短編『牛丼屋にてベルがなる』
僕にはかつて、松屋を愛してやまない友人がいた。曰く、その”ちょうどいい”感じが、いいのだそうだ。それである日、彼行きつけの松屋に足を運ぶこととなった。なんというか常連らしいのであった。一応コンプラのこともあるから”とある牛丼屋”ということでもいいぞ、などと言っていたけど…なんのことやら。
さて、事前の彼のアドバイスは、シチュエーションとして”さっぱりした”感じ、気持ちとしては”最初だが、最後の覚悟で”ということだった。高級フレンチに行くわけでもないのにさぁ、なんだかさっぱり