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ネットでは手に入らないもの~営業マンの力が大事です。

仕事柄多くの営業職の方たちと会います。

職業もいろいろ。年代も若い方からご年配の方まで。会社は「モノを売って利益を得る」ということで成り立っています。面白いのは、自社製品を勉強して利点の説明はできるけれど、エンドユーザーが何を欲しいのかを理解していない営業マンが多いということです。

 商品の利点とか、素晴らしさはネット検索するとすぐにわかります。美辞麗句を並べて消費者の気持ちをいかに購買に向けるかという方向ですべからく一致しているので、本当に必要なものや本当にいいものかどうかを比べられないようにも思えます。

 エンドユーザーの声を聴けるのは営業マンだけです。どんな営業活動でもFace to Faceで仕入れる情報を大事にしないといけないのですが、ただのクレームとか世間話としかとらえていない営業マンは成長していない。大きな会社ならその知名度だけで営業ができます。でも、「商品」に関しては大手企業の商品だけが有利なものというのはありません。

 かといって「いいもの」なら売れるのか?

 確かにそういう面はありますが、まず「いいもの」なのかどうかを知ってもらう必要があります。うちの会社が提供できるサービスとか同じ商品でもうち会社ならこんなサービスが受けられるというような付加価値が大事。何故なら、同じ商品同じ価格なら提供されるサービスによって差別化されるわけです。「いいもの」なら売れるのは真実ですが、「いいもの」と認知されるまでが大変なんです。

自社製品に自信を持っていますか?と尋ねると「確かにいいと思います」と言いますが、「他社製品と比べるとお宅の商品はここがだめだよね」というと「ああ。そういう声を聞きますね・・・」と答える。

問題はそこから。

 そういう声を反映できない会社は消えてしまいました。会社に戻って検証して、ここが変わったという変化が出せる会社が生き残っている。営業マンの大切さって、そういう声を検証するための問題提起をする仕事なんです。

 ところが、問題提起しても問題として取り扱わない会社も多くあります。だから、日本の企業はダメになったんじゃないかって思う時があります。偉い人に声が届かない。組織の硬直化、現場の声を重要視しない。これが日本企業の体質。


ネットなどでも「情報商材」だったり、「マインド商材」だったりが流行っています。楽天やAmazonに代表される物販サイトは廃れることは無いでしょう。

今の時代は、会社の持つ「商品」をPRしなければ「モノ」は売れません。ネット上でPR出来ない会社はもはや生き残れないといってもいいのかもしれません。何故なら、困ったときにお金を払ってでも何とかしなければできない事が数多くあり、検索してサービスがよさそうな会社や商品のことを教えてもらい購入の検討・価格の検討をするためにネットを利用します。

 人の痒い所に手が届く「情報」を提供できる会社が生き残れるという気がしますが、ではその集客が最も大事な課題なのです。大手メーカーであればその知名度やTV・ネットなどでトップに来るように宣伝費をかけられるわけですが、中小企業の場合なかなか検索上位にくることはありません。

 先頭に来るためにどうしたらいいのか。という情報商材が溢れているのもそこが最初の関門だからです。ブログを書く。メルマガを送る。SNSを使う。基本は同じ構造ですが、どこに差別化を図るかということが有料商材になっています。でも、お金を払ってテンプレートの作り方をもらっても、そこに差別化は図れないように思います。何故なら同じテンプレを使っている画面があまりにも多く見られます。まあ、それでもお金になるのですからそれはそれですごいかなとは思いますが。

ネットを使えば元手がかからずに副業ができます。とあります。本当にそうなのか?検証したほうがいいですよね。

 同じようなやり方をして検索上位にくるのか。転売だってエンドユーザーの目に留まらなければいけません。となるとそこにはすべて有料システムがあるのです。お金を払えばうちのサイトで大きく宣伝しますというような営業も多くなりました。

 要はモノづくりと販売の間には宣伝と集客力が最初に来る課題です。多くの事業者がその集客をどうするのか、頭を悩ませていることでしょう。資金力があればTVCMを使えます。有名タレントを使い番組枠の流す時間を買う。映像制作会社を使う。TVショッピングもその時間帯を買うのです。

 ではネットでは、最初の画面にCMが出るようにする。検索ワードに合わせて自動的に張り付くように出来ているものは非常に高額です。Yahooのトップに来る宣伝は1週間700万円とか聞きました。なるほど大手企業しかできないなぁと思います。

一般の販売者にとって安価でいち早く集客する方法が、最も重要な課題になりますね。ただネットにだけ頼ってもうまくいかないのではないかと思います。

 大切なことは「何が売れているのか」を知る必要があります。ネットの中にあふれる情報から引っ張ってくる。それぞれの商材に合わせてニーズを知ることが出来ます。思うに、ネットの検索機能というのはそのワードを入れることで学習する機能があり、そこに広告が付いてくる構造になっています。このシステムが構築されたことがすごいなぁと感嘆するのですが、それでもこの世界はまだ開発の余地があるのでしょうね。
 この当たり前の理論がいろいろな専門用語で語られているわけですが、エンドユーザーが本当に知りたいことを知ろうとすると、なかなかたどり着けなかったりする。

 私はいくつか見つけたら、電話をしてコンタクトをとるようにしています。その会社の営業マンに会うことで、どういう製品かあるいはその利点、導入にあたっての経費、その他いろいろな問題点を検証して比較します。そして導入が決まったら、導入方法とメンテナンス等の担当との接点ができるのですが、ここが弱い会社もダメだと思います。

ネットでわかるのは入り口だけ。

例えば大きな会社のビルに入って、ロビーにいるようなものです。そこに必要な情報がどこに行けば発見できるのか・・・これを探すには受付嬢に尋ねるのが一番早い。つまり営業マンってそこに連れて行ってくれる人なんですね。


 いろいろな会社の営業マンと話していて、特に大学を出て数年ぐらいの若い人たちが必死だけどどこかでやめようと思っているような感じが伝わる時があります。やってることに意味を見出せないのでしょう。

 飲料水の自動販売機の補充する仕事をしているお兄さんに声を掛けました。

「朝は8時くらいから準備しているんでしょ?出ないとこの時間に商品を積んで来ることできないよね?」

「はい。そうですね。大体8時ぐらいには」

「夜も、ここに8時くらいに来ることあるよね。それから会社に帰って一日の集計をして明日の出荷準備をして帰るんでしょ?いったい何時に会社を出られるの?」

「うーん。10時ぐらいですね」

ここまで話すと、この会社は一般的にはブラック企業ですよね。勤務時間が長い。しかも重労働です。一日トラックに商品を積んで補充しているんです。彼は大学を出て2年目。やっぱりもう辞めようかって思っているといいました。

「大変だね。でもお宅の会社が今回も設置されることになったんだよ。なぜだと思う?どうしてほかの会社に勝てたと思う?」

「?なぜですかね・・・・」

「一番売れている商品の価格を他社よりも安くしたんだよ。色々な商品があって、自社製品・他社製品に限らず見極めたことと、サービスの付加価値だね。君のやってることを集計してごらんよ。エンドユーザーのニーズがわかるでしょ。マーケティングの調査を毎日やってるわけよ。その情報はみんながお金払ってもほしい情報なわけ。それをネタに会社で発言してみたら?」

しばらくしてなんとなく雰囲気の変わった彼に会った。

「新商品の見本です。試してみてください。」

「辞めちゃうの?」

「いえ、もう少しやってみます。ちょっとおもしろくなったんで。」

営業マンってあまり人気がないともいわれています。そうですね。
大変なお仕事です。ですが、世の中には楽してお金儲けっていうこともできるようですが、ほとんどの人はそういうことはできていません。


 仕事に生きがいや楽しさがありますか?


 ここがポイントですよね。楽しさってどういうことなのか。まっさらの大学生にとっては企業で働くことは大変なことです。お金を稼ぐことって大変なことだと思います。サラリーマンやって副業まで成功させるのはなかなか厳しいのではないでしょうか。恐らく、スタートアップのころは寝る間を惜しんで作業をしたのではないかと思います。

 今年、うちに入社した新卒の新人は毎日遅くまで仕事をしていました。
「早く帰るようにしようね。」と言っても、「終わらないんですぅ」と笑顔で答えてくれました。業務量が多いことは十分理解しています。

「親御さんに怒られたんじゃない?なんでこの仕事でそんなに遅くなるの?って言われない?」と「はい。怒られました。なにやってるんだって。」

そうだろうな。

でも、今年彼女から言われたことは、「同じ仕事をさせてほしい。仕事が増えても構いません。去年よりもうまくやりたいと思うからです。」という気持ちでした。なので、彼女の仕事を変えることは断念しました。

こういう新人たくさんいます。

中間管理職の方たちは、彼ら彼女らの気持ちを受け止めて、成果を出すお手伝いができるときっと成長するのではないかと思います。










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