神の見えざる手

私たちの住む地球は、本当に奇跡に満ち溢れています。
変化に富み、豊かな恵みに満ち溢れた自然環境、多種多様な生物群、それらを支える日光と水、そして大気。
このような素晴らしい環境は地球にしかないと、私は思います。

しかし、この地球環境を人工的に再現し、運営しようとした実験が、1991年から1993年までアメリカで行われました。

実験名を「バイオスフィア2」と言います。

「バイオスフィア2」という名称は、この地球を「バイオスフィア1」とし、「完全自給自足による第2の生物圏」という意味合いを込めて名づけられたそうです。

今回は、バイオスフィア2について以下の内容で書いていきます。

1 実験概要及び目的
2 発生した数々の問題
3 この実験から私が気づいたこと

1 実験概要及び目的
バイオスフィア2は、アメリカ合衆国の西側、アリゾナ州にあります。

図1 バイオスフィア2の位置

標高1200mの山岳地帯にある160,000㎡もの広大な敷地に、近未来的な建造物が建ち並んでいます。

図2 バイオスフィア2の施設全容

バイオスフィア2は、以下の7つのエリアで構成されていました。
1 熱帯雨林
2 珊瑚礁のある海
3 マングローブ湿地
4 サバンナ草原
5 霧砂漠(動植物が必要とする水分を霧が供給する砂漠)
6 農業システムエリア
7 居住空間(研究室・作業室を備える)

図3 バイオスフィア2施設の一部。左は熱帯雨林温室、右は居住棟

このような施設を設置した目的は、将来、人間が宇宙に進出した際に、宇宙空間での人間の生活を支え、維持するための閉鎖生態系の実現可能性を実証することでした。
そのために、外界と遮断された地球を模した環境を人為的に作り出し、その中にバナナやサツマイモといった植物や、ヤギやニワトリといった動物、そして8名の人間を実験者として居住させ、閉鎖系の中で2年間、完全自給自足の生活を送らせるという実験を行ったのです。

2 発生した数々の問題
しかし、この実験では数々の問題が生じました。以下に列挙します。

1 絶え間ない飢え
実験者たちには低カロリーで栄養価の高い食事が与えられていたそうですが、彼らは最初の1年間、絶え間ない飢えを訴えていたそうです。
実験者たちの体重は平均で16%減少したそうです。体重60kgの人なら、10kgも減ったことになります。
実験者たちは血中コレステロールの低下、血圧の低下、免疫力の向上なども見られたそうですが、2年間の最後の方は、彼らはバナナと豆で食いつないでいたそうです。

2 酸素濃度の不足
当初は20.9%あった酸素濃度は徐々に減少していき、16ヶ月後には14.5%にまで落ち込みました。これは標高4,080mという、富士山より高い山の酸素濃度と同じだそうです。
実験者の中には、睡眠時無呼吸症候群のような症状が出たり、倦怠感を訴える者が出てきたため、緊急的に外部からの酸素導入を2回行いました。

3 実験者の士気の低下
この、絶え間ない飢えと酸素濃度の不足は、実験者たちの士気を低下させました。加えて、実験者たちは派閥を形成し、2つのグループに分かれてしまいました。
実験参加者によると、親しい友人であった人たちが最低限会話を交わすだけの仲になってしまった例もあったそうです。

4 制御できない二酸化炭素濃度
予想されていたことだそうですが、二酸化炭素濃度の変動はとても大きなものでした。
日中で600ppmも変動しましたし、季節では、冬季には4500ppmに達し、逆に夏季には1000ppmほどにまで下降しました。
そのため、実験者たちは二酸化炭素吸収装置を作動させたりしましたが、それは完全閉鎖系で生活するという原則を崩しているのではないかという非難を受けることにもなりました。

5 害虫の異常な繁殖
当初、施設に持ち込まれた生物群のうち、ヤギやニワトリといった脊椎動物のほとんどと、受粉させる昆虫の全ては死滅しました。
逆に大繁殖したのはゴキブリでした。生態系としては破綻していたと言っていいのではないでしょうか。

この他にも、ミッション中に負傷したメンバーを施設から一時退出させて、帰還時に物資を持ち込ませたという報道があったり、実験データの改ざんが行われている可能性の指摘や、そもそも実験データの多くは分析されたことがなく、おそらく学派の争いや内紛のために利用できないか失われているなど、様々な問題を残す結果となりました。
アメリカの「タイム」誌は、この実験を「20世紀最悪のアイデア」のひとつに選定したそうです。

3 この実験から私が気づいたこと

このプロジェクトを立ち上げ、推進するために2億ドル(現在のレートでは日本円で295億円超)ものお金がかかっていますが、結局、プロジェクトそのものは途中で破綻しています。
破綻理由についてはリンク先を参照していただきたいのですが、私がここで言いたいのは、人間の力でこの地球を再現することは絶対に不可能だということです。

なぜなら、この地球は神様が創造なさったものだからです。
いえ、地球だけでなく、微生物からクジラのような大型の生物も、無機物から有機物に至るまで、全ては神様の創造物です。
生態系も気候も海流も、神様によって全て完璧に運営されており、どこかでバランスが狂っても、それを調整する機構が組み立てられているのです。

例えば、植物は草食動物に食べられ、草食動物は肉食動物に食べられますが、何かの原因で草食動物の数が増えたとしても、それによって餌となる植物が減少し、捕食者である肉食動物が増えますので、結果的に草食動物の数は減少に向かい、全体のバランスが保たれていきます。

また、空気中の二酸化炭素濃度が増加しても、二酸化炭素は水に溶けますので、海水中にふくまれていきます。
水に溶けた二酸化炭素は重炭酸イオンとなり、海水中のカルシウムイオンと結合して炭酸カルシウムとなります。
この炭酸カルシウムを利用して、サンゴなどの海洋生物は殻をつくっているのです。
海洋生物は死んでも殻は残ります。残った殻は長い年月をかけて石灰岩に変化していきます。つまり、地球は長い歴史の中で二酸化炭素を固体に変え、貯蔵していることになるのです。
これらはまさに、神の見えざる手の働きと言えるのではないでしょうか。

https://www.mitsui.com/mgssi/ja/report/detail/__icsFiles/afieldfile/2024/01/19/2401m_inada.pdf

しかし、前述のバイオスフィア2では、神様が構築されたこの完璧な循環システムを安易に模倣して、人間の手でミニ地球を作ろうという傲慢な意図が見受けられました。

人間は、神様に常に相談し、神様の御心を求めながら、二人三脚で神様とともに行動してこそ成功します。
仮に、人間が財力に物を言わせて、神様を抜きにして自分の欲望を満たすためだけに行動しても、神様が祝福なさいませんので、一時的に栄えることがあっても長続きせず、最後は滅びの道を辿ることになります。

旧約聖書にも、イスラエルの王として立てられながら、神様の意向に反したサウルが滅んでいったのに対して、最後まで神様への愛を貫き通したダビデが栄えていったことが書かれてあります。
しかし、ダビデの息子であるソロモンは、晩年は神様から離れてしまい、異郷の神々を拝むようになりました。
結果、イスラエルは分裂し、アッシリアとバビロンに滅ぼされ、人々は捕囚の民となってしまいました。

聖書の詩編にはこう書いてあります。

力ある者よ、なぜ悪事を誇るのか。
神の慈しみの絶えることはないが
お前の考えることは破滅をもたらす。
舌は刃物のように鋭く、人を欺く。
お前は善よりも悪を
  正しい言葉よりもうそを好み
人を破滅に落とす言葉、欺く舌を好む。
神はお前を打ち倒し、永久に滅ぼされる。
お前を天幕から引き抜き
命ある者の地から根こそぎにされる。

これを見て、神に従う人は神を畏れる。
彼らはこの男を笑って言う。
「見よ、この男は神を力と頼まず
自分の莫大な富に依り頼み
自分を滅ぼすものを力と頼んでいた。」

わたしは生い茂るオリーブの木。
  神の家にとどまります。
世々限りなく、神の慈しみに依り頼みます。
あなたが計らってくださいますから
とこしえに、感謝をささげます。
御名に望みをおきます。
あなたの慈しみに生きる人に対して恵み深い
  あなたの御名に。
(詩編 第52章 1節〜11節)

現代においても、例えば中国はつい最近まで世界経済の中心でしたが、中国は無神論者が世界一多く、人口の67%が神様の存在を信じていません。
そのため、人々の心に善なる考えが乏しいのでしょうか、権力者たちは大昔から嘘と騙しによってライバルを蹴落とし、権力の座を手に入れるという歴史を繰り返してきました。

その中国は現在、不動産バブルの崩壊に始まり、株の暴落や自然災害の多発などが立て続けに起きています。
これはどう見ても神様から裁かれ、滅びに向かっている状況です。いや、もう既に滅んでいるのかもしれません。

このように、神様を信じず傍若無人の限りを尽くした人間は、最後は神様に裁かれ、それでも悔い改めない場合は滅ぼされる運命にあります。
逆に、神様を愛して神様の御心を成そうとする人は、神様から祝福され、栄えていくのです。

では、どうすれば神様の御心を知ることができるのでしょうか。
実は、神様の御心は現代の中心者であるラプトさんが、御言葉として伝えてくださっています。
有料記事ですが、1ヶ月800円と安価ですので、ぜひ閲覧なさることをお勧めします。

RAPT有料記事

また、音声による御言葉の配信も行われています。記事の内容は数ヶ月遅れて配信されますが、音声はリアルタイムでほぼ毎日配信されています。そちらは1ヶ月1,500円です。

朝の祈り会、および有料記事のパスワードのご購入

どうか一人でも多くの方が神様の存在を信じ、神様の御心を知り、神様とともに救いの道を力強く歩み、栄えていくことを願っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

画像引用元:
図1〜3 Google Maps


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?