金木犀

金木犀の香る時期になってきましたね。
こんばんは。皆様いかがお過ごしでしょうか?

金木犀の香りを嗅ぐと、なぜか実家の母を思い出します。

初めて金木犀の香りを嗅いだのは、小学生の時。福井県に住んでいた私ですが、それは京都市山科でのことだったかと思います。

なぜ京都だったか?
それは、小学5年生の頃から中学2年生まで、私はプロのピアニストになることを目指して京都に通っていたからです。

京都にあった、桐朋学園の子どものための音楽教室に通い始めてから、私のピアノの腕はみるみる上達していきました。そして、自分の感性と合う先生に出会い、ピアノを弾くことが本当に楽しくなりました。
その裏で、苦手な車の運転を、往復約4時間、毎週こなしてくれたのが母でした。

お金も、時間も、何もかも私のために費やしてくれた両親ですが、みんなが私の夢のために、必死で頑張ってくれている状況が徐々に重圧になり、私はピアノを辞めたいと思うようになりました。楽しくなくなってきたから。

最終的に、お金がないことを自分の中で勝手に言い訳にして、逃げるようにピアノを辞めました。

「お金はない。」

その言葉が染み付いた私は、次第にありとあらゆることに言い訳をするようになります。
お金がないから。時間がないから。自分には取り柄がないから。

そうして、周りの期待に応えたくない自分の気持ちに蓋をしました。
応えようとすると重圧で潰れてしまいそうだったから。
この一件で、私は周りの誰も信用できなくなっていました。


それが最近、ひょんなことがきっかけで、私は周囲の期待にものすごく弱いことに気づいたんです。周りの期待に弱いのは、失敗して失望させるのが怖いから。
それなら、別に初めからできる自分を演出しなくてもええやん…って、またひとつ悟りを開くことができました。

私にも当然できないことはありますから、できないなら無理って言っちゃえばいいじゃないって。

そしたら、何だかものすごくスッキリして、たくさんの愛情を受け取ることが出来たように思います。私は、ちゃんと親に愛してもらっていた、と。やっと気づくことが出来ました。

これまで遠回りして経験してきた音楽、動画編集、写真撮影・編集、そして文章。全部活用すれば、総合クリエイターにもWebマーケターにもなれることに、気づいてしまった。

だから、私は、前を向いて、全ての経験を総動員して、全力で生きやすい幸せな未来を掴みに行きます。
そして、その幸せを世界中の森林に還元したい。

初めて金木犀の香りを知った時、「これいい匂い〜」と小学生の私が言うと、母は「金木犀の匂いだね」と答えてくれました。

私は、金木犀の匂いがこの世で1番好きです。
なぜなら、ほっとするから。
そこには時を超えて今も、母からの愛情がたくさん、もう十分すぎるくらいにたっぷり詰まっています。

明日も、明後日も、家の近くに香る金木犀の匂いを浴びて、娘は頑張って生きようと思います。




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