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おっさんずラブリターンズ#5 春田と牧が家族になるということ -前半振り返り-

部長の「説明キボンヌ〜」からの大乱闘、さすが瑠東回。
まあ、瑠東監督しかこんなことやりませんよね。
乱闘シーンが苦手な方は、解説放送版で聞いてみて欲しい。
無秩序に見えて、みんな色んなこと考えて行動しているのがわかるので。

解説放送版といえば、陶芸ゴーストシーンの解説がこれまた官能小説ばりの解説になっているので、第5話はTverの解説放送版がおすすめです。

5話は小休止回と言いますか、ストーリー自体は大きく動いていないので、折り返し地点に立って前半を振り返ってみようかなと思います。




”男同士”は問題にしない

リターンズでは、一度も”男同士だから”とか”男同士なのに”とかいう表現が出てきていないのに気づきましたか?
2話の感想でも書いたのですが、5話まで見ても、”男同士”っていうワードは一切出てきていないと思う。
蝶子さんが、和泉と菊様について説明するときにも
「年の差カップルだったりして〜♡」
と、言ってます。
「同性カップル」ってところは、もう特別視していない。

シーズン1で、春田と牧の恋愛のハードルは、間違いなく”同性間の恋愛”であることでした。
リターンズでは、そこはもうハードルとしては扱っていないんですよね。

5年前に比べて世間的な見方って、だいぶ寛容になってきました。
とはいえ、本当の意味でハードルがなくなったわけではない。
むしろ、制度的には異性婚と比べ物にならないハードルがあるし、まだまだ偏見もあるでしょう。
でも、
このドラマにとって大事なのは、”世間が彼らの関係を気にするか”ではなく
牧凌太が自分たちの関係を気にするかなのではないかと思うのです。

”自分と一緒にいると春田さんは幸せになれない”
"春田さんにとって自分は恥ずかしい存在”
”欠陥だらけですよ”
世間からの期待とか、みられ方とかを気にしちゃうのは、他でもない牧。
リターンズでは、5年の時を経て、牧がその囚われから解放されたんだな、と随所から感じられます。

その囚われを解いたのは、間違いなく春田なんだなぁと確信する、春田の牧スキスキ愛情行動
”人に見られたらどうすんだよ”って言ってたの誰ですかってぐらい、
ちょっとは人目気にしろよ!って言いたくなるほどに、大好きアピールをする春田。
本能レベル、細胞レベルで、牧のことが大好きなんだね。くんくんしちゃうのも、もう生理的レベルで愛しちゃってるからよね。
(そう思わせる、田中圭の演技。スタオベ)

春田の中に、男同士ということについて、ちょっとでも疑問や揺らぎがあったなら、牧はたちまち以前のメンタルに逆戻りだったと思う。
つまり、牧がシンガポールに行ってからも、春田は不器用ながらも、相当献身的に牧LOVEを伝えてたと思う。
牧からは、”愛されてる”っていう安心感と信頼感があふれちゃってるもんね。
(そう思わせる、林遣都の演技。スタオベ)

加えてぜひ言わせていただきたいのは、
牧のマインドを変えたもう一人の人物は、黒澤武蔵だろうということ。
春田への愛を躊躇なく叫ぶ”黒澤武蔵”
愛する人に全力で愛を伝えていいんだって、全身全霊で体現した武蔵の影響、受けないはずがない。
(だからこそ、武蔵とだけは、ガチ喧嘩できるのだと思う)


家族になるとは どういうことでしょうか?



この、春田の疑問がリターンズのテーマになっているようです。

ド派手にいろんな要素が詰め込まれているので見失いますが、実は、愚直に毎話コツコツと”家族になるとは?”に対するアンサーを積み上げてます。

私たちが見ているのは、春田と牧の恋の先にある、本当の「家族」になる物語なんだろうな。

1話 結婚生活・一緒に暮らすことのハードル
2話 家族に紹介・嫁姑問題
3話 パートナーに秘密を打ち明けるか
4話 パートナーの家族と家族になれるか・介護問題
5話 新婚旅行

特に、自分的には1話は大事な回だったと思うのです。
春田と牧の同居って、結婚前からあったわけで、今回初めてではありません。
なのに、フウフという関係になって暮らし始めると、同棲していたころとは違う問題が出てくる。関係性がちょっと変わっただけなのに、マインドまで変わるってどういうことなんだろう。

同居していた頃は、牧はただの同居人だったからこそ、”家事担当は牧”という役割分担がスムーズにできていたんですよね。
結婚したふたりは”対等”になり、当然役割も変化する。

このマインドチェンジしている牧と、恋人同士気分の春田とのギャップの話が1話だったと思います。

結婚届を出すとか、法的に認められるとか、形のある結婚ではないだけに、恋人からフウフへの移行って難しいと思うのですよ。本人たちも、見ている私たちも。
でも、牧が掃除機投げ捨ててブチギレてくれたことで、同居人だった関係が明確にリセットされて、ふたりの結婚生活の幕が開いた。
すごく良くできた初回だな、と思いました。

恋人甘々に逃げずに、ふたりをちゃんとフウフにしてくれたことが嬉しかったです。


後半展開どうなるか?

さて、ここから後半どう展開していくのでしょうか。
公安ずラブとか色々枝葉はあるものの、”家族になること”を軸に進むとは思うのです。
しかし、毎回言うんだけど、緩急が際立つ徳尾脚本にしては、ここまで優しい展開だから、どこかで落とされるんじゃないかと、常に疑心暗鬼w

6話では、結婚式とマリッジブルーをやるもよう。


6話で…結婚式……Waa…SHOCK!
あたしゃ、びっくりしたよ…
だって、すったもんだあった末、最終話で大団円の結婚式!だと思っていたから。
結婚式のその先をやるんだね。
つまり、結婚式=ハッピーで終わらないってことだよね。
さすがだ、さすがだよ、おっさんずラブ。

おとぎ話なら”結婚しましたとさ。めでたしめでたし”で終わるけれど、リアルはそこから始まりますからね。
それはわかる、わかるけれど…
みんなが望んでいた春田と牧の結婚式ですから。
そこは、200%の祝福ができる、頭の先から足の先までハッピーなバレンタインウエディングであってほしいと願っています。
(この疑心暗鬼っぷりwほんとS1の6話はトラウマですからw)

その先、二人が本当の家族になるために、どんなことが待ち受けているのか。
もしかして子どもを持つとか…そういうところも扱っちゃうのかな…とか
ひょっとして、離婚危機とか…
恋が愛にかわり、愛が情愛に…そこまでやってくれたら嬉しいけれど、だったらいっそふたりがおじいちゃんになるまで続けませんか?
(あ、いかん。私が生きとらんわ…笑)

ふたりが本当の家族になるために、もっと試練はありそうだけれど、最後は最高にハッピーなエンディングが待っていると信じています。

劇場版パターンは、心がもたなそうなので。
願わくば繋がれたふたりの手が解かれることがありませんように
最高のイチャコラで終わっていただきたい。

(今からロスが怖いです)


結婚式に行ってまいりました第6話は感想はこちら

あっさりなようでちゃんとカミングアウトをやってくれたと思う第2話感想はこちら

これまでの感想はこちら

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