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これを読んで書きました 1

文学フリマ東京で販売する本を書くために読んだ本を紹介します。

まずは、ぼくの作品で一番売れてる「美少年に生まれたかった」から。
古典期ギリシャの少年愛がテーマで、ギリシャの資料をたくさん読んだので、巻末にも参考資料を掲載しています。

その中からいくつかnoteでも公開。
へー、こんな感じの内容書いてるんだな、と参考になればと思います。



『饗宴』
著・プラトン、訳・久保勉、岩波文庫

 愛について語るなら、読まねばならぬと思った。
 少し前にルネッサンス史を勉強しようとしたら、ソクラテスとプラトンが登場しまくってしまい「やっぱりプラトン読まなきゃダメだ」と思い知ったという経験がありました。その時に有名どころは買い揃えておいたのです。そのうち読もう、と。
 その時がついに来た。
 買ってて良かった岩波文庫。ありがとう岩波文庫。でも注釈を最後にまとめるのは勘弁してくれ、どれがどれやら分からぬ。
 内容は、ソクラテスがとある宴の席でエロース神について語るのがメイン。
 ソクラテスの前に他の参加者が語り、最後にソクラテスが絶賛されるのだが、何故かそのあとみんなのアイドル・アルキビアデスが酔っ払って登場して「ソクラテスがつれない! ぼくはこんなに美しいのに!」って絡んで、ソクラテスがのらりくらり躱すという謎痴話喧嘩を見せられる。
 プラトンが何を思ってこれを書いたのかすごく気になる。アルキビアデスはかわいいけども。
 謎痴話喧嘩のくだりはともかくとして、ぼくはソクラテスの前までの各人の主張をとても興味深く読みました。
 現代の我々が「善」だと思う人間の心理状態、偉大な神のイメージとそんなに大きな違いはないなと思います。作中で「それは違うな」って突っ込みが入ってる意見は、少なくともプラトン解釈では「なし」な意見なんだってことくらいは分かるので、当初のとっつきにくいイメージからすると、普通に読めるし結構面白かったです。
 前述の通り、註釈が巻末にまとめて掲載されているので、先にざっと註釈に目を通してから本編を読むことをおすすめします。序文も充実しているので、序文は読み飛ばさずにしっかり目を通しておいた方が理解の助けになります。
古典、怖くない。


「美少年に生まれたかった」の作品紹介を文学フリマのwebカタログにも掲載しています。
表紙イラスト:舞子様

文学フリマ東京は5/19(日)東京流通センターで開催。

第二展示場1階Eホール【く-48】「活字エンドルフィン」にてBL小説本を販売します!
無料配布の冊子も頑張って用意するので、遠慮なく冷やかしに来てくださいね!

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