

今日も猛暑だ。
窓から見える空と日差しがそれを物語っている。
引きこもっていればいいものを、大きな書店へ出かけるためにいそいそと支度する。
誰にも会わない休日。

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