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なんとびっくり!サイン会

 最近、指がこわばるよねという話になった。
 久しぶりに昔の同僚と集まって、ランチを楽しんだ席でのことだ。

 そうそう、起きるとなんでだか指が固い感じがして、まず指のグーパーをしてしまうのよ、えええほんと!私もなの!いつからかなぁ、五十肩と同じ時期からはじまったのよねぇ、あ。五十肩、わたしもなった。1年かかったよ。あ、でね。手のこわばりだけど。最初はリウマチを疑ったんだけど、医者に行ったら様子を見ていていいって。リュウマチって大変らしいのよねえ、お金もかかるって聞いた。そうなの?加齢とリウマチって関係あるの?さあ、あるんじゃないの、うちのおばあちゃん指曲がってたもんなあ、あ、やっぱり曲がっちゃうの、リウマチ。わかんないけど、痛いらしいよね。お医者さんが様子見っていうなら、リウマチじゃないんじゃない?そういえば、踵が痛いことあった。あったあった!私もー。いやぁ、ほんとに今まさにお年頃だよね、私たち。年上の先輩に聞くと「ああ、あったあったそんなこと」って全部軽いよね、そうそう、もう懐かしい感じでさ、私たちには今まさに、と言う感じなんだけどね。通り過ぎてしまえば私たちもそんな感じになるのかなぁ?10年後にはそんなこと、言ってそうだよね・・・

🌸

 元同僚のみんなと出会ったのは20年以上前だ。私のnoteではすでに有名人となりつつある空ちゃんも、この仲間のひとり。空ちゃん、シンイ―さん、敬ちゃん、ゆっこりん(全員仮名)の、私を含めて5人。もうひとり、「すえまろ」というニックネームの仲間がいるのだが(もちろんこのニックネームも仮名)、今日は残念ながら不参加。当時20代後半から30代前半の私たちは、社員ではなく、パートとして同じ会社に在籍していた。
 同時期に各部署で関わりあいがあり、仲良くなって、今にいたる。

 それぞれ会社を辞してからも、定期的に集まって親交を深めてきた。コロナ禍を挟んで、この日は4年ぶりの集まりだ。

 40代から50代となった私たちは現在違う会社で仕事をしていたり、していなかったり。いつのまにか、身体の変調や成長した子供たちのことや老いや介護の話に変化している。職場も転職や転勤で勤務先が変わっていたりして、現在の仕事の話にも興味津々だ。
 変わっていないのは笑顔だけ。それぞれいろんなことがあるけれど、集まれば楽しく笑い合える。

 ひっきりなしに話し、笑い合う間、私たちの指はせわしなく動いて美味しいお料理を口に運び続ける。朝のこわばりなどどこへやらだ。
 お店は空ちゃん推薦の、例のあの店。

「のん鎌」「鎌ほの」ではすっかりおなじみの北鎌倉のこちらのお店を、空ちゃんが手配してくれた。
 なんと、貸し切り。
 GWに、貸し切り。
 よっぽど前から計画していなければ、できない技だ。

 実際、本当にGWの鎌倉なのだろうかというくらい、閑静な住宅街の、親戚のおうちのような雰囲気のお店で、私たちはこれまで会えなかったぶんを埋めていくかのように語り合った。

「のんびり鎌倉紀行」ではすっかりおなじみになった看板
季節柄こいのぼりの絵が
看板犬らんちゃん&まるちゃん
今日のランチはオムレツ組と・・・
ハンバーグ組。もうひとつ
鎌倉ハムのサンドイッチもあった。
抹茶のテリーヌ。
空ちゃんと敬ちゃんと私はこちらをいただいた。
もう、激うま
ガトーフレーズ
こちらを食べたシンイ―さんとゆっこりんは
軽くてふわふわで美味しかった!
と言っていた

 宴もたけなわのなか、
 「はい。ではみなさん、持ってきましたね~?」
 という空ちゃんの手にはかねてより準備の駐妻記マッキー(太)
 そしてみんなの手には

『駐妻記』。

 
 これ、感動するなと言う方が無理。

 そう。なんと今回の集まりは、「吉穂みらいサイン会」という、こっぱずかしくもむず痒く、むず痒くも嬉しすぎるサブタイトルがあったのだ。

 空ちゃんは事前に「みらっちが本出したからね~なんとかして手に入れてね~」とみんなに連絡し、(半ば強制的に)サイン会ひらくぞー!という連絡をしていたのだ。なんという周到さ、なんというフィクサーぶり。

 覚えていらっしゃるだろうか。

 プロフィール記事であるこの記事で、私がこう、書いたことを。

 いや、というか・・・
 そもそも・・・
 誰が望むというのだ、そのサイン。笑

 なんと、まさかのその時がやってきたのだ!
 嘘みたいに早く!
 空ちゃんはこの記事を覚えていて「みらっち、あんなこと言ってたじゃない?フフッ意外と早く現実になったね!」とニヤリとした。

 久しぶりに集まろう、と言うことになって「えー今回はみらっち出版記念サイン会なので」と言われた時、「ええっ!あ、そうか、つまり、それにかこつけて会おう、ってことだよね」と納得していたのだが、会が開催される直前で「ほんとだから。サイン」と空ちゃんに言われた時の私の動揺がいかばかりだったかはお察し願いたい。

 いや。
 本気だとは露ほども思ってなかった・・・

 さすがに、本当にサインする日が来るとは夢にも思っていなかったので、いちおう形ばかりサインを作ったものの、それっきり書いたこともない(あ。いちど、サトちゃんに本を贈ったときに書いたが、その時も字は震えるわ、インクはにじむわで、散々だった)。

 しかも今回は、みんなの見ている前で、みんなの買ってくれた自分の本に、自分のサインをする・・・

 あ。ちょっと待って。考えただけで鼻血出そう。
 サイン会を開く作家さんや芸能人の皆さんは、どういう気持ちなんだろうか。想像したこともなかったが、私はもう心臓がバクバクだ。

 非常に緊張する。
 なにせほら、手紙も書けないほど字には自信がない。
 
 練習して臨んだ。笑

 最初、空ちゃんが持ってきてくれたマッキーは表紙に裏うつりしてしまうかもしれないと、自分が持って行った万年筆を使ったが(ちょっとカッコつけてみた)、こっちのほうが乾かなくてダメだった(最初にサインさせてくれた敬ちゃん、ごめん)。
 その後、太字マッキーでもぜんぜんいけることがわかり、最初から空ちゃんの言うことを聞いておけばよかったと思った。
 というか、空ちゃんはそういえばサインに関してもプロだ。プロの言うことに逆らって万年筆など持って行った私が愚かだった。

 そんなわけで、サインはあっという間に終わったのだが、私はサイン後も緊張と興奮が続き、イマイチうわの空だったかもしれない。

 だってさ・・・
 みんな、それぞれ本を手に持ってる。
 買ってくれたってことだよね。
 買って、読んでくれた。
 それを、忘れずに持ってきてくれた。
 サインまでさせてくれた。
 こんな嬉しいことってない。
 これほどまでに、友達の愛と優しさに包まれてたんだ、私。

 シンイ―さんは、中国出身で難しい資格試験にも合格してしまうほど日本語に精通している才女。もう中国にいた年月より日本の方が長いと言っていたから日本語の本はお手の物なのだが、堅苦しい日本語の文章だと読みづらいこともあるけれど、私の文章は話しかけるような感じでとても読みやすかった、と言ってくれた。
 敬ちゃんは「なによりアサヒ(我が家の亡き愛犬の仮名)のところでもう、ぐっときちゃって。アサヒのこと、知ってるだけに・・・」と言ってくれた。
 そうだった。みんなアサヒと会ったことがあるし、アサヒはみんなに可愛がってもらったのだ。そのことを思い出して私もウルッとなった。
 ゆっこりんも「うんうん、そうだよね。私もこれ読んでタイに行ったときのこと思い出したよ」と言ってくれた。
 シンイ―さんと敬ちゃんは当時都合が悪かったが、空ちゃん・ゆっこりん・すえまろはタイにも一度遊びに来てくれている。
 「MKでポン酢で食べた味が忘れられないよ」と、空ちゃんも言ってくれた。

 実は、面と向かってこんな風に内容の細部についての感想を話してもらったのは初めてで、私はずーっと、感動しっぱなしだった。
 本当に感動してるときは、言葉にならないものなんだなと、実感した。
 あのときはいろんな気持ちがわきあがって胸がいっぱいになってしまい、モゴモゴとかムニャムニャとか寝言のようなことしか言えなかったが、この場を借りて改めて申し上げたい。

 みんな、本当にありがとう ‼‼
 みんなの気持ちが、優しさが、筆舌に尽くしがたいほど嬉しかったです!!!

 で。
 みんなで写真を撮りたい、と言おうと思っていたのに、完全に抜けてしまった。この日、サイン終了後はまたおしゃべりに花が咲き、初めてのママ友会なんかだと借りてきた猫のようになる私も、別人かというくらい勢いよくしゃべり倒した。

 4年ぶりで会えた喜びに、話すことは尽きない。
 話題はあっちこっちに移り、嬉しくて楽しくて、貸し切り時間の3時間があっという間だった。

 帰り道、空ちゃんが

「じゃ、今日の写真アルバムに送っとくからね。今日のことも記事にするんだよ♪

 と言った。

 フォトグラファー空ちゃん、ジャーマネ説浮上。

 というか、空ちゃんはもともと部活マネージャー経験者。ジャーマネもプロだ。さすがとしか言えない、この「すべておまかせあれ」の華麗な段取り。

 でもいつも、甘えてすぎてしまっている、とは思っている。
 空ちゃんはこういうことが本当に手際よくできてしまうだけに、我々はつい、空ちゃんに甘えっぱなしになってしまうのだ(我々っていうか、特に私)。

 空マネと金森P、そして古参読者サトちゃんによって、吉穂みらいが出来上がっているのは間違いがない(ちなみに空ちゃんは最近、ナゴミさんを金森Pと呼んでいる。笑。それぞれの面識はまだない)。

 素晴らしい1日だった。
 
 今日のことは、生涯、忘れない。
 忘れられない。
 みんな、本当にありがとう・・・!
 こんな、ステージで言うような言葉を自分が使う日がくるとは、思わなかったよ・・・

 

 

 

 




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