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宇宙船地球号

宇宙船地球号とは、地球上の資源の有限性や、資源の適切な使用について語るため、地球を閉じた宇宙船にたとえてバックミンスター・フラーが提唱した概念・世界観です。また「伝統的な経済学は一部に過ぎない」と考えたケネス・E・ボールディング(イギリス出身のアメリカの経済学者)は経済学にこの概念を導入しました。

宇宙船地球号の概念のピース、つまりチームワークに欠かせない能力ひとつに規律性があります。約束を守ることの外に「自律性」も含まれます。日本の従来型だと「手伝いあう」状態のことであり、アメリカだと「手伝わない」状態のことです。同じ言葉なのに全く逆になるのがおもしろいですね。

手伝わないけど繋がっているのが、個人に依存しない宇宙船地球号、一人一宇宙なんだ。

手伝わない理由は、
①手伝われることによって、本人の能力として不足する知識と経験とが上司に理解されず、教育の追加が行なわれない。
②本人もそのまま能力不足が続く
③手伝ったほうは本来、休息または次の作業のいずれかをサボったことになってしまう
という三つのマイナスが生まれてくるからです。

分業には、決まりがあり、分業をどうするのがよいかは、チェーンストア経営の先進国であるアメリカではすでに一世紀を超す長い歳月にわたって、経験法則が完成しています。

この点も踏まえて、今後を考えると「宇宙人基礎力」とした方が良いかも知れない、経産省が打ち出した「社会人基礎力=3つの能力、12の要素」と併せて考えます。

宇宙人基礎力」あるいは「社会人基礎力」3つの能力、12の要素とは、次の図です。

「前に踏み出す力」と3つの要素


①主体性②働きかけ力③実行力


「考え抜く力」と3つの要素


①主体性②働きかけ力③実行力

「チームで働く力」と6つの要素


①発信力②傾聴力③柔軟性④情況把握力⑤規律性⑥ストレスコントロール力

多様な6つの能力要素ですが、チームワークの創出と維持にはそれぞれ欠かせない要素です。

  • 発信力:自分の意見をわかりやすく伝える力

  • 傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く力

  • 柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力

  • 情況把握力:自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力

  • 規律性:社会のルールや人との約束を守る力

  • ストレスコントロール力:ストレスの発生源に対応する力


スキルとして習得しやすい「発信力」と「傾聴力」

「発信力」と「傾聴力」は、トレーニングをすることでスキルとして身につけやすい能力です。そのため、教育研修のテーマとしては“定番”でもあります。「分かりやすく伝える方法」や、「意見を丁寧に聴く方法」は、身につけている人とそうでない人との差が顕著に現れます。

先輩や上司とのコミュニケーションはもちろん、後輩の指導などにも欠かせないスキルです。また、メールや提案書、プレゼンテーションや商談など、「伝える」「聴く」といった能力は実際の“会話”にとどまりません。

柔軟性・情況把握力・規律性

  • 『チームで働く力』をデザインするのは楽しいことです。チームワークで大切なのは、『私はOK、あなたもOK(自他肯定)』のスタイルです。自己否定も他者否定も自他否定もチームで働く上で害になるスタイルです。チームワークの柱である柔軟性は、人と人が共働、協働する際に問われる力です。チームワークの場合には、自分が思った通りにコトが進むのは稀です。無為に仲良しプレイーに走らず、価値観や方向性、事実や物事に対する解釈の異なった人の意見を尊重し受け入れ、『私はOK、あなたもOK』のライフスタイルを貫き、適切な対応、打開策がとれる力が柔軟性です。

    これにはキャリアを重ねても終わりのない具体的なコミュニケーションのスキルアップが欠かせません、その骨格には、人それぞれの境遇を重んじる心が欠かせません。

    10人いたら10人の人生を生きるのですからチームワークは面白いのです。人生の見えないチームワークなんて無味乾燥のクソです。また、予期せぬ出来事や状況把握力・状況への対応力、規律性もこの柔軟性の根本に含まれます。

  • チームで働く力(チームワーク)には、発信力・傾聴力、柔軟性、情況把握力・規律性、ストレスコントロール力の6つの能力が必要ですが、チームワークの定義は日米では真逆です。

    分業をどうするのがよいかは、チェーンストア経営の一世紀を超す長い歳月で、すでに経験則で明らかになっている決まりがあります。しかし忘れてならないのは人それぞれの境遇を重んじて、それぞれは拠って立つチームにすることです。チームワーク(=宇宙船地球号)にはチームを構成するヒトの人生を抜きにして語れません。

ストレスコントロール力

ストレスコントロール力は、社会人基礎力では「ストレスの発生源に対応する力」と定義されていますが、対応とは、ストレスの発生源を“消し去る”といった意味ではなく、コントロール、すなわち“自己管理”する能力になります。

行動例では、「ストレスを感じることがあっても、成長の機会だとポジティブに捉えて肩の力を抜いて対応する」と紹介されています。

ストレスコントロールの手法は多様ですが、どれもストレスの発生源に対する自分の見方や受け取り方、そしてマインドトークを変えることで、コントロール力を身につけようという考え方が根底にあります。

具体的な方法は、「レジリエンス」「コーピング」「マインドフルネス」「リフレーミング」といったテーマの書籍や研修で学ぶことができます。
ここでは、代表的な「レジリエンス」についてご紹介します。

ストレス対処スキル/レジリエンス

レジリエンス(Resilience)の意味は、ストレスの圧力を“跳ね返す”力です。 回復力や復元力とも訳されますが、ストレスという力で“折れる”ことなく、上手に付き合っていくための力です。レジリエンスを高めることで、ストレスに直面しても、集中力や生産性を保ちながら対応できるようになります。

跳ね返す力が弱いと自律神経の乱れから、ひどい場合には「死に至る病」に至ります。では、跳ね返す力の源泉とも言える「前に踏み出す力」「考え抜く力」を見ていくことにします。レジリエンスの6つの要素にもなり得る「前に踏み出す力」「考え抜く力」はストレスの源泉でもあり、コーピングでもあるからです。毒を持って毒を制するタフさこそ宇宙船地球号のポリシーです。

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