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親不孝娘のゲーマー魂

今回は、8年前に大号泣した時の話。

無邪気な子供の頃ならともかく、大人になってからは酸いも甘いも経験しているから知っている。そして、感動して泣かせてくるようなドラマや漫画も苦手で敢えて避けているので、日常の生活の中で泣く事は滅多にない。

そんな私が、どんなシチュエーションで大号泣したのかを語っていく。

親不孝娘

そもそも、涙というのは、いつ出るものなのだろうか。

泣く時に起こりうる状況として、嬉しい時、悲しい時、怖い時、感動した時等、自分の中の感情が溢れてしまった時に出る物だと思う。

人生には号泣せざる得ないような、感情溢れる場面が必ずあると思う。今までの人生で最大の号泣ポイントと思われる出来事は、父の死だろうか。しかし、私は涙一つ零さなかった。泣かなかった理由を考えてみる。

父が亡くなった経緯を記してみる。詳しく書くと、かなりの長文になるので、箇条書きにする。

  • 亡くなる半年前に肺炎で入院していたが、その時は1か月で退院した。

  • 腎盂炎の疑いがあると軽い検査入院をしたが、その入院中に亡くなった(入院してから5日後)

  • 父が家族に頑なに隠していたと思われるが、実は肝臓、腎臓、心臓、肺、全てが限界になるほど悪化していた(外から見ただけでは分からず)

  • 母は一晩で髪が半分白くなるほど、悲しみにうちひがれて弱っていた。弟も私に甘えて何も手伝ってくれず。

  • 私が1人で準備ゼロの状態から全ての手続きや処理をせざる得なくなった。

  • 全てが終わった頃、疲れとストレスで胃腸炎になった。

傍若無人な振る舞いが多かった父を嫌っていたとはいえ、激しいDV等があった訳でもなく、絶縁するほどの事ではなかった。口では何やかんや自己中な事を言っても、早期退職とはいえ、正社員できっちり働き続けてくれた。特に裕福ではなかったが、私達家族は飢える事なく生活出来た。それに対しては感謝しかない。

だから、一連の忙しさが落ち着けば、私も普通に悲しみに暮れて泣けるのかなと思っていたが、そうはならなかった(母はしばらく泣き暮らしていた)やはり、私にとって父を亡くした事は、号泣するほど悲しくないのかもしれない。物理的な事だけは、亡くなった父の為に色々してあげられたが、心はいまいち伴っていなかったのかも。罰当たりな親不孝娘で申し訳ないとしか言いようがない。

著名人の訃報で大号泣

そんな罰当たりな親不孝娘である私が、父が亡くなった6年後にある著名人の訃報で大号泣した。

その訃報とはこちら。

私は本来なら社長の訃報で大号泣するほど、任天堂信者という訳ではないはずだった。

任天堂ゲームのプレイ歴は、惨憺たるものだ。アクション苦手な私は、「スーパーマリオブラザーズ」は、最後までクリア出来ずに投げたし、任天堂信者に勧められてプレイした「ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド」は、これまた下手な故に途中で投げてしまった。岩田社長がHAL研究所時代にプロデュースしたという「星のカービィ」は申し訳ない事に未プレイである。唯一、任天堂ブランドでプレイし続けているのは、「ファイアーエムブレム」だけだ。

それでも一応、任天堂の歴代ハードはあらかた持っている(WiiU以外は全て所持)だが、それだけで任天堂信者を名乗ったら、私にブレワイを勧めた信者に調子に乗るなと小1時間どころか、一晩かけて説教されそうだ。

私が大号泣したのは、多分、このイラスト達を見たからだ。

私を大号泣させたイラストをここに直接貼り付けたいところだが、著作権的にどうなのか分からないので、まとめサイトを貼らせてもらった。

マリオやリンクなどの任天堂が誇るキャラクター達が、泣きながら岩田社長の死を悼んでいる。もう見た瞬間から涙腺が大崩壊。気が付いたら自室で大号泣していた。

私は混乱した。これはどんな感情なんだ。私は熱烈な任天堂信者という訳ではないのに。追悼イラストを描いた方々の岩田社長への愛が溢れすぎていて、信者ですらない私の涙腺をぶっ壊したとしか思えない。

ただ事ではない。岩田社長とは生前どんな方だったのだろうと気になり、慌てて調べてみた。思った通り、ゲームに真摯に向かい合った生き様で、沢山の人から尊敬され、慕われていた。

Twitter(当時)で国内外から、岩田社長の死を悼むツイートが溢れて、#thankyouiwataというハッシュタグが生まれ、トレンドは岩田社長関連で埋まった。

追悼ツイートは、任天堂関係者からだけではなく、ライバル会社のソニーや他メーカーのゲームクリエイター、ゲーマーの著名人から届いていた。

惜しい人を亡くしたと簡単な言葉では表せないくらい悲しい。今頃、空の上で彼が発売まで見届けられなかったNintendo Switchの行く末を見守っているに違いない。

最後に

岩田社長の訃報で大号泣した翌日、職場で同僚に「目がめっちゃ腫れてる」と言われて、ゲーマーではない同僚に説明するのに苦労した。「任天堂の岩田社長が亡くなったから大号泣した」と正直に言ったら、不思議そうな顔をされた(そりゃそうか)

とりあえず、空の上にいる父は私に怒ってもいいとは思う。でも、枕元には立たないで欲しい、怖いから。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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