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DAY1-①【飲食×地域資源】【漁業×漁師】

屋久島と地球の未来会議2023のDay1では、5つのフィールドにわかれてExcursionを行いました!
屋久島島内の登壇者が活動している集落や場所に行き、自然と人の関わり方や地域固有の課題感などを、五感を通して感じ・受け止め・深めていく時間です。
フィールドそれぞれの様子をまとめてますので、最後までご覧ください😌
未来会議全体の様子はこちらから↓

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学生ボランティアのあゆみです!
この記事ではDay1の【飲食×地域資源】×【漁業×漁師】in一湊を振り返っていきます。
参加された方も、そうでない方も是非お付き合いください。


【caffe WAA ma-no 】北伸也さん

吊り下げられたランプのあたたかな光が、初めて出合った私たちを包み込みます。

なんだこの安心感…!

大きな桜の木のテーブルを囲み、こだわり抜かれたコーヒーや紅茶を味わいながら、わきあいあいとした話し声が飛び交いました。

マスカットみたいな爽やかな香りの紅茶

ここは一湊にあるカフェ、
WWA ma-no(ワア マーノ)。

営業日は月に一日。
オーナーバリスタの北さんが兵庫県丹波市から屋久島まで足を運び営業をしています。ショーケースにはタルトやカヌレ、バターサンドが綺麗に並んでいて、見ていると自然と口角が上がってしまいます。

丹波市の食材を使ったお菓子たち
「お菓子は人を笑顔にするのに手っ取り早い」

しばらくみんなんで談笑していると奥のキッチンから、カフェの主人北さんが登場!
「先に言います。僕は自己中なんです。」とはじめに話し出しました…

((クセ強そうな人だ…!))と、若干身構えつつ、ワクワクしながら北さんを見つめます。他の参加者の皆さんも次に続く言葉に耳を傾けました。

「自分の作ったもので人を笑顔にすること以外はどうでもいいんです。」

((素敵な人だった…!))
それからの時間は、北さんがこれまで手がけてきた数々の遊びゴコロ満載のプロジェクトの話しを聞きながら、北さんがこれまでどんな風に人を笑顔にしてきたのか、その原動力の秘密を聞きました。熱のこもったマシンガントークに乗り遅れないように、会場の熱も上がっていきます。

ステキな帽子

「観光に行く屋久島」から「仕事をする屋久島」へ、北さんの言葉がとても印象的でした。観光をするだけではなく、島を訪れた人が自分の得意なことで、島と関われるような開かれた場所にWAA ma-noを育てていくことが北さんの願いだと言います。
屋久島との関わり方のバリエーションが増えることに希望を込めて、次の場所に向かいました。

実は、右側の小さなドアが正門。
左の通常サイズのドアは勝手口♡
丹波市の食材を使ったキーマ弁当
美味しかったなぁ🤤

【 一湊漁港 】寺田翼さん

湊川沿いをしばらく歩いていくと一湊漁港に到着。この日は曇りで、海は美しくて深い緑でした。

海にサバの切り身を落とすと、一匹のウミガメが海の底から顔を見せました。みんな「そんな簡単に見られの!?」と驚き、笑顔になりました。

しばらくすると2匹目も

ウミガメを見て盛り上がった後、一湊で漁師見習いとして働いている寺田さんから屋久島の漁業について話しを聞きました。

一湊ではもじゃこ漁が盛んに行われています。もじゃこはブリの稚魚で、藻にくっついて生活をしていて、海流に流されて漂う藻を目印に漁を行います。

「競人として、昔から漁師には憧れがあったんですよ。」と話す寺田さんは、築地での競人を経て、結婚を機に帰って来た屋久島で漁師として再スタートを切ったそうです。どこか飄々とした雰囲気からは、海で働く人間のここちよさを感じました。

そして話しの流れは屋久島もじゃこ漁の現状へ。

気候変動による草食性の魚の増加などによって、もじゃこの住処である藻は激減、それと並行して、もじゃこも数を減らしているそうです。

今は藻の代わりに大陸からの海洋ゴミにも、もじゃこが住み着いているそうで、海洋ごみの塊を目印に漁を行うことも多いそう。

「もじゃこを取った後の海洋ゴミは回収できないんですか?」との質問に寺田さんは、

「海洋投棄の量はすごいよ。本当にスゴい。でも、それを全て回収すればその分ガソリン代がスゴいことになってしまうからね」

人間(自分)の出したゴミが、今、目の前に広がる海に流れています。もちろんゴミを回収するのは漁師さんの役目ではない、だからと言って自分が回収できるわけでもない。

じゃあ誰がやるのだろう。広く美しい海を前にして無力感を感じました。簡単な解決策はなく、ただ自分にできることは諦めないようにしようと思いました。

【 屋久杉楼 七福 】馬場貴海賀さん

一湊漁港から川沿いをゆっくり歩きました。
5分ほど歩くと、ゲストハウス屋久杉楼 七福が見え、90年以上の歴史を持つその建物は堂々とした佇まいで私たちを迎えます。

屋久杉楼 七福
今は海外からの旅人がよく泊まりに来るそう。

中に入ると畳と杉の香りが心地よかったです。一階の共有スペースを抜けると、宿の案内人の馬場さん、ことバーバラさんが「階段気をつけてくださいね〜」とみんなに声をかけました。かなり急な階段を登ると2階には素敵な木の空間が広がっていました。

屋久杉がふんだんに使われた豪華な天井や欄間。一湊川を眺めることができる大きな窓。優しい木の雰囲気がなんとも落ち着きます。畳に寝転がって天井を見上げると、、かっこいい…!

自然な木の形を活かした装飾
「かっこいい…!」

「この建物、もう一度作ろうと思っても、今じゃもう作れないね。」

と誰かが呟きました。この天井も欄間も大きな柱も、守ってくれる人が居なかったら取り壊されて出会えませんでした。

屋久杉本来の自然の美しさと人の技術の結晶。畳に寝転がりながら見上げた屋久杉の天井が尊いものに思えました。次、屋久島に来たらここに泊まろうと決めました。

大きな窓からは一湊川が見える。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。少しでも当日の景色を届けられたら幸いです。

《文:学生ボランティア中村あゆみ》

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