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水辺で遊ぶ鴨を眺めて

日々、生活に追われている。

朝起きて、お腹を満たすだけのお弁当を作って、電車に揺られて、仕事をして、帰って家事をして、早々に眠る。

そんな毎日を繰り返していると、ついつい生活の中の楽しみを忘れ、鬱々とした気持ちを背後に忍び寄らせてしまう。

ただ時々はっとして、自分のご機嫌をとろうと焦り出す。

幸いなことに、私は比較的自分の機嫌をとることが得意な方だと思っている。
風を浴びること、自然の音を聞き何もしないこと、コーヒーを飲むこと、自然体で楽しんでいる人々をみること。
たいていこれで気分は晴れる。単純でありがたい。

先日井の頭公園にはじめて出かけた。
日曜ももう日が陰り始めた18時ごろ。穏やかな風がふき、大人も子供もこれ幸いにと遊んでいる。私は今はやりのタピオカドリンクを飲みながら散歩していたが、公園内にはアルコール片手に語らう人がたくさんいた。蝉の鳴く声と人の笑う声が混ざり合い、イヤホンで音楽を聴いているのがとてももったいなく思え、早々に外した。
心が凪ぎ、自然と表情が明るくなるのがわかった。

こんな休日を過ごせるうちは、東京という街に住み続けたいとしみじみ思った。

その日の夜、最寄りの駅で夏祭りが行われていた。人混みの中、ふらふらと出店をのぞきお酒を一杯だけ買って、ちびちびと舐めながら歩いた。
きっと私の後ろ姿は、ひとりの寂しさなどなく、自由で楽しげだ。

#日記 #日常 #休日 #エッセイ #東京

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