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シュタイナー教育④ アストラル体と自我


前回、物質体とエーテル体について書いてみました。
補足情報をまた別日に、ということで、
今回は人間本性の第3アストラル体と第4自我。


前回の説明で、物質的な体だけでは鉱物と同じ状態で、
そこにエーテル体が備わることで、
人間の身体が呼吸をし成長することができるようになる、という話をしました。
それは植物界と共有していて、この状態は、シュタイナーの著書「神秘学概論」の中で眠っている状態と言い表されています。

「鉱物素材やその働きだけでは、肉体の形態を維持することができず、そのためにはエーテル体の働きがなければならないように、エーテル体の力だけでは、みずからを意識の光に照らし出すことができず、絶えず睡眠状態に留まり続けなければならない。エーテル体は、肉体の中で、ただ肉体を維持することができるだけである。エーテル体が目覚めるのは、アストラル体の照明を受けたときである。」
(「神秘学概論」より)

第三の本性、アストラル体が備わると人間は目覚め動くようになる。
アストラル体は感情体とも呼ばれます。
私たちが喜怒哀楽を感じ、それを身体に伝えて表現することができるのはアストラル体を備えているから。そしてアストラル体は動物たちも備えていて、ここをもって動物界と共有しています。

嬉しいから飛び跳ねたくなったり、悲しいからじっと動けなくなったり、怒って地団駄を踏んだり、楽しくてスキップをしてみたり、そんな喜怒哀楽の感情は身体自身と繋がっていて、臓器などにも影響を与えています。

次に第四の本性、自我。
これはさまざまな場面で使われることもあるので、少し混同してしまう事もあると思います。なので、今まで出会ったご自身が持っている自我のイメージをクリアにしてもらって読んでみてください。

私たちは言葉を話し始めた頃を思い出してみてください。
また小さな子どもが自分のことを第三者のように
「みっくんは、みかんが好き」
「みっくん、これしたい」
などと話すのを聞いたことがあると思います。

そして成長するにつれて
「ぼく」「わたし」といつの間にか呼び名が変わります。
この「私」という第一人称。
自分のことを「私」と呼ぶとき、
自分の中に自我が目覚めた証だと言います。

「あ、私なのだ!」と気づく瞬間があるのだそうです。
私は残念ながら覚えていませんが、大体3〜5歳の頃に起こるそうです。


おかしな言い方になりますが、
自分の中で自分と私が一致する時。
その私と呼ぶ存在はどこから来ているのか。

ちょっと例え話。
火事場の馬鹿力、と言う言葉を聞いたことがあるかと思います。
いざと言う時、自分でも思いも寄らない力を発揮して、普段だったら持ち上げられないようなものを火事の時に持って走ってた、と言う意味ですよね。
また以前催眠療法で無意識状態にある人が、
厚みが15センチはある電話帳を半分に破っているのをみた事がありました。

これは自分が普段思っている以上の力を発揮しているのですが、
思い込みを外すとそんな事ができるんだと思います。

自我はそういった事と関係していると思います。

というのは、
自我はもちろん意識している方もいるのですが、
無意識の領域にいる場合、

身体と直結しているので、

勝手に体が動く時、とか、
後から考えると自分でもよくこんな事ができた、
と感じた経験がある方がいると思いますが、
そんな時は自我の力が発揮されている時と思います。

自分の感情や常識に囚われている場合じゃなくて、
もうせざるを得ない、といった感じの時、
そんな時は頭を空白にして夢中に動いている感じ。
芸術家の方が作品を作られているときもきっとそんな感じかと思います。
私たちが好きなことに没頭している時もそのような感覚になっていると思います。

少し話が逸れましたが、、汗、

自我は私たちの中にあるのですが、
普段は眠っていて、
あるいは頭を使って判断している時には潜んでいて、
ここ一番、っていうときに登場する感があります、笑。
でも普段から自我の自分を生きている方も沢山いると思います。

それから自我という存在の特徴として、
畏怖、憧れ、尊敬、そういった気持ちも挙げられます。
感情というものとは少し画する、深いところで静かに佇むような思い。

自我を持つことで人間は人間になる、というようなことを、
シュタイナー博士は言っていました。

自分の感情と理性を超えた、自分の中の存在。


今回はアストラル体と自我についてでした。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

2011年に出会った、シュタイナー教育。 ストーンと心に落ちてきて、今も静かに光っています。子ども達やおとな達の心の灯りが輝き続けるような社会はきっと目の前にある。 様々な地で生まれた叡智と、先人達が残してくれた勇気と一緒に、歩きます!