古川 和

自称作家のタダ働き。

古川 和

自称作家のタダ働き。

最近の記事

短編『牛丼屋にてベルがなる』

僕にはかつて、松屋を愛してやまない友人がいた。曰く、その”ちょうどいい”感じが、いいのだそうだ。それである日、彼行きつけの松屋に足を運ぶこととなった。なんというか常連らしいのであった。一応コンプラのこともあるから”とある牛丼屋”ということでもいいぞ、などと言っていたけど…なんのことやら。 さて、事前の彼のアドバイスは、シチュエーションとして”さっぱりした”感じ、気持ちとしては”最初だが、最後の覚悟で”ということだった。高級フレンチに行くわけでもないのにさぁ、なんだかさっぱり

    • 動物列車

      ガタンガタン ガタンガタン 電車の音が聞こえます ガタンガタン ガタンガタン 犬猫工場やって来る 人を癒やしにやって来る ガタンガタン ガタンガタン 家畜工場やって来る 人に食われにやって来る ガタンガタン ガタンガタン 

      • 貧乏人のフリをしている金持ちという設定の貧乏人

        私は正真正銘の貧乏人だけど、本当は金持ちという設定で生きている。 でも本当に金持ちで貧乏人のふりをしている人もたくさんいる。 このsns全盛時代でそんな人は少なくなったかもしれない。 でもいるかもしれない。 で私は貧乏人なんだけど本当は金持ちかもしれない。 まあどっちでもいいですね。結局のところ。 雨風しのげて、暖かくて寝るところがあって、食べるものに不自由しなければ、十分でしょ。 現代人はほぼこの要件を満たしているので凄いことです。でもそれで満足してる人は少な

        • 激鬱くん

          激落ちくんが売ってました たまに鏡を磨きます(それで) 激鬱くんは、売ってません。 誰も買わないし、そもそも商品としての需要がない、だからほしいと思わないんだぬん だけど誰もが飼っています、心のなかに(自分だけかな?) ふとした時に ポロンって出てきます。アレじゃないよ? だれも拾わないから でもどこかに落ちていれば、それは激落ちくん 落ちてないから、激鬱くん 拾って食べて、猛毒注意 わんわん

        短編『牛丼屋にてベルがなる』

          知り合い

          しってる町で知り合いに 出会ったよ だからしりあい それだけ ただ少し 知ってるだけ お尻とお尻で、出会って、ぶつかって、やり合って、そんなめんどくさい事、恥ずかしいことやったりしない、言ったりしない だから知り合いってだけ 人間ですから、合わないの いい目にも悪い目にも遭わない ってシリアの(中東の)知り合いが言ってましたとさ おわり