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095.わたしの娘はかっこいい


ライティング・ライフ・プロジェクト第二期メンバーのみなさま、課題のご提出ありがとうございました!ベーシックプランの全員(提出済みの方)にフィードバックを送りましたが、届いていないという方がいたらご連絡くださいm(_ _)m。 今回は20名参加なので、まさに二十人二十色。個性を伸ばそう、なんて言葉は本当にいらないね。個性的でないひとを探す方が大変だ。*


小学生の高学年くらいからか、いじめや意地悪される経験もあったからだと思うけど、「人から好かれたい」「人に嫌われたくない」という基準値が最重要項目として自分の指針になった。

クラスの中にはきっと気の合う優しい子たちはいたんだろうけど、わたしはなぜかクラスの中でもいちばん目立ってて、ハキハキしてて活発な、人気者っぽい子たちと仲良くなりたくて、いつもそのキラキラとしたグループの誰かを気にしていた。そこに入れば、自分もキラキラできるって思っていたのかな。

そういう発言力の強い子たちに憧れていたから、その人たちから声がかかると嬉しくて、なるべく合わせるようにしていた。そんなに興味もなかったのに、がんばっておしゃれな服を買うようにしたり、うちはまあまあ厳しかったけど、その子たちが土日や夜遅くにも遊びに行ったりしているのが羨ましくて、親に反抗して出かけたりして。

ほんとうはそういうのが楽しかったからではなくて、ただ、そこに属していたかった。

その子たちは、夜遅くまで電話でおしゃべりするのも自由だったみたいで、うちにも遅い時間に電話がかかってきて、親はいやがっていた。「うちは夜9時すぎは、電話はダメ」って言われて、ものすごい反抗したのを覚えてる。

それは、わたしも大好きな友達とおしゃべりしたかったから、ではなくって、その子たちに嫌われるのが何よりも怖かったからだ。「えー、みおちゃんの家って、なんかめんどくさいんだねー。じゃあもう電話するのやめるよ〜」って言われて、仲間から外されるのが怖かったのだ。

なので、親とはぶつかって、したくもない夜の長電話につきあって、それでもここぞという大事な時にはグループには入れてもらえなかったりして(そりゃそうだと思う)、なんだかさんざんだった記憶がある。


ちょうど、今のうたちゃん(中1娘)にも、小学5年か6年くらいのとき、同じようなことがあった。だいたいうちは家族みんな21時30分には揃って寝ちゃうような家なので(厳しいっていうかヘルシー?笑)、21時過ぎによく彼女のクラスのお友達から電話がかかってきたりして、おお、なんかデジャブ?って思ったものだ。

まあ、子どもとはいえ、女の子どうしの付き合いというものもあるだろうし、よっぽど遅くなければいいか、と思って「あんまり遅くまで起きてたらダメだよ〜」くらい声をかけて放っておこう...と、リビングの電話口にいる彼女から離れようと思った。

ら、次の瞬間、こんなせりふが聞こえてきたのである。

「あ、ゆうちゃん、あのさ〜うち、パパもママも夜寝るのが早くってさ、21時過ぎのイエ電は遅すぎるんだよね。今度電話くれるときは、もっと早めにしてくれる?」

お、お、おおおお。

「あとさ、ゆうちゃん最近、コジマ(ゆうちゃんの彼氏らしい)の話ばっかりじゃん? だいたい同じ話だし、電話じゃなくていいと思うから、学校で話そうよ!じゃあね、バイバーイ⭐︎」(ガチャン!)

お、お、おおおおおお!? ちょ、ま、ちょっ....!?(絶句する俺)

「ううう、うた、うたちゃん!」
「えっ、なに?ママ」
「いや、今、電話….」
「あ、終わったよ、ごめんねー寝るとこだったのに」
「いや、それはいいんだけど…大丈夫なの?」
「?大丈夫って、なにが?」
「や、あの、お友達さ〜….けっこうあなた、はっきり言ってたから(ドギマギ)」
「ああ、ぜんぜんヘーキ!いっつもうちこんな感じだし、向こうもあっそう、って」
「へ、へー…」
「ママ、どしたの?」
「やーなんていうか…」(ふたたび絶句する俺)

なんていうか…このかっこいい女子はほんとうに俺の娘なのか?笑

いやー、オマエめちゃくちゃかっこいいな!!!
尊敬。


そういえば彼女は昔から、こういうストレートで毅然としたところがあったよな、と思った。まだ3才とかのときから、お風呂上がりにすっぱだかで悠然とバウンサーに寝っ転がってゆられながら、気ままにレーズン(好物)などをつまんで「おかわり」とか言っていた。どこの女王さまだ?と思いつつ、レーズンを差し上げたりして 笑。

いろんなことをはっきり言うので、男の子ともいつもケンカして顔に青あざいっぱい作って帰ってくるような女子だったのだ。

それにしても、わたしには言えなかったなーと思った。言えるような関係性も、ちゃんと作っていなかったもんなあ。わたしが大人になってやっと、やっと、それでもがんばって意を決してやっているようなことを、さらりとやってのけるわたしの娘、かっこいいぞ。




















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