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DAY1-⑤ 【観光×世界自然遺産】

屋久島と地球の未来会議2023のDay1では、5つのフィールドにわかれてExcursionを行いました!
屋久島島内の登壇者が活動している集落や場所に行き、自然と人の関わり方や地域固有の課題感などを、五感を通して感じ・受け止め・深めていく時間です。
フィールドそれぞれの様子をまとめてますので、最後までご覧ください😌
未来会議全体の様子はこちらから↓

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[文章:ボランティアさわさわ]


はじめに

中学一年生の頃に初めて訪れた屋久島。
朝四時に起きて縄文杉まで歩いたこと覚えています。縄文杉はもちろん、縄文杉にたどり着くまでの道中で発見した景色一つ一つが私の心の奥深くまで刻み込まれています。歩き疲れたときにふと顔を上げると縄文杉たちが優しく木漏れ日をつくって私を包み込んでくれたような気がしました。
足元に目を向けてみると透き通るようにきれいな水が流れており、一口いただくとそのまろやかでおいしい水から途端に元気をもらうことができました。
私はこの時、自然の恵みを五感で体感し、屋久島の自然の美しさと力強さに心を奪われたのでした。

そしてこの度、再び屋久島を訪れることができとても嬉しく思います。
今回はこの前感じた屋久島の自然の恵みをあらゆる角度から追求し、
地球の未来を想って日々楽しみながら活動している素敵な大人たちに
たくさん出会うことができ、未来に対して希望を持つことができました。

体験記「屋久島と人々をつなぐ」

屋久島の案内人に島内を案内してもらいました。

まずは春牧の里めぐりから。
里山をめぐりながら、地域にまつわる歴史や産業についてのお話を伺いました。屋久杉が使用されている盛久神社、屋久島の中心産業である焼酎、そしてかつて屋久島において重要であったトロッコの跡をめぐりました。
中でも特に、焼酎の作り方について詳しく知ることができました。

焼酎蔵の見学

屋久島を代表する焼酎は、昔ながらの樽を使用し、
大切に作られていることが良く分かりました。

この焼酎は、さつまいもと屋久島の超軟水の特徴を活かし、まろやかで柔らかい味になり、屋久島の自然の恵みを最大限活かした自然の産物ともいえるでしょう。
お酒は熟成させる過程が大切だというお話の中で、「お酒は海の中で熟成させることができる」と伺いました。海底の日光が届かない静かな場所で熟成したお酒はどのような味がするのでしょうか…。
私も早くお酒を飲みたいなと思いました!

屋久島の代名詞ともいえるまろやかできれいな水と太陽の光をたくさん吸収してつくられたお酒はきっと身体にもよく、心身ともにほっこりする味なのだと思います。
一緒に見学していた方は「ここのお酒は味わい深く奥が深い」と試飲をしながらしみじみとしていました。このお酒を気に入って購入している方もいました。屋久島の自然の恵みによってつくられたお酒は島内外に関わらず、多くの人に愛されているのだと感じました。

ヤクスギランド

次に私たちは自然に根ざした「近自然工法」が実践されている屋久杉ランドへ向かいました。

私は、屋久杉が生い茂る緑深い森の中を歩いていて、自然に限りなく近い道を見つけました。それが「近自然工法」でした。その道は、木の幹と土が融合して作られているようで、歩いてみると、「近自然工法」で作られた道がどんと私の背中を後押ししてくれているような気分になりました。

ガイドさんは
「近自然工法とは、自然の摂理に基づいて、自然の声を聴きながら人工物を使わずに天然の素材を使用して道を作るなど、自然を活かして維持管理をすること」だと述べていました。
「近自然工法」の目的は植生の保護であり、植生を傷つけないようにしながら、折れた枝や山の中にある岩を使って道を作ります。実際に私が歩いた道も、倒木や折れた枝を再利用して作られたもので、足元にもより自然を感じてほっこりした気持ちになりました。
また、「近自然工法」は川の流れも意識しています。

川を上流から下流にかけて流域全体の自然の営みや景観の中でとらえており、川の流れに沿って道を作ることで、自然災害を防ぐことができると知りました。せっかく作った道なのに崩れてしまったらもったいない…崩れないためには自然のことをよく理解して道を作る必要があると気づいたのです。また、崩れてしまわないように、道の土台をきちんと作ることも大切です。この「近自然工法」によって道が作られれば、自然にとってより優しく、私たち自身も自然をより近くに感じることができます。

最近、「近自然工法」の道を増やすための模索は始まっています。
例えば、登山口に岩や石を置いておき、登山客が少しずつ道を作りたいところに運ぶという取り組みがあります。1人がひとつの岩を運べば、30人で30個、100人で100個の岩を運ぶことができ、道づくりに携わる人の負担も軽減することができます。また、この取り組みにより「近自然工法」に興味を持つ人も増えることでしょう。
そして、自分たちが運んだものによって作られた道を歩くとき、道に対して愛着がわき、道や自然への見方・目線が変わるでしょう。

また、ガイドさんから地域の包括的な「循環プロジェクト」についての話も伺いました。屋久島を訪れたお客さんがホテルや売店など屋久島の魅力を発信しているさまざまな場所に寄付を行い、そのホテルや売店などを通して寄付金が「近自然工法」など屋久島の自然をサステイナブルに守る取り組みに送られる。
そうすることで自然がより活性化され、人が自然から与えられる恩恵がもっと大きくなる。この好循環がこの先もさらにバージョンアップして続いていくと良いなと思いました。

ガイドさんがお話してくださった中で特に印象に残ったのは
「人が自然に入ることが悪だと考えられがちだがそうではなくて、
人が自然に入って自然の素晴らしさを感じて保全を考えることが大切だ」
とお話していたことです。

私自身も、自然のなかにお邪魔して、自然にたくさん触れてきたからこそ「大好きな自然を守りたい」と思っています。
自然の摂理に基づいて、ここにある材料でここの場所に適した道を…自然と向き合い続けるガイドさんの背中は大きくて偉大でした。

《文:学生ボランティアさわさわ》

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