「中級天使クロエに、罰として100年間の…」

大天使アリエル様はにっこりと私にそう告げた。私の罰は『時間調律』で、神々が刻んだ時のズレをこの神様時計で調整する。ゼンマイを巻く際に生じる僅かなズレなどがソレ。

時のズレは大きいと、人間界に厄災をもたらす。軍神アレス様なら戦争、海洋神ポセイドン様なら地震や津波、大地の女神デメテル様なら飢饉と言ったところだろう。

正直、こんな高機能な時計があるなら、神々が管理される時計も変えたらいいのにと思ったが、罰期間が伸びそうなので進言をやめた。

「何か不服かな？」

「いいえ、何も」

時間調律を始めてから十数年後、軍神アレス様の時計に大きなズレが生じた。人間界の西暦1940年あたりか。同じ様に光明神アポロン様の時計に大きなズレの前兆があったのは西暦1999年。

私は前回の過ちを繰り返さぬ様に調整したが、何やら今回は違うらしい…

「あぁ、ノストラダムスへの神託が…」

「ノストラダムス？　誰それ？」

410文字
ショートショートに纏めるにはちょとボリュームが大きすぎました(ó﹏ò｡)💦💦