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Cafe Carpe diem・・・eigaとongaku 9.


海辺の小さな町にある、カフェ・カルペディエムへ、ようこそ・・・。


死にゆくものへの祈り



 この映画には、若い頃の、ミッキー•ロークが主演していて、トップシーンが、爆破テロから始まり、衝撃的だったのですが、愛と贖罪がテーマの、人の世の悲しい定めと、寒さの厳しい冬の朝日の様な、確かで、僅かな希望を感じさせる、良い映画でした。


 この映画を薦めてくれた、友人から、ミッキーロークが、主演だと聞いて、何処か、彼がアウトロー的な役柄なのかと、思いきや、純粋で真面目な役柄で、真正面からの社会派ヒューマンドラマで、組織から抜けようとして、命を落としてしまう元テロリストの最期を、教会の神父様が、最後まで説得し、ついに、一緒に贖罪を祈りにより乞うシーンには、感動しました。



 人は、罪を犯すものであり、其の罪を神が許すなど、ましてや人が人によって罪を贖わせて救うなどと言うことはあり得ない、と思っていた人にとっては、考え方が、変わるくらいの、説得力ある映画でした。


 一番、印象に残ったのは、神父様の真摯で一貫した態度でした。
優しさと強さが共存する、安心感と信頼感のある、その俳優の演技の淡々として、而も、静かな信仰への情熱を感じさせる演技でした。


 神への信仰は、いうまでもなく、同時に人を信じたり、愛したりすることにも共通する、一貫した強さと優しさと情熱が必至だと思いました。


 ミッキー•ローク演じる、もとテロリスト役は、屈折した役柄としては確かにピッタリでしたが、現代では、あまり見かけないキャラではあります。


 さて、タイトル上の写真は、ハンガリーのブタペストにある、マーチャーシュ聖堂ですが、美しいステンドグラスから、丁度、冬の終わりの季節の朝日が差し込んできた瞬間です。


 その、荘厳な美しさに、正に今其処に、天使が降りて来そうな、感じがしました。


 オーストリア、ハンガリーの二国統治時代のフランツ•ヨーゼフ一世の戴冠式と皇妃エリザベートを、戴冠式のミサ曲を作曲した、リストが、この教会の、写真では、丁度反対側の2階にある、パイプオルガンの下に隠れて見ていたそうです。


 その話をしてくれた、ハンガリー人のガイドさんのご両親は、ここで結婚式を挙げられたそうで、ここで式を挙げるのは、ブダペスト市民の誇りらしいのです。


 翌日は、国会議事堂で、王冠と笏を数人の衛兵が守っているところで、拝見することが出来ました。


 ですが、あまりの素晴らしさと緊張で、どんな王冠だったか、覚えていないのです。


 聖イシュトヴァーンの王冠と呼ばれ、当時のヨーロッパの王室と地政、国家と宗教との関わりを考える機会となりました。



 話を映画に戻しますが、如何にキリスト教における、贖罪は意味が大きいのか、と言うことをこの映画を見て感じたのですが、後に訪れた、このマーチャーシュー聖堂の荘厳な朝の光のなかで、この映画の事を思い出したのでした。


 そして、この光と愛が、全ての人に、絶え間なく届いているのに、まだ、人々は、その光と愛に気付かないのか、と、言われている様な気がしたのです。


  
 本日も、お越し頂き、有難う御座いました。
またのお越しをお待ち致しております。


 其れでは、また•••”a birntot!”

                 Mio


 

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