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大自然に憧れ北海道を訪れ、森や山、野性動物により近い場所を求め阿寒湖に到りました。そこ…

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大自然に憧れ北海道を訪れ、森や山、野性動物により近い場所を求め阿寒湖に到りました。そこで出会ったアイヌ文様と木彫に魅せられ、彫刻刀を相棒にすることとなりました。 阿寒湖には多くの素晴らしい作家があり、見事な木彫品が集まります。その環境に揉まれながら切磋琢磨を楽しんでいます。

最近の記事

「阿寒の森間伐材アート展」のお礼と感想

今回は1ヶ月遅れの「阿寒の森間伐材アート展 」の感想とお礼を綴りたいと思います。 昨年末、第5回の「阿寒の森間伐材アート展」を無事終了することが出来ました。今回は600人以上の方にご来場いただき、阿寒湖の自然保護の一端とその思いに共感する作家の作品を楽しんでいただくことが出来ました。お忙しい中ご来場いただいた皆さまには本当にありがとうございました。また今年からは活動への協賛もお願いしたのですが、多くの方に力を貸していただける結果となり、一同大変感謝しております。(活動への協

    • 2024年 今年もやりたいことがいっぱい!

      久しぶりの投稿、呆けているうちに年をまたいでしまいました。 毎年のことですが12月の「阿寒の森間伐材アート展」にエネルギーをかけすぎるので、それが終わると反動で一気に力が抜けます。その間お店の大掃除をしたり、貯めこんだ事務的なことをやったりして過ごします。一年で一番頭もからだも動いていない時期なので、この時期の私に重たい話を持ち込んでもほとんど上の空です。 しかし、そろそろ呆けてばかりもいられないので頑張っていこうと思います。 さて、今年の私の指針は「発展」です。4年前

      • スポンサー探しは甘くない

        今日は前回の結果発表のような回になります。 10月21日に釧路市観光国際交流センターで開催された「地域クラウド交流会(と同時に開催する「ちいクラEXPO2023」)」に阿寒の森間伐材アート展として展示をしてきました。 このイベントに参加する目的は①12月に開催する「阿寒の森間伐材アート展釧路」の宣伝、②そのスポンサー探しでした(詳細は是非ひとつ前の投稿をご覧ください)。 で、その結果ですが、①についてはそれなりに手応えはあったと思います。展示に興味を持ってくださる方は多く

        • 地域クラウド交流会で作品展示をします!

          明日、釧路市観光国際交流センターで開催される「地域クラウド交流会(と同時に開催する「ちいクラEXPO2023」)」に阿寒の森間伐材アート展として展示をさせていただけることになり、今日はその搬入に行ってきました。 どちらかと言えばビジネス系のイベントっぽくて、照明なんかがしっかりしているわけでもないのでアート展という雰囲気ではありません。では、なぜわざわざ参加するのか?そこにはもちろん理由があります! 今回このイベントに参加する理由は2つです。 1つは12月に私たちが開催

        「阿寒の森間伐材アート展」のお礼と感想

          体調管理って大切

          ご存じの方もあると思いますが、阿寒湖では毎年10月に「まりも祭り」というお祭りがあります。阿寒湖のアイヌにとってはとても重要で盛大なお祭りなので、アイヌコタン総出で何日も前から準備をはじめ、儀式のある2日間はそれこそ大忙しとなります。 もちろん私もこれに参加する…はずだったのですが、今年はあろうことか大切な本番2日前に風邪をひいてしまい、そのまま本番も欠席することになりました。私自身は全然下っ端なので、私がいないことで困ることは何もないのでしょうが、それでも同じパートの方々

          体調管理って大切

          我がアトリエ、実践工房アシリ

          インスタを見ていただいている方には一足先に紹介させていただいていますが、私が仕事をしている店舗兼工房である「実践工房アシリ」のインスタがスタートしました(https://www.instagram.com/jissenkobo/)。ストーリーズのリンクを辿り、すでにご覧になった方、フォローしてくださった方もたくさんあり、皆さんには大変感謝しています。ありがとうございます! せっかくの機会なので、今日はお店のことを紹介させていただきます。 ご存じの方も多いと思いますが、私が

          我がアトリエ、実践工房アシリ

          なぜ私が阿寒の森間伐材アート展に力をいれるのか

          前回は阿寒の森の間伐材の取り組みのストーリーを紹介しました。私の拙い文章でどこまでお伝えできていたか心許ないところではありますが、そこは読み手の皆さんの想像力に力を借りたいと思います。 そしてそのストーリーこそが私とっての阿寒の森間伐材アート展をやるメリットです。 ここからはブラック岡田(通称:B岡)な部分なのですが、このストーリーは企業的にも自治体的にもとても美しいわけです。つまり、協力しやすいということです。 阿寒の森間伐材アート展を開催するに当たり、まず協力の手を挙

          なぜ私が阿寒の森間伐材アート展に力をいれるのか

          阿寒の森の間伐材のストーリー

          前回のままだとちょっとかっこ良すぎるので(そこの思いに嘘はないんですよ)、阿寒の森間伐材アート展による私自身のメリットについても白状しておこうと思います。ちょっと長くなりそうなので2回に分けようと思います。皆さんめげずにお付き合いください。 その第1部がストーリーです。 阿寒の森間伐材アート展にはとても素晴らしいストーリーがあります。 以前にも書きましたが、「阿寒の森間伐材アート展」は阿寒湖周辺の間伐材を使い、阿寒湖の作家が制作した作品の展示会です。そのバックボーンとして前

          阿寒の森の間伐材のストーリー

          阿寒の森の間伐材の取り組みの意義

          前回の投稿の続きのような内容になりますが、私がなぜ阿寒の森間伐材アート展を含め、間伐材の取り組みに力を入れているのかをお話ししておきます。 間伐材の取り組みは私たち作家にとって3つのメリットがあります。1つ目は「木材の調達ができる」、2つ目は「作家のコミュニティができる」、3つ目は「作品の発表の場ができる」ことです。 「木材の調達」でいうと、現在彫刻材として使いやすい広葉樹を扱っている木材屋さんは少なく、私は阿寒湖から100km以上離れた厚岸の木材屋さんから多くの材料を買

          阿寒の森の間伐材の取り組みの意義

          阿寒湖の木彫りの現状

          阿寒湖には木彫りの作家がたくさんいます。店頭に出ている人間だけでも十数人か、もっといるかもしれません。こんなに多くの作り手がまとまって生活している土地は北海道広しと言えど阿寒湖だけです。おそらく全国でも有数なのではないでしょうか。 しかし、そんな阿寒湖でも昔に比べると随分と作家の数は減っているそうです。これは親方調べ(親方と呑むと昔はもっとたくさんの職人がいたんだと言う話がよく出てきます)なので確証は取れていませんが、まず間違ってないだろうと思っています。毎日挨拶する新聞屋

          阿寒湖の木彫りの現状

          シャガールに木版画を学ぶ

          先日娘と一緒に釧路市芸術館で開催されていた「ヨーロッパ近代絵画の巨匠たち」を見に行ってきました。モネ、ルノワール、セザンヌ、ピカソ等々、絵画に詳しいわけでない私でも知っている巨匠たちの絵画などが釧路に来ているということで珍しく足を運びました。 19世紀~20世紀の頃の美術は写実からより自由な(個性的な)表現に変わっていった時代なのでどの作品も見ていて「面白い」という表現が似合う作品ばかりで「こんな表現の仕方もいいよね~」などと感心しながら見てきました。 中でも特に私に刺さ

          シャガールに木版画を学ぶ

          感動を表現する作家

          私のインスタを長く見てくださっている方はもうお気づきだと思いますが、私の作品はその多くが模様と動物です。なぜかと言えば「それが好きだから」なのですが、今日はその好きをもう少し分解してみたいと思います。 私が特に動物が好きになったのは北海道に来てからです。北海道、特に道東ではいたるところで野生動物と遭遇します。ベタな話ですが、初めてキタキツネを見たときにはその場に何分いたかわからないし、エゾシカを見つけて車を止めました(本州から来た人間なんてこんなもの)。現在住んでいる阿寒湖

          感動を表現する作家

          第5回阿寒の森間伐材アート展開催決定

          前回「阿寒の森間伐材アート展」の話が出たので今日はその概要と宣伝をさせてください。 「阿寒の森間伐材アート展」は阿寒湖周辺の間伐材を使い、阿寒湖の作家が制作した作品の展示会です。こう言うと地元の木で地元の作家が作ってる美しくもよくありそうなお話に聞こえます。しかし、ここ阿寒湖は国立公園のど真ん中、そんな簡単な話ではありません。 ご存じの方も多いのではないかと思いますが、国立公園では勝手に木を伐ることはできません。もちろん私有地でもそれは同じですが、了承を得るハードルがものす

          第5回阿寒の森間伐材アート展開催決定

          大作を作れる喜び

          インスタにも載せたこの作品は2020年の阿寒の森間伐材アート展に出展した作品を見たお客様からオーダーをいただき彫ったものです。長さが85㎝あるので、まあまあ大きいサイズの作品です。土台となる部分(キハダの木)に深彫りとウロコ彫りでアイヌ文様をほどこし、シナの木で切り抜いた別の雰囲気のアイヌ文様を貼った作品です。この作風は、2種類の雰囲気の違うアイヌ文様の調和と木の種類で色を分けるということにチャレンジした作品でした。 2019年より阿寒の森間伐材アート展(この活動は私にとっ

          大作を作れる喜び

          森で見る木と材料になった木

          最近、林業に携わるというお客様とお話していてあらためて認識したのですが、私たち作り手が見ている木と林業をしている人達が見ている木は違います。簡単に言うと林業をしている人達が見ている木は立ち木(皆さんが景色として見ている木と同じ)で、私たち作り手が見ている木は製材された木材なのです。 これはあるあるなのですが、私たちは山に入ると木の種類がわかりません(少しは勉強してるのでわかる木もありますよ)。山では木の皮や枝振り、葉などで種類を判断します。でも、皆さんもわかると思いますが、

          森で見る木と材料になった木

          阿寒湖三大巨匠の話

          前回突然ワンピースのようなこと(海賊王に…)をしてしまいましたが、なんとも曖昧な「巨匠」という称号。私も明確に「これが巨匠」とは言えないのですが、今後ちょこちょこ私の思い描くことを書き出していきますので、そこから皆さんに感じ取っていただけると幸いです。 ちなみに、阿寒湖は過去に3人の巨匠を出しました。藤戸竹喜さん、瀧口政満さん、床ヌプリさん。勿論ですが、それぞれ作風も違い、こだわりも違う作家さんですが、どなたの作品も多くの人を魅了する素晴らしい作品です。 床さんとは残念なが

          阿寒湖三大巨匠の話