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泣き腫らした後に鏡をみたら涙袋が爆誕していてクソ可愛かった


台風2号が日本列島を襲う中、夜の23時に1時間かかるセフレの家まで行った女はわたしです。こんばんは。

彼の最寄り駅のロータリーで雨量に絶望し、ワンチャン迎えに来てくれないかなと淡い希望を持ちながら「お家行くね」とLINEする。脳内で完成されきっていた「気をつけておいでね」「待ってるよ」も打ち砕かれ「☺️」この顔文字だけが返ってきた。はいはーい。

酔っ払った勢いで「金曜日あえないかな」と送ったら「金曜日はだめだあ」と翌日朝6時に返信が来た。「また連絡するね」って返したら送信取り消しと共に「金曜日大丈夫かも」って返信。これがダメだった。予定を調整してまで会ってくれるなんて、私のことが好きすぎるじゃないかと勘違いぽけぽけ女が爆誕してしまったのである。


残業中になんども東京都の天気予報とにらめっこした。21時~23時の雨量レベル、7。大雨洪水警報が出ていた。

こんな雨の中会いに行くなんて、気持ち悪い女だと思われちゃうかも、とか悩みながら、数日前の彼とのLINEを見返す。予定を合わせてもらったゆえに、行かないなんて言えなかった。


彼の家に着いた時にはスラックスの裾が濡れてしまっていた。そんな事はどうでもいい。もうこのマンションに、大好きな顔面の男がいるんだから。彼の部屋番号がわたしの自宅の番号と同じだったことにも、運命を感じてしまっている自分がいた。

「この雨だから来ないかと思ってた」
すみませんね、気持ち悪くて。


部屋に入った時の空気感で、だいたい分かってしまう。あー今日はあんまり良くない日かもしれない。

気分屋の彼は、頭がクラクラするくらいあまあまな時と、わたしの隠しているメンヘラ成分が指の先の血管まで行き渡るくらい私を適当にあしらう時の差が激しい。

前者の時は「かわいい」も「好き」も「会いたかった」も沢山言って、私を後ろから抱きしめては頭を撫で、風呂にバブを入れて「ゆっくり休みなさい」とか言うのである。後者の時は最悪だ。「かわいい」も「好き」も無いし、無言でずっとスマホをいじっているし、朝起きたら別室でテレビを見ている。誰だよお前。

空気を読みに読みまくるわたしは、後者の彼をそっとしておく。別室に乗り込むことも、ベタベタすることも、「また会いに来るね」も言わない。自分の感情を押し殺して、彼の感情を優先する。

一種のギャンブル。あまあまだったらアドレナリンが吹き出して、なんでも出来るような気がする。やっぱり彼だ!と脳内でオークション開催。カランカラーン!みそさん!落札!

書いててバカだなと自覚してるし、みなさん馬鹿だなと感じているかと思いますが、脳というものは1度バグると理性や理論ではどうにも出来ないのです。好きという感情はそう簡単には打ち消せないのです。

数年前も同じような過ちを犯していた時期があった。その男は今の男よりももっと、より所謂セックスフレンドで、1ヶ月に1回会えるかと思えば2時間で消えていっていた。しまいには当時大学生のわたしにホテル代を請求してきましてそれはそれは「はよ会うのやめな」と思う男でした。ただ当時は頭が正常な判断が出来ない状態だったので「顔が死ぬほど良い陽キャマッチョ」という事実だけで10ヶ月位は続いた。今書いてて思ったけど、1ヶ月に1回の2時間を10ヶ月って、凝縮したら1日にも満たないんですね。思い出の男♡みたいになってたけど全然会ってないやん。あほ。

彼から抜け出したい思いでわたしはtinderを初め、今のセフレお兄さんに出会ってしまったわけです。初めて電話した日、深夜に泣きながらマッチョ男の話をするわたしに「好きなんだね」「そんなやつやめなよ」「俺といた方が絶対楽しいよ」と最初からあめ〜〜〜言葉をかけて来たわけです。これで会いに行ったらいい匂いのドSお兄さんが首を傾げて「(わたしが大好きな高橋一生に)どう?似てるかな」とか言い出すわけです。すげえ似てるわけです。ラブソースイートが流れましたよそりゃあ。

初めてキスされそうになったとき、(あ、また同じこと繰り返しちゃう)って直感が働いて顔を避けました。感情が爆発して泣いた。泣いている私を見て彼は「泣き虫なんだね」って笑ってた。

クズは最初だけ連絡がマメ、とはいいますが彼はまさにそんな男でした。初めて会った翌週には誰が好きなんみたいな底辺YouTuberのリンクとともに「次はいつ会えるかな」ってLINEが来ていたし、会う予定の前日にLINEが来て「電話できる?今からでも会いたいんだけど」とか少女漫画?みたいな展開をぶちかましていました。「普通にご飯食べて、コーヒー飲むだけで楽しいよ。セックスしなくても大丈夫だから出来ない日でも遊ぼうね。」って言っていました。

放置していれば「そろそろ会いたい」と来る連絡は気づいた時には来なくなっていて、今はわたしがタイミングをみて「会えないかな」と連絡をします。寂しいなと思いながら「いつでもLINEしてね」「連絡待ってるよ」とかちゃんと餌やりをするんだからこいつは許せません。


話は逸れましたが、今回は冷たいモードだったのでメンヘラが爆誕しました。そういう関係じゃないんだけど、と前置きがあったにしろほかの女の話をし始めるんだから最悪でした。しかも元気が中途半端で途中で終わっちゃったからもっと最悪でした。そういう病気で時々薬を飲んでる時もあったのは知ってたけど(加齢おじさんすぎる)あー私のせいかなとか思ってしまうからもっともっと最悪でした。

家に帰って意味がわからない感情に苛まれて、泣き腫らしました。ひとしきり泣いて鏡を見たら涙袋が爆誕していて、かわいい顔面が映っていました。かわいい。かわいいって、今日もね、言って欲しかったよ。

ここまで書いてこりゃ好きだろーって思うけど彼に対する気持ちが恋愛なのか性愛なのかよく分かってません。彼と付き合いたくはないけど私だけになりたいし、でも会ったらセックスしたいし、未遂になったら不満でしょうがない。セックス抜きにした彼が好きかと言われると、胸を張って「好き!」とは言えない。会ったら(早く家行きてぇな〜存在がエロすぎるな〜)とか思いながらトンカツを食ってるんだから。性的な好きを恋愛的な好きに重ねてる気もするし、でも病むから恋愛的な好きなのか?って思ったりもする。わかんない。分かんないけど、まだ一緒にいたい。好きやん。

早く抜け出しなと頭で分かっていても脳は制御出来ないから無駄です。マッチョから抜け出したわたしはわかります。死ぬほど好きでも、頭がバグってても、いつかパッとどうでも良くなる日が急に来ます。しょうもねぇーと思える日が来ます。だから私は今日も、叶わない思いを抱えながら涙袋を爆誕させるんです。今は苦しいけど、これしかない。苦しんで苦しんで、楽になれるときをじっと待つ。それでいいんです。今すぐ幸せになれなくても、いつかそんな時もあったなーって元気になれる日がくる、と信じたい(自信無くなった)。

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